「ソダーバーグの持ち味が生きた痛快作」インフォーマント! ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
ソダーバーグの持ち味が生きた痛快作
映画の内容について正確に語る自信はとてもないが、これが実話をベースにしたストーリーで、目先のことしか考えられないお調子者の男によって、FBIやアメリカ、そして日本の大企業をも巻き込んだ大事件に発展してしまった、というその事実が、そもそもこの上なく面白い。
ソダーバーグは、もともと実験的な映画を好む監督で、多くの観客が望むような分かりやすい作品とは正反対の作品を撮る、という嗜好がある監督だと思うのだけど、本作で彼が取った手法は、まさにそういった感じで、観客の気持ちをすかしつつ、主人公のマーク・ウィテカーという奇妙で、それでいて実に人間臭いキャラクターを飄々と描いている。
また、主演のマット・デイモンが体重を増やしてまで役作りをしているが、悪知恵は働くものの、でもネジが抜けている男を軽やかに演じていて、その上手さに舌を巻く。ということで、映画ファンなら必見。
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