「ロボット社会の終焉」サロゲート odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ロボット社会の終焉
VSI社が製造販売した人型ロボット、サロゲートは主人の脳波でアバター化、体験を共有化できることで老人でも若者の様な満足感を得ることから全世界に普及したらしい。
そんな折、本来の人間味を取り戻すべくサロゲート社会を壊そうとするのがなんと翻意した開発者のジャリッド博士、当然、莫大な利益を失うVSI社は刺客を使って抹殺を企てますね。
特徴的なのは軍の秘密兵器OD(オーバーロード・デバイス)、アバターばかりか主まで殺してしまう。映画は刺客を追うFBI捜査官のトム・グリアー(ブルース・ウィリス)のアバター、アバターが破壊されてからはトム本人が生身で捜査続行、やっとご本人登場ということか、ジャリッド博士の陰謀であわや、全サロゲートと主人の抹殺計画始動、自らも行き過ぎたサロゲート社会に疑問を抱くトムの決断やいかに・・。
ジョナサン・モストウ監督はターミネーター3の監督でもあり、人類とロボット、AIの近未来は対立と言うのが相場、ただ、本作のロボットは自我を持たない遠隔操作マシンに過ぎませんから単なる操り人形、凶暴性はあくまでも主の意思ですね。名作ブレードランナーのレプリカントでもありませんから恋もしません。まあ、多忙を極める時に自分がもう一人いたらと思わぬでもありませんが、健康な人が接続装置に自由を奪われて迄疑似体験を望むかというと疑問ですから、無理やり虚構をでっちあげておいて壊すというプロットは芸が無さ過ぎという気がします・・。後年のブルース・ウィリス映画は端役同然のひどい扱いが多いので本作はまだ見どころあり、ということでアクション・ヒーローのブルース・ウィリスファンにしてみれば及第点といったところでしょうかね。