「CGに負けるな。ガッツ溢れる映像美。」インセプション 小太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
CGに負けるな。ガッツ溢れる映像美。
第一に映像が凄い。夢を建造物にたとえて映像化。情緒に頼った画ではなく、現実にある、ありそうな画に拘ったので、夢を見ている人間以外(つまり、観客)にも夢と現実の区別がつきにくい。区別がつかなくても納得できる。
以前、『サマーウォーズ』を高評価したのと同様の理由で好印象。画面の中の世界で統一感があった。
夢にも意識の深さの差で階層があり、深層意識に近い程、時間の進みが早い、という独自ルールを上手に使ったストーリー展開が秀逸。
『ギルバート・グレイブ』で身障者の弟役で出演していたデカプリオ。『ガラスの仮面』で読んだ役者がいた。「天才だ」、内容よりも名前を覚えてしまった。その後のアイドル扱いと、実力を疑うかの様な専門家の評論に疑問を感じていたが、近年、変わらぬ実力を再評価されている。今回も期待を裏切らない。
名前はまだ覚えていないのだが、『28日後・・・』で主役の青年を演じていた人が、今回、記憶植付のターゲットになる大企業の創業者の2代目として登場。ぱっと見、二枚目なのに、どこか抜けていて、陰がある役は絶品。
渡辺謙の存在感は異様な程。もう、三船敏郎のような扱い。その他も渋い配役。安心して鑑賞できた。
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