「体調を整えてご覧になって。」インセプション りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
体調を整えてご覧になって。
他人の夢の中、つまり潜在意識の中に入り込んで、情報を盗み取る。
そんな企業戦略がある時代。
コブはそんなスパイの第一人者。
でも、タブーを犯し、警察に追われ、家族の元へ帰れない。
作品を鑑賞中、常に、今は夢の中、今は現実、と自分に確認しながら見た。
夢の中は、2層にも3層にもなり、複雑だけど、その階層ごとにうまく設定してあるので、見分けはつきやすい。
ディカプリオが持つ金属製のコマの意味をしっかり頭の中にいれておいてください。
最後のコマの使い方は最高。
コブにとっては、コマではなく、子供の顔がアイテムだったのでは・・・。
なるべくCGではなく、セットを作っての撮影にこだわった監督。
質や量を感じさせ、2Dでも堪能できる。
監督のオリジナル映像、オリジナルストーリー、新しい体験をさせてもらった。
空間のねじれ、ゆがみ、回転映像は素晴らしい。見ているのが楽しくなる(内容は緊迫感ありだけど)。
作品の構成も良い。
ディカプリオの切なさは、やっぱりイイね。
少し、ヒース似のジョセフ・ゴードン。
頼りない役だと本当に頼りないのに、しっかりやる時はやる。 注目人物です。
私の好きなディリ―プ・ラオが出演していて、嬉しかった。 彼の優しさ、包容力がいいな。
音楽はハンス・ジマー。 彼に任せればまちがいなし。
マリオン・コティヤールにかけて、エディット・ピアフ繋がりの曲。
複雑なストーリーなんだけど、最後には、きちんと繋がっていて、爽快感さえ味わった。
標的のロバート(キリアンのおぼっちゃまぶりも良いな)にとっても、ある意味良い結果になったのも良い。
最初から、目が離せないので、寝たりしないように、体調を整えて、ご覧になってください。
私も、もう1回見に行こうかな。
いろいろな視点(人物など)から見ると、何回も楽しめそう。