「なんということを映画にしようとするのだ」インセプション Kawolさんの映画レビュー(感想・評価)
なんということを映画にしようとするのだ
宣伝観てた時はディカプリオとケンさんとの知能戦なのかな?って思ったけど、なんというか、これは夢のなかでオーシャンズ11をやるような映画ですねえ!
きっとこの題材なら、コメディにするともっとわかりやすくて下世話なこともできるんでしょうけど、それをスリル満点のシリアスなアクションドラマに仕上げて、セリフひとつとっても重要なキーワードになるような細かくて強烈なインパクトのある脚本になっていますが、これはノーラン監督の手によるもので、やっぱりすごい人です。
ディカプリオの迫真の演技も、盛り上げすぎというくらいのハンス・ジマーの音楽も、どんどん観客の脳を追いつめてくるので、このトンデモな設定のストーリーも観ている間はのめり込ませてくれるけれど、劇場を出た後、なにがどうすごかったのかがよくわからなくなってきたです。まあ、ありがちなヒーローが世界を救うみたいなカタルシスに逃げなかったのはよかったろうと思います。
でもこれを人に薦めるか?と考えると、これは自分で興味を持って自分で観に行く人だけが観るべき映画だろう、と思いました。
ディカプリオ以外の人たちの個人的感情とかがもっと出るような展開だったら、さらに複雑化して混乱したのだろうけど、そういう部分も小ワザとして入れて欲しかったです。けどよくもまあこんなことを映画にしようと思ったものだと、その意気込みと手腕に喝采を送ります!
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