劇場公開日 2010年7月23日

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「自分に呪いをかけている人に。」インセプション 高岡 正和さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5自分に呪いをかけている人に。

2021年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

インセプション。それは情報を植え付けるということ。
そして夢の中なのか現実にいるのかを教えてくれる道具、トーテム。

僕たちも、知らないうちに、
何者かにインセプションされているのかもしれない。
その相手は、知らない誰かかもしれないし、この社会かもしれないし、
愛する人かもしれない。
何よりも自分自身なのかもしれない。

より深い階層へ降りて行けると言われれば、
おそらく僕自身も降りていくだろう。
それは人間のエゴ、天地創造の誘惑なのだろうか。
理由はなんであれ、人は、人を救うために降りていく。

でも、現実を否定する言葉は「呪い」となる。
自分には、どんな呪いが植え付けられているのだろうか。
自分で、どんな呪いを植え付けているだろうか。
完璧なものを求めるよりも、現実を受け入れ、いまある目の前の小さな幸せに気づくためにはどうしたらいいんだろうか。
自分にとってのトーテムとはなんだろうか。
相手を信頼し、同じ夢を見れるだろうか。
復讐や罪悪感ではなく、和解や赦しこそが
人の意志を動かし人生を創っていく力になるのかもしれない。

高岡 正和