劇場公開日 2010年7月23日

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「【248832】」インセプション ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【248832】

2020年9月18日
iPhoneアプリから投稿

世界に最も蔓延している「アイデア」の寄生がインセプションする瞬間は無数にある。

この映画のように謀略を巡らすまでもなく、思い込みはそうだし、僕達はインセプションからは逃れることはできないはずだ。

人を好きになる瞬間はロジカルなものではないし、
愛情、
後悔、
恐怖体験、
強迫観念、
失望、
郷愁、
きっと、トラウマや、
何らかのコンプレックス
だってそうだ。

心の隙間に様々な思いが寄生していくのだ。

この映画の中に出てくる、

「サイトーだったら犯罪経歴を消せるはずだ」とか
「故郷のアメリカに帰れるかもしれないのだ」とか
「保証はないが飛び込むだけだ」

も、心の隙間に入り込んだ思い込みのように思える。

この作品は、コンセプトを通じて、アイデアとは何かを考えさせながら、映画の登場人物の思い込みを対比させ、現実と夢、現実と妄想、その境目が曖昧になる場面は、そこかしこに転がっているのだと教えているかのようだ。

阿片窟のようなところで寝て夢を見て過ごし、それを現実のように感じていたいと願う老人達。

ゲームの世界で過ごす時間が圧倒的に多くを占めるようになった人はどうだろうか。
似たようなものではないのか。

最愛の人とのコブの夢の中に作り上げたビルが林立する世界はゲームの世界と同じではないのか。

また、ネットの世界で自分の作り上げた世界のルールを、あたかも正義のように外にぶつける誹謗中傷を厭わない連中や、人権が法律で守られた世界で、差別的発言や行動を厭わないレイシストも妄想の世界で生きる輩と同じはずだ。

こうして人は夢と現実の境目を曖昧にしていくのだ。

ゲームやアニメの中のキャラクターを本当に愛せるのか。
Twitterの中で匿名であれば、相手に誹謗中傷のような特殊な正義をぶつけても許されるのか。

そんなことはないだろう。

現実に対して、
一層目の夢の世界では12倍の速さで時間が流れる、
二層目では144倍、
三層目では1728倍、
四層目では20736倍…

一層目の夢で、橋からバンが落下し着水するまで、時間はどれくらいかかるだろうか。
それが、四層目ではどのくらいの時間の長さになるのだろうか。

仮に、バンが水面に達するのに3秒かかるとしたら、3×1728=5184秒、つまり、86.4分。
作戦遂行には十分だ。
2秒であっても可能だろう。

そして、サイトーを救う為に、コブが更にその下の五層目の夢の階層まで降りていく。
そこでは、現実に対して、248832倍の速さで時間が流れている。
サイトーが歳を取るはずだ。

クリストファー・ノーランはすごい。

ワンコ
ワンコさんのコメント
2020年9月18日

ウォーミングアップしてました‼️(笑)

ワンコ
NOBUさんのコメント
2020年9月18日

おはようございます。
クリストファー・ノーラン監督の新作鑑賞に向けて、着々とウォーミングアップしている感じですね。
私は今日、観れるかなあ・・・。レイトショーに間に合う様に今から仕事を頑張ろう!
では、又。

NOBU