「キックが必要な世の中」インセプション oshidaさんの映画レビュー(感想・評価)
キックが必要な世の中
各々が役割をこなして、危機を乗り越え、仲間を助けながらミッションをこなしていく。だけどそこには深い友情も愛情もなくて。あくまで“仕事”の関係。
夢の夢の夢の中までいくとさすがにもうわけがわからなくなるけど、冷静に見ていくとなんとなくわかる気もして、クリストファーノーラン監督の天才的頭脳を感じれました。
凡人だったらもうグッチャグチャな構造の映画になったに違いない・・・
「夢」という誰しもが見る空想をここまで大きくミステリアスに仕立て上げるのは天才としか言いようがない…。
構造は複雑だったし、理解するのも難しくはあったし、壮大なハリウッド演出もたくさんあったけど、監督の言いたいことが「自分がしたいこと見たいことは何か」というシンプルなメッセージというところにクリストファーノーランらしさを感じたり、、、
夢と現実を混在させてしまうのはとても怖い。自分の居場所に囚われずに目的を失わないで生き続けられたらいいなぁと。思いました。
ネット社会が進む現代で、ネットの中の方が居心地がいい人は増えてきて。
たしかに自分の言いたいことが言えて、好きな人とだけ絡めばよくて、嫌な奴はブロックすることもできて。そんな居心地のいい世界に浸っていると抜け出せなくなってしまうから。キックが必要な世の中ですね。
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