「靴を脱いで向きを変えたのは、もたいさんだけ」プール shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
靴を脱いで向きを変えたのは、もたいさんだけ
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映画「プール」(大森美香監督)から。
独特の間を持つ俳優さんたちが演ずる作品は、
一度ハマってしまうと、なかなか抜け切れない。(笑)
タイ・チェンマイ郊外にあるゲストハウスが舞台であるが、
メモをしながら、出演者の動きを観察していたら、
ストーリーとは関係ない、とても変なことに気付いてしまった。
宿泊者の共有スペースは、草履やサンダルといった履物を
手前で脱いで上がるのだが、もたいさんだけ、特別な動きだった。
履物を脱いだまま、そのままの向きで上がってくる人たちと違い、
もたいさんだけは、脱いで上がり、そのまま腰を下ろして振り返り、
履物の向きをくるっと変えて、揃えて置き直した。
それは演技なのか、いつもの彼女の習慣なのか、私にはわからない。
けれど、そのシーンが私の脳裏に非常に強く残っている。
こんなところにも、昔の日本人の「礼儀作法」が美しかった。
また「犬は近視なのよ」とか「猫はね、意外と遠くまで見えるのよ」
といった雑学的な話も、子どもにとっては大発見に違いない。
どこかのんびりした雰囲気の漂う、私の好きな映画パターンである。
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