「底抜けな優しさが泣ける、ゼメキス流CG映画の到達点」Disney's クリスマス・キャロル 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
底抜けな優しさが泣ける、ゼメキス流CG映画の到達点
半世紀以上も金以外の物を信用しなかった男が、クリスマスの奇跡によって一晩で優しい心を取り戻すなんて……子供騙しの童話?
そうかもしれない。
実際、こんな甘ちゃんな話もなかなか無い。
けどそこがいいんだ。
どんな嫌な奴にも良心があるし、
どんな嫌な奴でも心配してくれる誰かがいる。
優しい心があれば人を救える。
優しい心があれば自分も救える。
所詮は理想論かもしれないが、やっぱりそれを信じたい気持ちはある。この映画はそんな心のヤワな部分を直撃する、底抜けに優しい映画だ。
映像にするとそうそう長い時間にはならない原作をどう料理するのかと思ったら、成る程、3D映画に見合ったアトラクション的な演出が満載で、まるで主人公スクルージと一緒に空中を飛び回っているような気持ち良さ。子供向けと呼ぶには少しばかり重くおどろおどろしい本編に明るさや解放感を与えていてバランスが良い。
ここ最近は役者の演技をモーションキャプチャーで取り込んだCG映画を作っていたゼメキス監督。それらは今回の映画を作るための“試し撃ち”だったのかと思えるほど、技術的にもCG映画としての演出的にも完成されている印象だ。
クリスマスにぴったりの良作。
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