「男女の恋愛脳のズレを、時に笑いながら、ちょっぴりHに、そして涙を流して楽しめるラブストーリーでした。」男と女の不都合な真実 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
男女の恋愛脳のズレを、時に笑いながら、ちょっぴりHに、そして涙を流して楽しめるラブストーリーでした。
こんな破天荒なラブストーリーは、お目にかかったことはありません。もう下ネタ・放送禁止用語が連発で、ロマンチックのかけらも粉々に吹き飛ばす勢いです。おかげで、身がよじれるぐらい爆笑してきました(*^_^*)コメディか?\オイ!
そんな下品な言葉を操る番組キャスターのマイク役がジェラルド・バトラーなんです。渋い2枚目役で、がっちり女性ファンのハートを射止めてきて、小地蔵も贔屓にしている俳優さんです。それがあなた、なんと下ネタ丸出しのセクハラオヤジになってしまったのです。もうこれは、事件ですぞぉ!
恋愛に対する考え方や価値観に違いがあるのはわかるけど、マイクの『それが真実だ』という恋愛相談番組では、白馬にまたがって現れる王子様という女の子のロマンをけょんけょんにこき下ろして、恋愛の真実を説くのです。マイクの語る真実とは、男と女の関係は、結局性欲と見た目の満足に尽きるというもの。こんな過激な台詞を番組でも、主人公のアビーとの間でも、歯に衣を着せずポンポンと飛び出します。
TVプロデューサーとしてプライドの高いアビーとしてはもこんなお下劣なキャスターなど串刺しにして、灰にしてやりたいほど汚らわしいと思える存在でした。わかりますよ、その気持ち(*^_^*)うん♪(*^_^*)うん♪゜
でも運命とは皮肉なもの(^^ゞ
視聴率の低迷を局の上司から追及されたアニーが、いらつきつつ帰宅したとき、飼い猫が何気なくTVのリモコンのボタンを押したのですにゃん。そのときたまたま写ったのが、なんとマイクの番組。彼の女性を見下したお下劣なコメントにムカッときたアビーは、番組に即刻電話して、マイクと大激論。
でもそのバトルがアビーの局の上層部に大受けで、マイクは低視聴率で打ち切り寸前になっていたアビーの番組のキャストに招聘されてしまいます。
アビーへのマイクの拒絶ぶりは相当なもの。必死になるほど見ている方は滑稽でした。その後の二人のやりとりも爆笑シーンが続出です。
まぁ絶対にこの二人には、恋愛関係なんてあり得ないと思いましたね。この時点では(^^ゞ
ところが二人の関係に転機が訪れます。アニーのお隣にイケメン医師コリンが引っ越してきて、あるアクシデントからコリンのイチモツまでも間近で直視してしまったアニーは、一目惚れ。何とかコリンの気を引きたいと気をもんでいたところを、ずばりマイクに見透かされて、マイクはアニーの恋愛指南を勝手に買って出ます。
マイクの指導方法は、10箇条としてアニーに伝えましたが、その大きなコンセプト焦らすことと同時に誘惑すること。つまり天使のようでもあり小悪魔にもなれというものだったのです。
その指導は、電話の取り方から、チョット色っぽいファッションまで多岐に及んでいました。この辺は『そんな彼なら捨てちゃえば?』に似ていますね。
マイクの指導には、色っぽくなるためには、オナニーも必要と露骨にアニーに強要するのです。恋愛映画であり得ない台詞です。しかも、バイブレーター付きのセクシャルなパンティをマイクはアニーにプレゼントするのですよ。
普通だったらセクハラでビンタものです。でもコリンの愛を射止めたいアニーは、コリンも参加する局のパーティーで、例のパンティを着用するのです。必死なんですね。
ここからが、息も止まるほどの爆笑シーン。
バイブレーターのリモコンを会場にいたマイクの甥っ子が拾って、おもちゃとしてスイッチをいじりだしたから、さぁ大変。
コリンを隣に置き、居並ぶ局関係者を前に、アニーは喘ぎ出します。快感を押し殺して挨拶のスピーチをするアニーの台詞回しがとても愉快でした。
アニーが悶絶しいってしまうところまで、手を貸すことなくニタニタ訳知りににやついているばかりのマイクには、ひどい奴だなと思いましたが・・・。
そんなマイクでも、お下劣さが馬鹿受けで、アニーの番組の視聴率はうなぎ登り。
ライバル局CBSの看板番組からも、マイクはゲストに招かれます。キャスターが向けた質問のなかで、唯一、彼女はいるの?という問いにマイクは口ごもります。この辺から、なにやら雲行きが怪しいぞ、おいマイク!キミは何を考えているんだという疑いを観客にも持たせます。
CBSにマイクが引き抜かれるのではと危機感を感じたアニーは、初めてのコリンとのお泊まりデートをキャンセルして、マイクの宿泊しているホテルへ急行します。
マイクは、アニーの慰留を快く受け入れた別れ際、突如抱きしめて熱いキスをするのです。その後コンコンとアニーの部屋をノックする音。もしやマイクかしら?と、アニーがドアを開けたら意外な人物が登場。そしてドアが閉じられた部屋の外の廊下では、なんとマイクがうろうろするばかりでした。
ここから思わぬ急な展開に俄然ストーリーが面白くなっていきます。
アニーとコリン、そしてはっきりしないマイクの気持ちも絡んで、恋の行方は意外なラストシーンに繋がってゆきます。最後はきちんとラブになるところが、ホントに意外ですね。
それでもマイクの「真実はこれだ」とホンネで迫るお下劣パワーはラストまで、テンションが落ちることはなかったです。まぁ徹底していてよかったです。
マンネリ気味のカップルには、いい刺激になる作品でしょう。