「根源のリアリティ」エスター Kさんの映画レビュー(感想・評価)
根源のリアリティ
サイコスリラーとは日常にある些細な恐怖が最大まで強調されたエンターテインメントだと考えていて、真の恐怖に迫るためには根源にリアリティが必要だと思うが、私はエスターの爽快なまでに目的に真っ直ぐで手段を選ばないところや、弱さと強さの入り混じった感情を爆発させるところに、確かなリアリティを感じたのでとても面白かった。可愛らしい少女の顔をしながら男性に執着するからくりにも意外性と説得力があった。
きちんとしたアメリカの家庭の正しい性教育として大人と子供を分け隔てられ、当たり前のこととして子供扱いされ、それを逆恨みするかのように怒りを増幅させていく描写の中に、昨今の見た目から来る差別の風刺を思ってしまったが、さすがにそれは穿った見方かもしれない。
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