「エロ天使」ボーイズ・オン・ザ・ラン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
エロ天使
誕生日にテレクラでブスでデブな女と出会うが上手くいかなかったというプロローグ。なぜだか、ちはる(黒川)と映画のDVDとAVを交換した田西(峯田)。しかし、平凡なAVを渡したつもりなのに手違いで獣姦モノを貸してしまったのだ・・・しかし、うまくデートにこぎつけ、ホテルにまで入ったのだが、実は処女だという話を聞いて何もできなくなった。入ったのがSM部屋だったというのは何なんだか・・・
風邪をひいて休んだしおりを見舞いに行った田西だったが、その帰り、ちはるの隣人であるソープ嬢しほ(YOU)の部屋でヤバい状況になって、そこへしおりが現れる。上手くいきかけた恋も突然の状況で破局?
数か月して、青山とちはるが付き合っていることが判明。そして、ちはるが企画書を出してボツになった“48手ちゃん”が爆発的な売れ行きを出したため、ライバル会社にアイデアを渡したという理由でちはるは自主退職することになった。しかも青山に振られたちはるは青山の子を宿していて、田舎に帰ると言う。人工中絶の同意書に父親としてサインした田西。中盤までの展開としては『グローイング・アップ ラスト・バージン』と同じだ。
「お前を殴りに行く!」と会社で皆の前で青山に電話した田西。すると、社長(リリー・フランキー)やグータラ社員の先輩鈴木(小林薫)までが応援してくれ、鈴木からボクシングのコーチを受ける。周りから特訓を受けて殴り込みに行くなんてのは『フライ・ダディ・フライ』だ。エンドロール直前にタイトルが出てくるところも一緒。
前半ではエロさを感じさせるが処女という設定の黒川芽衣がいい。エロビデオ見てるシーンや、電動こけしを楽しんでる雰囲気なんてまさしくエロ天使といった女性。完全に負けてしまう決闘シーンよりも、決闘を申し込んだときから周りが応援してくれるところの方が高揚感があった。
ボコボコに殴られ蹴られて惨めな顔になった田西は電車に乗る寸前のちはるに最後のあいさつを。青山の後輩ともHしてたと聞かされた田西は「やらせてくれ」とちはるに言う。もちろん、彼女を忘れ去ろうとするための虚勢に似た言葉。しかし、ちはるの答えは「いいよ、フェラチオくらいなら。トイレ行こ」。そんな返事を期待してたんじゃない!思い余って、ちはるを電車へと押し込んで逃げるように去ってゆく田西。何もかも忘れるために疾走感あふれるラストラン。みじめでボロボロなんだけど、最後には爽快感がある。