「オタク・ウォーズ(数学オタクにゲームオタクにアニメオタクそして…私、映画オタク)」サマーウォーズ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
オタク・ウォーズ(数学オタクにゲームオタクにアニメオタクそして…私、映画オタク)
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再見したが4DXで観ようが観まいがやはりよく出来た作品だと思う。先ず脚本が巧い。全ての情報が有機的に繋がっていて殆ど無駄な情報がない。ただ今回再見して気付いたが侘助のキャラが余り立っていない。「旧家の問題児+元々こいつのした事が全ての始まり」キャラの枠を出ていない。特に後半は影が薄い。まあ、夏希の心が健二に向くのを自然に描くにはその方が良かったかも知れないが。まあ、お祖母ちゃんが(自分とは)血の繋がっていない侘助を家族に迎え入れた度量の広さにホロリとしたことで帳消しにしましょう。さて、実は話そのものは冷静に考えればかなり突っ込みどころ満載である。例えば、片方で世界を揺るがす大事件が起きているのに高校野球の試合を続けているなど本来はあり得ない。ただそういう所にに馬鹿馬鹿しさを感じる隙を与えずに観るものを映画の世界に没頭させる細井守の演出力である。また、逆説的に言えばそこがアニメ映画が実写映画に優る点かも知れない。ヴァーチャルの世界の描き方は今後もどんどん変化していくだろうけれども、この時点ではヴァーチャル世界と実世界とを上手くバランスを持って描けていたと思う。
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