サガン 悲しみよこんにちはのレビュー・感想・評価
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I was addicted to this movie
ベストセラーという映画をみて、実在する作者に基づいた話、というキーワードで思い出しました。
ハマってたんですこの映画。
好きな理由は二つ。
① 物悲しい雰囲気
もともとあまり、ハッピーエンディングで、よかったわね〜となる勧善懲悪的なストーリーは苦手。主人公の、いかにも作家らしい刹那的で、破滅へと向かって行ってしまう、その様子が悲しくも美しく描かれてます。飛び出た才能のある作家って、なんかこう、感受性が強くて、生きづらそう。見ていて胸がいっぱいになりました。
② 過去見た映画で圧倒的に一番オシャレ
シンプルなリトルブラックドレスにパール、アンティーク感あふれる金の時計、ヒョウ柄のコートにノーメークで、短い金髪にタバコ。なんとまーオシャレな映画でしょうか。プラダを着た悪魔より、グレースケリーの裏窓より、ティファニーで朝食を食べるより笑、今の「フランス人は服を10着しか持たない」ブーム的なシンプルでミニマムなオシャレは圧巻です。
サガンFの大ファンになりました。最後のお墓のワンフレーズかとても好き。
主演女優よこんにちは
女優さんの演技が素晴らしかった。18歳から老いるまで一人でやりきり、それは一貫としたサガンだった。誰かに話しかけて、うつむき髪の毛をばさっとする癖。演じきっていた。
ちょっと登場人物が多くて、それぞれの人とサガンとの関係を追いかけるのが大変だった。似たような顔の人多いし。
本当のサガンは
サガン好きだけど、人となりを全然知らなかったので、ショッキングな内容。
自由を振りかざして、周りの人を大切にできなかったのかな? 否、人を信じ過ぎたのかも。幸も不幸も激しく生きた女性だったんだ。
幸せと持ってるお金の額は必ずしも比例しない。
実在の女のとてつもない人生
TVが点いてて何の気なしに観始めてしまったら、実在の女の、とてつもない人生に見入ってしまいました。
才能とお金が結びついてしまったことにひどい罪悪感をもってしまうのか、あまりにも奔放、とても寂しがり。とにかく選んではいけない道をあえて進んでいるように見えました。
ところが、なんでだろう、見終わって残った印象はすがすがしかったんです。たぶん彼女が、とんでもない人生を自分で選んで堂々と生ききったから。
印象に「幸せ」を選ぶのには躊躇があったけれど、「老後のためにチェーン店を買ったりしない」生き方を貫いた女の生き様を見せてもらいました。この映画に出会えた私は幸せでした。
最後のシーンがまた素晴らしくて、あまり馴染みのなかったフランス映画に静かに注目していく予感です。あくまで静かに。
人生は虚しい
随分前に観た映画ですが、今更レビューを。サガンの作品も読まずに観ました。読んでなくても大丈夫。
しかし、映画を見終わってから津波のように押し寄せてくる虚無感。一世を風靡したあのサガンでさえ晩年は淋しいものであった。栄光と陥落。何の為に人は生まれてくるのだろう。
久しぶりに味わう絶望感に頭の中が真っ白になり、正直これ以上生きているのが嫌になりました。
いや、本当に伝えたかったのはきっとそこではないのだろうけど。
そして09'フランス映画祭に来ていたサガンの息子さんは、どのような気持ちでこの映画の宣伝をしていたのだろう。
もう一度観ないとわからない。
でも、もう一度観るのが怖い。
とりあえず“悲しみよこんにちは”を読むことから始めようと思う。
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