「ホスピスで死ぬということ」おとうと kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ホスピスで死ぬということ
ピンクのリボンがやっぱり印象に残るけど、この民間経営のホスピス「みどりのいえ」がとてもいい。生活保護などの支給金額内で面倒みるといっても、医者も雇ってるんだし、ボランティア精神がなければやっていけない。石田ゆり子がそのままそこの従業員に同化している感じだったし、笑顔で送ることができる精神も素敵だった。
夫を早くに亡くし、昔ながらの薬局を経営する高野吟子。一人娘の小春の結婚式から始まる物語。冒頭に寅さんの映像もあるし、佐藤蛾次郎も出演していることから、市川崑監督『おとうと』と山田監督自身の『男はつらいよ』を足したような雰囲気。これで笹野高史が運転手として出てきたら『釣りバカ日誌』まで足したような映画になったに違いない。
ダメな弟、いつまでたっても迷惑をかける鶴瓶。兄の小林稔侍からは縁を切るとまで言われたけど、鶴瓶の作った130万円の借金をなけなしの貯金を叩いて返す健気な姉の吉永小百合。さらには捜索願まで出すという姉弟愛に涙してしまう。
ストーリー的には蒼井優の結婚、離婚といった筋が中心となり、近所のアイドル的存在だったことや、大工の加瀬亮と仲良くなっていく。“大工の嘘”という言葉も新鮮だったし、「離婚してヤッターって思った」なんてのも印象的。仮定の話、山ちゃんと離婚したらヤッターと思うファンもいるのかもしれませんね・・・
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れいすけ(休眠中)さんのコメント
2021年5月15日
石田ゆり子が馴染んでましたね〜。あんな自然体な優しい声掛けの演技。離婚してヤッターは確かに印象的で正直なセリフで良かったです。加瀬亮も昔からいろんなとこに出ていい味を出してる俳優ですよね。