「食という最大の娯楽」南極料理人 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
食という最大の娯楽
南極越冬隊の日々を、料理担当である主人公視点でとらえた作品。
ゆえに主役は厳しい大自然や、過酷な調査ではなく、
極寒の中にあって暖かな食卓と、囲む隊員たちだ。
いささか男だらけのホームドラマのようにさえ感じながら観る。
極限の環境はやはり人を狂気に走らせるのか。
追い詰められてちょっと、おかしくなりかける人もいたり、
そりゃあ、閉鎖空間、陽も当たらずではメンタルやられるだろうなぁと思う。
だとしても必ずすくのは腹で、食こそが最後の砦と皆の期待を集める。
たとえばこれはそんな極端な話だが、でなくともやはり日々食は
栄養を摂取し、命を繋ぐだけではもう成り立たない、今やエンタメであり娯楽だろう。
基地で食卓を囲む隊員たちを見ていて飽きないのが
りその証拠だと思えて仕方なかった。
特に何ら事件が起きたり謎が投げ込まれるわけでもないのに、
まるっ、と気づけば二時間、見てしまえるその魅力は、ちょっと形容しがたい。
生命の維持に欠かせないながらも、それでいて最大のエンタメである食の偉大さ。
本作の成功は、最強タッグがうまく料理された結果、と観る。
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