劇場公開日 2009年4月18日

「アン ハサウェイファンでよかったです。」レイチェルの結婚 SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アン ハサウェイファンでよかったです。

2011年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

単純

映画の感想の前に1つ驚いた点がありましたのでご報告します。本作の予告編を観てもわかるようにこの作品はどちらかというと女性向けです。それはわかっていました。私はきっとアン ハサウェイファンでなかったらこの作品を観ていなったと思います。しかし、劇場に入り席に着き映画が始まるのを待っていたら次から次へと様々な年代の男性が入ってきて気が付いたら女性より多かったのです。まあ、たまたまだとは思いますが、アン ハサウェイのファンが確実に増えているみたいで凄く嬉しかったです。

主人公は姉のレイチェルの結婚式へ出席のためにあるリハビリ施設から実家へ帰ってきた妹のキム。彼女は家族や友人と再会を果たし、周囲は祝福ムードでいっぱいになるのですが,その裏で一家が抱える様々な問題が明らかとなって行きます。

注目は俳優陣のリアルな演技とカメラワークです。特にアン ハサウェイの演技は最高で観るものすべてを引き付けます。初めは完全にスターオーラを封印して不良娘役に徹するのかと思いきや、物語が進むに連れて徐々に彼女の洗練された美しさが際立ち始め、後半にはもう“彼女のファンでよかっ~~~~~!”と心の奥で叫んでしまいました。しかし、本作では演技力にも磨きが掛かっていて、常に短気な女性キャラを演じ切るのかと思いきや、繊細な一面も見せる場面もあり完璧でした。「愛を読むひと」の演技でアカデミー賞・主演女優賞を受賞したケイト ウィンスレットがどれだけ凄いのかはわかりませんが、今回のアンの演技は少なくとも「チェンジリング」のアンジリーナ ジョリーの上を行くものだと私は思います。その他、家族を繋ぎとめようと奮闘する姉のレイチェル役のローズマリー ダーウィットや久しぶりに登場した母親役のデブラ ウィンガーも良い味を出していました。それから、妙にエキセントリックなお父さんを演じたビル アーウィンにも注目です。

それから、カメラワークも特徴的で「クローバーフィールド/HAKAISHA」程のブレはありませんが、全編に渡りハンディーカムで撮影されていてドキュメンタリーに程近い完成度に仕上がっています。そのため俳優陣がキャラを演じている事をいつしか忘れてしまい、まるでホームビデオを観ているような感覚になる時もありました。とても「羊たちの沈黙」と同じ監督とは思えませんでした。

さて、この作品の弱点についてですが、1つ大きなものがありました。それは式のリハーサルの夜に行われた身内での夕食会のシーンでスピーチが多すぎる上に長すぎるという点です。あのシーンを観て何人もの人が劇場を去っていきました。まるで“もうこの映画チュマンナイ バブバブゥ~~!"と言っているようでした。

しかし、それ以外は完璧で“家族とは何か“について考えさせられる良い機会を与えられました。きっと、映画が終わった後自分の家族をもっと大切にしたくなると思います。アン ハサウェイファンのみならず、そうでない人も観るべき作品だと私は思います。

SAOSHIーTONY