名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)のレビュー・感想・評価
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【80.4】名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー) 映画レビュー
名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)(2009)批評
作品の完成度
シリーズ13作目でありながら、歴代劇場版の中でも最高傑作との呼び声高い作品。ミステリー、サスペンス、アクション、そして人間ドラマの要素が極めて高い次元で融合。黒ずくめの組織との直接対決という、ファンが長年待ち望んだテーマを正面から描き、単なるアニメ映画の枠を超えた完成度を実現。
物語は、広域にわたる連続殺人事件を軸に進行。現場に残された麻雀牌から、組織の関与が浮上。事件の真相を追うコナンは、組織の新たなメンバー、アイリッシュと対峙する。アイリッシュがコナン=新一の正体を突き止めるという、かつてない設定が物語全体に張り詰めた緊張感をもたらす。
クライマックスは、東京タワー🗼を舞台にした三つ巴の激戦。コナン、組織、そして警察の思惑が複雑に絡み合い、壮絶な攻防戦が繰り広げられる。この作品の真価は、派手なアクションだけではない。組織のメンバーでありながら、葛藤を抱えるアイリッシュの悲哀に満ちた最期は、物語に深い奥行きを与える。
ミステリーとしての謎解き、サスペンスとしての正体発覚の危機、そしてアクション映画としての迫力。これらが緻密な脚本と演出によって見事に調和し、観客を最後まで飽きさせない。作品のテーマ性、キャラクターの深掘り、そして物語の構成力。すべてが高水準で結実した、劇場版コナンの集大成であり、新たな可能性を示した記念碑的作品。
監督・演出・編集
監督は山本泰一郎。テレビシリーズの監督も長年務めてきた経験から、作品世界への深い理解が見て取れる。演出面では、ミステリーパートの静かな緊張感と、アクションパートのダイナミックな動きの緩急が絶妙。編集は岡田誠。複数の視点や場面をスムーズに切り替え、物語のテンポを維持。特に、伏線の提示と回収が巧みであり、観客が混乱することなく物語に没入できる。
脚本・ストーリー
脚本は古内一成。原作のエッセンスを忠実に再現しつつ、劇場版ならではのスケールとオリジナリティを両立。黒ずくめの組織が主軸となり、組織の内部抗争や個々のメンバーの背景に深く切り込んだストーリーは、ファンを強く引きつける。広域連続殺人事件というミステリーと、コナンの正体を巡るサスペンスが見事に絡み合い、最後まで目が離せない展開。
映像・美術・衣装
アニメーション制作はトムス・エンタテインメント。作画は非常にクオリティが高い。特に、アクションシーンや人物の表情描写は細部にまでこだわっている。東京タワーなど、実際のロケーションを忠実に再現した美術設定もリアリティを追求。キャラクターデザインも須藤昌朋が手掛け、安定したクオリティを維持。
音楽
音楽は大野克夫。お馴染みのメインテーマに加え、サスペンス感を煽る重厚な楽曲や、アクションシーンを盛り上げる壮大なオーケストラ曲など、作品の世界観をさらに深化させる。主題歌は倉木麻衣の「PUZZLE」。ミステリアスな雰囲気と力強さを兼ね備えた楽曲が、本作のテーマに完璧にマッチしている。
作品
監督 山本泰一郎 112.5×0.715 80.4
編集
主演 B8×3
助演 B8
脚本・ストーリー 脚本
古内一成
原作
青山剛昌 B+7.5×7
撮影・映像 A9
美術・衣装 A9
音楽 S10
黒の組織絡みは面白い
追跡者と書いてチェイサー。
天国へのカウントダウン以来、8年ぶりとなる黒の組織が絡む作品。
良かった点
・黒の組織が物語に深く関わって来るところ。
・警察にスパイとして潜り込んで来る点。
・蘭が簡単にアイリッシュを倒してしまわず、逆にやられるところ。
・東都タワーへの銃撃。ヘリを撃墜するアクション。
悪かった点
・コナンから長く離れていた人にはベルモットとの関係が難し過ぎる。何でコナンは黒の組織の奴と仲良く話してんだ?ということになる。
・アイリッシュ強過ぎ問題。7人も同じ場所で気絶させるって、どうやってるの?正直そんな面倒なことせずとも、背後から撃ったらいいよねという。
・蘭が銃を躱したのは良かったか悪かったか難しいところ。さすがにやり過ぎ感があったが、今さらという感じではある。
・事件の犯人が計5分も登場していないこと。主要人物なのに声優を使わなかったせいで棒読みが酷い。
・ヘリのアクションは良かったが、どう見てもジンが相手は子どもだと気付かない方がおかしい。無理矢理にでも新一に戻していた方が良かったと思う。
・小五郎の扱いが最高に酷い。蘭がピンチなことすら知らないまま。
・松本警視を生かしていた理由が不明確。生かすメリットも無いし、どうやってカブトムシを逃がしたのか想像もつかない。
ようやくコナン映画の暗黒期を抜けた感のある作品。これまで迷走し過ぎていたが、アクションシーンは非常に見応えがある。
ちょっと警察が無能すぎませんか?
コナンたちが気づいたことにずっと後追いなのはいかがなものか。
関東全域で行われる連続殺人に対して各県の刑事が捜査を行っていく、という全体的に渋い仕上がりになっているストーリーではあるものの、クライマックスの東京タワーの攻防はコナン映画の中でも屈指の迫力がある。
戦闘ヘリまで出してきたらそろそろ国をあげて黒の組織捕まえようぜってなってきてもおかしくないレベルの犯罪だけど。
良い方ですね!
『名探偵コナン』劇場版 第13作
またまたコナン見た
[毛利蘭が強すぎる] [ヘリコプターが もろすぎる]
かなり期待していただけに残念。努力の成果は見られるが…。 まずプロ...
コナン最大の危機
七筒(チーピン)とビートルズ
七夕、VEGA、麻雀、ビートルズ、北斗七星と北極星、そしてネッシー。色んなキーワードが飛び交う中、ビートルズについて語る阿笠博士が良かった・・・というか、同年代。ビートルズのLPジャケットに少年探偵団がそれぞれ使われていることが涙出てくるほど嬉しくなってしまう。ちなみに「黒衣の騎士」に関してはTV版を観ていないとわからないけど、高校生の新一だったのかな?このシリーズだけ見てみたい。
黒の組織がかなり関わっている本作品。連続殺人犯は別にアイリッシュでも良かった気がするのですが、そこは本格推理をさせようという意図があるのですよね。そしてフラッシュメモリーもどうなったのか気になるところではあります。
劇場版としては、蘭と園子が通う帝丹高校の風景が珍しく登場しているし、改めて高校生だったのだと納得する・・・ファンに怒られそうだけど、卒業してしまった気がしていた。ジンとウォッカの乗る黒のポルシェ356A。そして女性のベルモット。峰不二子の雰囲気もあるけど、今後のコナンとの戦いにも興味津々です。
アクションは凄いけど、推理系は・・・
コナンが、麻雀牌を残した連続殺人事件の解決と、黒の組織との対決に挑む物語。
随分前に鑑賞済みですが、録画していたものを再鑑賞。
コナンの映画で一番気になっているのは、その犯人の動機です。アクションは多少無茶があっても、そこはアニメですから許容出来ます。
でも、犯人の動機だけは「犯行結果に相応しいもの」を用意して欲しい、と考えています。
この作品では、殺人とその後のアクションが明確に分けられていますが、それでも少し無理やり感があります。
流石に黒の組織が絡むアクションは迫力があります。最後のアイデアも秀逸で、緊迫感、驚き、カタルシス満点です。
また、蘭の格闘技シーンの迫力も刮目です。
ただ、上述の動機もそうですが、推理系については無理やりな印象が強く今一つに感じました。星座の話も無理を感じますし、ビートルズのヘルプの話は「目が点」です。
最後に、ゲスト声優のDAIGOさん。彼の起用にも無理を感じます。大事なキャラなのにあの演技を聴かされては興ざめです。
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