「とうとう終わった」のだめカンタービレ 最終楽章 後編 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
とうとう終わった
拙ブログより抜粋で。
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例によってドラマ版『のだめカンタービレ』を未見の筆者には、前作以上にコメントしづらい後編でした。
良くも悪くもハチャメチャだった前編と違い、後編はギャグシーン控えめの正攻法ドラマで、シリアス路線。のだめと千秋の互いを想うすれ違いが延々と描かれる。
千秋の想いはナレーションで説明されるため、予備知識なく観てもわかりやすい。が、と同時にこれは、こいつ何考えてるんだっていう作劇上のサスペンスなところまで思考停止に陥らされる諸刃の剣。
でもま、そんなことは『のだめ』ファンなら重々承知の、このドラマでのフォーマットなんだろうから、突っ込むだけ野暮ってもんだ。
その分、(無知な)観客としてはベーベちゃんこと、のだめの方に興味が湧くのだが、こちらもなんだか悶々としているばかりで、彼女の置かれた立場同様、鑑賞上の突破口が見えてこない。
平たく言えば、ドラマチックなメリハリに欠いて退屈。
そういった停滞感を発散してくれるのが時折挟まれる素晴らしいクラッシック音楽。
こういう展開でこそ、映画館をクラシックホールへという、『のだめ』映画化の大義名分ともいえる、本来の目的に立ち返る。
そう考えれば、いいあんばいのグランドフィナーレと言えよう。
(中略)
筆者にはドラマ版からのファンにとってこの映画がどの程度満足いくファンサービスになっているかは計りかねるが、奇をてらわず、普通に期待する通りの終幕から、「とうとう終わった」という安堵感は伝わってきた。
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