沈まぬ太陽のレビュー・感想・評価
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信念を曲げない男の生きざまになぜ辞めないのかという疑問も吹っ飛んだ!
今流行りの時制がバラバラな作りで、少しわかりにくかった。でも、原作は単行本で5冊の大作。3時間20分にまとめるのも苦労があったと思うので、しかたがないのかなと思う。東大法学部出身の恩地があそこまで屈辱的な人事を受けながら、どうして働き続けるのかわからないと思いながら観続けた。でもわかる気がした点が2つ。彼が飛行機を航空産業を愛していたから? もう一つはアフリカの広大な大地に立つと、そんなちっぽけなことなんかバカバカしいと思えたから? 3時間20分も長さを感じず、あっという間だった。なかなか映画化が実現しなかった本作。今の日本航空の状況をみると、山崎豊子は予想していたのかな。映画は関係ないと言っているけど・・・
映画化とは難しいものですね
滑り込みで観てきました。間に休憩が10分間入った、3時間を超える長編力作だったと思います。俳優陣も豪華キャストで、あの人があれだけしか出てないの?と思うこともありました。予算や某航空会社との駆け引き、さまざまな分野からの意見、批判など多くの障壁があったでしょうが、それでも完成の日を迎えることができたのは、監督をはじめ、映画化に携わった多くの方々の執念ゆえでしょう。その意味でこの映画はできるだけ多くの日本人が観るべき映画だと言えます。
ただ、個々の場面では、時間の制約から描ききれなかったところが散見されたのは残念でした。たとえば、恩地元はなぜ10年もの僻地勤務から帰国できたのかが描かれていないし、国見正之が会長を解任されるに至る流れもはっきりしません。少なくとも私にはよくわかりませんでした。原作を読んでいない方には、展開がうまくつながらないところがあったのではないでしょうか。
それでも渡辺謙さんが見せる、鬼気迫る狂気の表情や無念の表情は必見です。蛇足ですが、石坂浩二さんや品川徹さんを見ると、「白い巨塔」の東教授と大河内教授の姿がダブるのは私だけでしょうか。
情緒的過ぎるのは、悪いことではない
同じ山崎豊子原作の「華麗なる一族」や「白い巨塔」に比べると、この作品は全体に重厚感は感じられないものだった。それは、脚本の構成、物語の展開に起因している。
映画は、あの飛行機事故からはじまり、事故の遺族たちと関わる主人公・恩地に対する、勤務している航空会社の非道さがカットバックするような形で挿入されていく、という流れで展開していく。そして会社が新しい方向へと向きを変えようとするまでを描いていくのだが、恩地の存在が常に物語の核になっていることが、映画に重厚感がない要因のひとつだ。
これまでの山崎豊子原作の映画は、さまざまな登場人物たちが主人公とは別の動きをして、それがわりに細かく描かれる。やがて、その別の動きがひとつになるような大事件が起こり、主人公の生き様が一段と画面にフィーチャーされる。その生き様についていく人物、そうでない逆の立場の人物と登場人物たちが色分けされたあと、再びめいめいが独自の行動をしていく、という展開だ。だから、登場する個々の人物のキャラクターと行動がしっかりと描かれるために、物語全体に重厚感が増してくる。そこが山崎豊子原作の映画やドラマの魅力、という意見があるのは当然のことだ。
しかし、この「沈まぬ太陽」の場合は最初に大きな事件を提示しているために、物語に人物の動きが描きこまれておらず、主人公以外の登場人物たちの行動や生き様が、今ひとつ、画面から浮き彫りにされてこない。だから、恩地が若かりし頃に組合の交渉の先頭に立つのも、事故の遺族たちの前に立つのも、会社との関係性を別にした、ただ情緒的な人間の姿が見えるだけだ。そこがこの作品の大きな欠点、と言えばそうなのだが、私は今回の山崎豊子の映画に関しては、情緒的過ぎてもかまわない、と思っている。
それは、誰もが知っている大事故を中心にしているために、本当の遺族の方々の心情を考えると情緒的にならざるおえない、というのもあるが、主人公の恩地も、元は同じ組合員だった行天(三浦友和が好演!)にしても、ほかの連中にしても会社のことしか考えない同じ「会社人間」だからだ。つまり、いいと思っての行動も、悪いことにしか見えない行動も、会社にとっては同じ方向を向いているに過ぎない。舞台の航空会社が半民半官の国の力が及びやすい大会社だったとしても、会社の中の話はコップの中の嵐、のようなものなのだ。
それを表現しているのは、恩地がケニアに赴任するシーンだ。そこでは、広々とした平原に過ごす動物たちの前では人間はちっぽけな存在で、人間は感情でしかそれを表現できない、ことを恩地自身が物語っている。だから、情緒的な人間の姿こそが、会社のためにしか生きられない「会社人間」そのものであることを、この映画のラストに至って、主人公の恩地とともに観客は知ることとなる。そこが、他の山崎豊子の映画とは違う、この作品らしい魅力なのだ。情緒的なのが目立っていたって、そこがこの作品の核ならば受け入れるくらいの度量が、観客の側にあってもいいと思うのだが...。
次は日本アカデミー賞ノミネート作発表で、日本映画界の勇気が試される
映画化決定の知らせを聞くと
同時に、全5巻の文庫本の読書開始。
一気に、読みきった直後に頭をよぎったのは、
「これ、本当に映画化できるのか?2時間で収まるのかな?」
事実、製作前は前後半に分けようという意見も
出たそうですが、原作者山崎豊子さんから出た
映画化の条件が「1本にまとめて作ってください」。
最終的に、途中10分の休憩を挟み、
3時間22分で完成をさせることとなりました。
御巣鷹山ジャンボ機墜落事故
某航空会社からの抗議もあり
映像化の話があるたびに流れてきたそうです。
そんな紆余曲折を経た上での力作。こちらも
覚悟をして見届けよう!なにやらいつもより力を込めて上映開始を待ちました。
★彡 ★彡
凄まじいものを見せつけられたな
渡辺謙さん。そりゃ、公開初日に感極まるよな
オープニングから泣いていました。
エンドロール中、涙が止まりませんでした。
劇場に灯りがともっても、しばらくの間、席を立てませんでした。
“渾身の一作”
まさにこの言葉がふさわしい大作でした。
これ以上、この映画に関して言葉が出てきません。
◇ ◇
豪華出演者の中で、
一番心を打たれたのは、
遺族役を演じられた木村多江さんでした。
特に、後半に登場されたとき、
場の空気を一瞬にして変えてしまう姿に
驚くと同時に、胸がつまってしまい、涙が
とめどなく流れ落ちてしまいました。そこには本物の遺族の姿がありました。
ちなみに、
今作のエキストラさん。
実際に御巣鷹山事故の遺族がいらっしゃったそうです。
体育館に置かれた棺の前で本当に涙を流されていたそうです。
そんな、
遺族を含めた
熱い思いに、この映画は支えられているのです。
映画を思い出し、
レビューを書きながらも涙が止まりません。
★彡 ★彡
どのタイミングで休憩を入れるのか。
これにも関心があったのですが、バッチリ。
休憩明け。集中力が途切れかけていたお客様たちも、
渡辺謙さんと石坂浩二さんの2人を前にして、映画の世界へと吸い込まれていました。
これで注目は日本アカデミー賞に移りました。
ノミネートをする勇気が関係者にあるかどうか。
前段階として東京国際映画祭関係者に、その勇気はありませんでした。
10月24日土曜日、映画祭開催会場映画館にて大々的に上映をしたのは、
日本映画関係者のせめてもの矜持と解釈していいのでしょうか。
日本の映画界が試されている
そう言っても過言ではないでしょう。
審判が下されるときを静かに待ちたいと思います。
感動と虚しさ
沈まぬ人生。
あれほど話題になった原作をよくぞ映像化した。と
評論家筋も評価している作品だが、私もそう思った。
冒頭のジャンボ機墜落事故は、否応なく御巣鷹山の
悲劇を描いており、とても普通の感覚で観られない。。
その背景にあったもの。生命をも疎かにした組織悪の
実態をフィクション(表向きは)の形で、抉り出している。
渡辺謙が演じる恩地元にはモデルが存在している。
(小倉寛太郎氏・元日本航空労働組合委員長)
彼が組合でストを示したことで社から懲罰人事を受け、
(表向き海外派遣)カラチ、テヘラン、ナイロビに10年間。
呼び戻されて組織の立て直しを図るも、またも圧力で
中断を余儀なくされ、再びアフリカへ。
そこで見たのがタイトルの「沈まぬ太陽」なのである。
この、長い長い(原作と比べれば短いが^^;)作品も、
恩地が味わった歳月が集約されるラストシーンでは、
あぁ…という気持ちがこみ上げ、感極まってしまった。
ただしかし、小説なのであくまでフィクションでもある。
彼は墜落事故当時、遺族の世話係にはなっていないし、
その他の人物に於いても、総てが真実ではないらしい。
虚実ない交ぜに描かれている、としてもやはり私達は
あの事故を一生忘れることはできないだろうし、長年の
企業体質や構造が今やっと悪しき問題点を露呈させた
面からも、なんてタイムリーな公開!としか思えない。
でもこの作品が本当に描いているのは、
会社でミツバチのように働く「お父さん」という存在感。
男たるものは家族を守るため、己の自尊心を守るため、
組織や社会に翻弄されながらも毎日それに耐え尽くし、
自己の信念に決して諦めない強さと潔さを持つことを
全面に押し出した内容となっている。熱い生き様!
きっと誰もが恩地のような生き方をしたいと思いつつ、
行天のような生き方をしている気もする。
いちばん心に残るのは、過去の苦労を百万倍しても
墜落事故で家族すべてを失った遺族に叶いはしない。
という台詞だった。角川と対立したという航空会社の
誰ならこの言葉の重みを理解できるんだろうと思った。
(奥さんや子供達も大変だったろうな…女もつらいよ。)
フィクション
山崎さんの小説を忠実に映画化している訳で映画そのものに関することではないかもしれませんが、名前は変えているけど、素人でも分かる実在の会社や人物が登場してくるわけですが、それ故上映後の今もっても物議をかもし出しています。ただ、いろいろと調べてみると事実半分、脚色半分といった感じでしょうか。組合委員長だったこと、僻地に異動させられたこと、墜落事故があったことは事実。それ以外は多分に読み物として美化された感じです。ただ、それは作品そのものの問題であって映画にその罪を問うのはどうかと思いますが。ただ、作品の出来が良いことや主演男優さんが熱を入れてスピーチされたこと、モデルの会社が時期が時期だけに80%くらいは事実じゃないかと思ってしまうくらいです。長時間映画ではありますがある程度社会人経験を積んだ方にとてっは比較的短く感じたのでは。女性の方にとっては(妻の感想ですが)TVドラマで充分じゃないのといった印象でした。
巨大スケールときめ細やかさが同居する、熱い映画
山崎豊子原作の作品って実はひとつも観た事無い……。
だから他の山崎豊子作品との比較はできないが、この映画の見応えは保証できる。
御巣鷹山の再現や外地ロケ、『カムイ外伝』の10倍は精緻なCG等を駆使した画作りは気合十分で、かなりのスケール感だ。
だが大味な印象はない。やや緩慢ながら奇をてらわない演出で、大スケールの部分と、家族の絆や遺族感情を描く細やかな部分とをうまく同居させている。
己の保身と私益を貪る事しか興味の無い輩ばかりが権力を握る世の中だが、それでも諦めるな。
人に尽くし、命を尊ぶ、人間らしい道を見失うな。
映画からそんな力強いメッセージを感じ、胸が熱くなった。
残念なのは主人公・恩地が帰国してから航空機事故が起こるまでの「恐ろしくて残酷で気の休まる暇がない」期間を描かなかった点。
闘志を失い掛けた男の再生を描くなら、そこは描いて然るべきでは無いのか。
また、大量のエキストラの捌き方も不満。特に航空機事故の遺族らの演技はかなり酷い。実力派の俳優とエキストラとの間に温度差がありすぎて興醒めだ。
また愚痴っぽくなっちゃったが、本作は骨太で見応えもあり、何より熱い映画だ。熱い映画は、嫌いになれない。
映画の感想になってないかも?だけど…
この映画、長い上映時間ってこともあって
観に来てる方々にもそれぞれの事情があるのかもしれないが…
映画の途中、持ってきた食べ物が入ってる袋をシャラシャラ音たてて
食べなければならないのか?
ゲップを出すほど食うな!よ...(´Д`|||)
携帯も途中で見なければならないのか?
隣のババアには注意した。
が、小声で「眩しいのですが。」と言ったのでは聞こえなかったみたいなので
彼女の肩に(一つ席が空いていたので)触り、「眩しいです。」と言ったら
携帯電話を見るのを止めた。が、一段下のオッサン(全部白髪なのでかなりの高齢?かと思われたが…)が
携帯を観始めた。隣のババアには注意したのだがそのオッサンには
声が掛けられなかったので席を蹴ってやった。
しかし…再度観てたので私の行為に気付いてなかったか
単純にバカなオッサンだったか…
映画の感想に入る前に、こういう記述したくなかったけど
いつも思うけど、人間年を取っていても常識のあるヤツは少ないのか?
そういうヤツに劇場で映画を見る資格があるのか?
本当に疑問です。
映画の間中何か食べないとダメなヤツは家で見て欲しいよね。
携帯もそんなに気になるのなら映画観に来るな!
って思う私は心が狭い?
で、感想ですが
渡辺謙さんの気合の入った(良い、悪いで言えば)良い作品だったと思います。
そんなに長くは感じなかったし…
しかし、飛行機とか命を預かるような会社の方々には
何を押しても安全第一でお仕事して欲しいと思いました。
政治家と官僚、出世することしか頭に無い人間には期待しないことですね。
長さを感じ…
休憩もあるしあまり長さを感じさせないんだけど、もっと短くまとめられたんじゃないかとも思う。
全体的にモッタリしていて、面白いんだけど眠い。
そしてスッキリしないまま終了してしまう…
社会とは?会社とは?人生とは?
太陽はでっかい。
スクリーンの外のイメージがわかない
たとえば小説を読んでいると、活字で書かれた光景やキャラの心情をイメージし、さらに活字の外にイメージを拡げていく。映像でも同じことで、スクリーンに描かれた光景からその外にイメージを拡げていく。絵画や音楽や詩なんかにも同じことが言えるように思う。
このあたりスピルバーグは抜群のセンスを持っていて、原作からイメージを拡げて映像化するのも、観客にスクリーンからイメージを拡げさせるのもうまい。
さて、この作品からはどんなイメージが拡がるかといえば、題名でもう書いてしまったんだけど、ちょっと正確じゃない。正確にはスクリーンの外にうかんだイメージは、「やる気に満ち溢れた、監督とキャストとスタッフたち」なのだった。
演技は見事なのに、演技しているようにしか見えない。スクリーンの向こうに、男、恩地の生き様も見えてこなかったし、社会の捻れとそれに翻弄される仰天の姿も見えてこなかった。
いろいろ問題点はあると思う。カメラワークはテレビドラマ風だし、CGでつくった飛行機やゾウはディスカバリーチャンネル風だし、各キャラクターの描き方、特に悪役の描き方は水戸黄門風。でも何より問題なのは、作り手に活字から拡げたイメージがなかった(か、あってもそれを映画作りに活かせなかった)ことなのでは、と思う。
ただ、冒頭部分だけは強烈な力があった。乗客やクルーがそれぞれの背景を背負い、スクリーンの向こうの白い光に消えていくシーン。それだけでよかった。特撮なんていらない。
沈まぬ太陽
まず、完結編を製作してほしい。原作を読んでいないので忠実に映画化したのかわからないが、あまりのも最後が中途半端な終わり方になっている。特に、日航の再建問題が表面化している今日この頃、何度も再建のチャンスがあったのにもかかわらず、その機会をことごとくつぶしてきた会社側の責任について追求すべきではないか。
また、主人公の描き方が不自然であり、単純すぎる。社内の派閥抗争は、どこにでもあることだが、そこまで会社に残ることにこだわる理由がわらない(普通なら学歴と語学力生かして転職しているはず)。航空機事故以降であれば、遺族に対する社会的正義という大義名分があるが、それ以前は、そのような大義名分はなかったはずだ。それを一本につなぐ大きなバックボーンが描ききれていないのが残念だ。あと、こんなにアフリカはじめ海外ロケを敢行してお金かけなくても、もっと良い作品を作れたのではないかと思うのだが。
役どころを心得た演技
ほかの評価を見てみると、長編をよくまとめたのだろう、とわかります。
しかし、中途半端とか、分かりづらいということはありません。
豪華キャストでありながら総花的ではなく、また、さすがに演技を心得た人たちなので、配役以上の演技をする人もおらず、とてもスマートにストーリーが理解できます。
そのスマートさに乗るかのように各俳優がうまく味を出しているので、メリハリがあり、とても味がある映画です。
報道にあるように、JALをモデルとしています。
ですので、123便の墜落事故の状況が描かれていますが、そのシーンでは年輩の方が多くススリ泣いていました。
僕も、もらい泣きをしたくらいです。
渡辺謙さんはとてもいい演技をしていましたので、主役としての役割を達成していたと思います。
香川照之さん、石坂浩二さん、三浦友和さん、それに書ききれないほどの名優たちが支えあった良い作品です。
信念を貫く人、権謀術数で生きる人、時代におぼれる人、家族、仕事、いろいろなテーマがありますが、うまくまとまってました。
納得です。
行天は最低やろう
今、破綻しかけている某じゃのるがモデルになっている超大作
途中でトイレ休憩があります
しかも唐突に
早い者勝ちです
もたもたしてはいけません
かなり重い内容です
恩地
君はやっぱり青いよ
でも、なんか、おじさんと性格似てるかも
山口百恵の旦那演じる
行天
本当に最低な男
前半は社内のドロドロ
後半は政治のドロドロ
ラストは今ひとつ納得感がありません
でも、まー、良い映画でした
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