「大企業の内幕を暴く勇気ある作品」沈まぬ太陽 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
大企業の内幕を暴く勇気ある作品
企業の中の個人とは何か? たしかに、ひとりひとりの力が結集して企業が成立しているのだが、どんなに力量がある個人がひとり抜けたところで、停止せずに回り続けるのも、また企業の姿だ。大企業になればなるほど、その傾向は強く、上に進もうとも、現場サイドで奔走しようが、企業体質を改善するというのは並大抵のことではない。出る杭は打たれるのだ。この作品を観て、あらためて感じた。
作品のデキは、表現がストレートすぎて面白みに欠けるが、よく思い切って親方日の丸の大企業の体質を暴露したと感心する。
「沈まぬ太陽」というタイトルはどこからついたのだろう。気の休まることのない企業戦士を意味するのか。それとも、何事があっても、また新たな日がやってくるといういうことか。その両方かもしれない。
予告篇での音楽の使い方に吸い寄せられたが、本篇ではそうしたドラマチックな効果がなかった。古い話になるが、黒澤作品の「乱」がそうだった。また、いくら人間ドラマとはいえ、VFXがお粗末すぎた。
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