「予兆と遠因」沈まぬ太陽 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
予兆と遠因
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第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
"金曜特別ロードショー" で鑑賞。
原作は未読。
実話を元にした、骨太な社会派超大作。日航機墜落事故を題材に、信念を貫いて大企業の悪しき体質と戦い続けた恩地と、友を裏切って会社の中で伸し上がっていく行天の対比と対峙が壮大なスケールで描かれていて、とても見応えがあった。
鑑賞時高校2年生だったため、日航機墜落事故は知っていたが、当時の出来事の壮絶さを、フィクションだから脚色されているとは言え、まざまざと見せつけられて衝撃を受けた。
社会人になり、現場工事の監督をしているが、本作で描かれていることが他人事では無い業界に身を置いている今、本作を振り返ると、また違った視点で捉えることが出来た。
事故には直接的な原因があり、その検証は今後の教訓を得る上でとても大切だが、事故の予兆や遠因はなんだったのかを知ることも同時に重要だろう。この事故は起こるべくして起きたものであり(それはある意味で人災と言えなくもない)、大企業の傲慢さと持つべき責任の重さに迫るストーリーは、現代社会に向けて多くのものを語っているように思える。
[以降の鑑賞記録]
2025/01/02:サンテレビ「新春特別ロードショー」
※修正(2025/01/02)
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