劇場公開日 2009年12月19日

「ゲームファンなら納得でしょう」映画 レイトン教授と永遠の歌姫 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ゲームファンなら納得でしょう

2009年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

自ブログより抜粋で。
ゲーム版は一切やったことがない者としての感想です。
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厳しく観れば全体的にリアリティに欠くものの、ゲームの映画化としてはそれにふさわしい愉しめる内容と評価したい。
後半に登場するトンデモマシーンの数々も、まあきっとゲームファンなら想定の範囲内だろう。そこをあげつらってどうこう言うつもりはない。
強いて言えば、こういうことが許される世界観であることを序盤で提示してくれた方が一見さんに優しいと思う。
映画ファン的には、(ちょっとマイナーな作品かもだが)19世紀末のイギリスを舞台に2人のマジシャンの確執を描いた『プレステージ』(2006年、監督:クリストファー・ノーラン)で感じたトンデモ感を例に出せばご想像いただけるだろう。

そういう「ゲームの映画化」であることさえ肝に銘じてさえいれば、この世界観を巧くまとめた上出来の脚本だと思う。
劇中の謎解きゲームに出題されるクイズは小粒ながらなかなかひねりが利いていて楽しいし、クライマックスは感動的な展開で、うっかりすると泣かされますぞ。

(中略)

おおかた悪くない出来と思う本作だが、野暮を承知で映画としての難点を指摘しておくと、ここでの謎解きゲームには多くの参加者がいるのだが、それぞれのキャラがあまり立っていなくて、あらすじで言及される程度の主要メンバー以外はまるで印象に残らない。
ミステリー作家やサッカー選手といった設定はまったく活かされず、謎解きにもほとんど関わらない傍観者と化して、まさに雑魚キャラ状態なのがもったいない。

また、レイトン教授とジェニスが海岸で交わす会話に謎解明のヒントがあるのに、そこでの演出も淡泊すぎて、伏線の張り方としては弱い。
ここでしっかり印象に残してくれたら、真相がわかったときのカタルシスはより大きいものとなっただろう。

一方で、少女ミリーナが捜査のために潜り込んでいたグロスキー警部(声:大塚芳忠)を海に突き落とすなど、ミスリードのつもりの演出が、よくよく考えるとキャラクター設定を破綻させていると思う。

(中略)

まあ、こういったことは一見さんの粗探しでしかなく、ゲームファンや子どもたちにとっては些細なことのように思う。
クライマックスに次々と明かされる驚きの真相、胸躍るアクション、さらに涙を誘う感動的なエピソードと、この映画がターゲットとする本来の観客なら充分に満足させられるはず。
最後の“別れ”のシーンなんて、子ども向けなどと侮れない味わい深いもので、とくに“その瞬間”の大人な演出には正直驚かされた。ネタバレできないのが口惜しいが、さりげないながらもそんじょそこらの凡作とは一線を画した素晴らしい演出だ。

かみぃ