「アメリカ的という点で飛び抜けたヒーロー」アイアンマン2 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ的という点で飛び抜けたヒーロー
自らアイアンマンであることを公表したトニーは、世界を守るという意識を高めると同時に、自信過剰による傲りも出てくる。また、パワード・スーツのエネルギー源であるリアクターが彼の身体を蝕み続ける。そこに、更なる強敵が現れるという、ヒーローものとしては至極常套なプロットだが、ここで主人公が鬱的にならないのがアイアンマンの特徴だ。
トニーは根っからの遊び人で、しかも科学の天才。財力もあって、いまさら性格をどうこう変えようって歳でもない。持ち前のぐうたらさと技術力で難局を乗り切っていく。金持ちのぼんぼん育ちだが、誰かと違ってやるときはやる、それがトニーというキャラの面白さで、ロバート・ダウニー・Jr.の風体がそのまま重なる。前作が成功したのも、大人の遊び心をくすぐる要素が盛り込まれて、ほかのヒーローものとは一線を画した作品になったからだ。
それに堂々とヒーローをやる姿はショー的で、色彩も含めていかにもアメリカ的だ。
グウィネス・パルトロウが相変わらず知的で美しい。台詞回しも独特だ。また、監督のジョン・ファブローがお抱えの運転手役で味な演技を見せる。鞭を振りながらステップするように前に進むミッキー・ロークに至っては、恐いというよりむしろ微笑んでしまうぐらい愉しそうだ。
スカーレット・ヨハンソンやサミュエル・L・ジャクソンまで登場してスクリーンを賑わすが、むしろこれはPart3への布石と見るべきだろう。
相変わらず、Skywalker Soundの重低音はスゴい。Tシャツの袖がビビる体験はクセになる。
アイアンマンが飛び立つときの手の格好がキューピーに見えてしまうのは私だけ?