劇場公開日 2009年8月8日

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「人が人を大量虐殺することの愚かしさ」縞模様のパジャマの少年 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人が人を大量虐殺することの愚かしさ

2024年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ドイツ人将校の息子として裕福な暮らしを送る主人公の少年と、強制収容所で極限状態に追い込まれている少年。2人の少年が置かれる対照的な境遇を見せながらも、人間として根本的に大した違いは無いのが表現されている。その表現を通じて、人が人を大量虐殺することの愚かしさを、メッセージとして伝えている映画。

人間の大量虐殺という子供にも分かる愚かしい行為が、大人になるにつれて様々な知識を付けていくことでかえって分からなくなる。反ユダヤ主義思想の元に愚かしい行為を正当化していく。主人公の姉は、家庭教師の教育の影響により反ユダヤ主義思想に染まってしまった。まだ判断力の未熟な子供は何物にも染まりやすく、このような歪んだ思想にも簡単に馴染んでしまう。子供に対する教育の重要性も、この映画は伝えている。

ラストは衝撃的だが、主人公の家族は何を感じたのだろうか。

根岸 圭一