セントアンナの奇跡のレビュー・感想・評価
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スパイク・リーらしい一本
わかりやすくはない、という意味で。
表面上のストーリーはわかりやすいんだけど(実話らしいし)、
なんていうか……見終わったあとにつかみどころがない感じ。
アメリカ人の黒人兵が言った、
「イタリアにいたほうが、自分が自分でいられる。
イタリア人には人種差別という感覚がない」
というような感じのセリフと、
東京ローズのドイツ版がいたということが印象的だった。
戦時中、イタリアにもドイツにもアメリカにも、
それぞれいい人たちがいたんだっていうことを
描きたかったのかなぁ……。う~~ん。
救われたラストシーン
スパイク・リーの作品「マルコムX」が好きなので、この映画をチョイスしてみました。4人の黒人兵士と、少年との絆を描いた作品。あらすじは、自分好みで良かったです。でもこの話の流れは、タテマエとして、本筋は、人種差別の問題を描いた社会派映画かなぁって思いました。所々、宗教的なの要素も見られていて。
黒人がどのような時代背景でも、アメリカ人の心の中では、差別の第一人称であって、他の国の国民には、触れられる事が出来ない社会問題かもしれないけど、少し映画の中では、黒人への差別が前面に強く出すぎのような気がしました。
それからドイツ・ナチス軍の戦場での非情さも、そこまでは、さすがにないでしょう って思いました。民間人を容赦なく殺戮しまくったりして、その反面、4人の黒人兵士は、英雄扱いされすぎと言うか。人類史上において極めて重要な時代背景の話なんだから、ある程度は、真実にそって作ってほしかったです。映画の後半部分は、まったく理解不能な戦闘シーンで、見ていて気持ち悪くなりました。
でも、そんな気持ちを払拭してくれた 感動のラストには、大変に救われました。 色々な酷評もありましたけど、あまりないタイプの映画だったので、見て大変に良かったです。
戦争を舞台に描く人間ドラマ。1983年のニューヨーク。ある日、真面...
戦争を舞台に描く人間ドラマ。1983年のニューヨーク。ある日、真面目な郵便局員が突然、客としてやってきたある男を射殺した。その郵便局員は、第2次大戦時、黒人部隊“バッファロー・ソルジャー”の一員としてイタリアの戦線に送り込まれていたが、そこで出会ったひとりの少年との交流が、全ての謎を解く鍵だった……。
内容は人種差別
予想外の冒頭で、しかも訳が分からずに進み、終わった後にもう一回冒頭を見直してしまう映画です。DVDで良かった。
第二次大戦のイタリア・トスカーナ戦線がメインの舞台。
アメリカ黒人部隊は白人上官から碌な扱いもされないまま、戦闘真っただ中におとり同然に放っておかれた4人は、戦線に紛れ込んでいた少年を助け出し、ある村にたどり着く。負傷した少年を助けるためと、部隊本部と連絡を取るために滞在した村で、地元のパルチザンとの格闘や忍び寄るナチスドイツとの戦闘と、様々な事件が起こるが、一番印象的だったのは村の夜のパーティー。アメリカ黒人4人は村の人々が「対等に」酒を酌み交わしてくれることに、
「あの国のために戦っているのに、あの国にいるより今は自由だ」
常に白人との差別に悩まされていた日常とのギャップに感動すら覚える4人。
この話ではいろんな対立軸があるが、終始一貫してあるのはこの黒人と白人との「終わらない戦争」。スパイクリー監督ならではだなと感じる。
ラストは感動しますが、全体的に冗長で不要な演出も多い。冒頭の射殺も、結局4回見直したが、相手も分かり辛いし理由も不鮮明。
昔のあれが今のこれにつながってました、というのが好きな方にはお勧め。
少し長い(2時間半強)から気合が必要。
スパイク・リーも通俗的な監督となってしまった
「モ’・ベター・ブルース」など、中流家庭の黒人家庭を描いて、必ずしも黒人=貧困とは限らないことを示したり、「ドゥ・ザ・ライト・シング」のようなインパクトのある監督は、どこへ行ってしまったのであろうか?
どこにでもいる普通の監督となってしまったのは、とても残念だ。
奇跡
キリスト教色の強い映画だと思いました。人々が祈る姿とは対照的に、戦闘シーン・死体の映像が惨くて。個人的にはちょっと人死にすぎかなーと思ってしまいました(実際の戦場ではこれが現実なのでしょうが…)
「戦争」だけではなくて「人種差別」とか「罪」とか色んな問題がちりばめられていて、難しいというか考えさせられることが多かったですね;
とりあえず、夜中に見ると悲しくなる映画でした(´ω`)
奇跡はひとつではなかった・・・
160分という長さと虐殺シーンもある戦争映画だというイメージからかけ離れていた。ミステリー的な要素もあるおもしろさと観終わってしみじみとした気分になれる映画だった。スパイク・リー作品らしい、黒人であることにこだわった演出も垣間見えるが、それよりも「戦場のピアニスト」でも感じられた、その国民はみな悪者で、他の国民はみな被害者みたいな画一的な描き方ではなく、その国民にもいい人はいたし、他の国民の中にも協力者はいたのだという実際の様子に近かっただろう描き方がよかった。黒人兵のことはよく知らなかったので、今さらながらアメリカでの根深い差別を感じたし、イタリアでの解放感も意外で、実話をもとにしているとのことだが、本当にイタリアでは差別意識がないのかと不思議に感じた。加害者の名前をちゃんと記憶していなかったので、あの4人の黒人兵のうち誰が加害者なのかわからなかったし、途中でコーヒーカップを落とした人が誰なのか、持っていた拳銃は何なのか、最後まで興味は尽きなかった。久々にいい映画に出会えたなぁと実感した2時間40分だった。
最近になく、エンドロールの時間を楽しめました。。。
戦争、人種、虐殺、国、宗教等での人間本質の葛藤の部分を美味く料理してある映画のように感じました。エンドロールでこの映画をもう一度自分の頭で回想できる充実がありました。若干、戦争シーンがきつ過ぎかな。
鐘の音で泣いた__D_F9D3__
ドイツ軍のセントアンナ橋爆破とセントアンナ大虐殺と米黒人バッファロー部隊の展開だけが史実(実際イタリア人に感謝されてるらしい)だが、戦争、差別、ヒューマンドラマ、ミステリー、オカルトとあらゆる要素がはいった映画だと思います。戦争映画で涙が出たことはなかったのですが‥最後のシーンとエンドロールの鐘の音が、戦闘シーンの鐘の音とダブります。二回観に行きました。長いので二回目は途中寝てましたが、見応えある映画だと思います。ラストの演技は二回目にじっくり見ました‥一回目はすでに泣いてよくみてなかったからです。1800円はお得だと思います。
答えは観る人それぞれの人生観
人間のちょっとした行動が、その後の運命を変えていく。偶然か、奇跡か、神の導きか? 第二次大戦まで遡って、その答えを探すのだが、けっきょく答えは観る人それぞれの人生観によって違ってくるのだろう。ただ言えるのは、過去において何かひとつでも欠けていたなら、今の自分はなかったということ。そういう意味では、無駄な出来事というのは無いのかもしれない。
いきなり現代のアメリカで旧ドイツ軍の9mmルガーP08による殺人と、行方不明だった彫像の頭部の出現で謎を呼ぶ。黒人部隊の指揮官にダメ人間を据える米軍本部はすなわち黒人を軽視していたという風刺や、ドイツ軍にも早く戦争を終わらせたいと考える将校もいたことなどを盛り込んで、160分という長さは感じない。だが、冒頭で出てくる記者が本筋にはまったく絡んでこない一本調子の語り口や、意識してのことかもしれないが古くさいカメラワーク、画面に合わない大仰な音楽がやや難。
郵便局員と撃たれた男の顔に特徴を持たせてくれたら、もっと話を理解しやすかった。(人物の現代と過去を直感的に結びつけられる工夫がほしかった)
戦闘シーンはけっこう痛い。視覚効果をILMが担当していたとは知らなかった。
人種を超える人の絆
スパイク・リー監督といえば、アメリカの人種差別問題や、社会問題の作品が多いように思うけれど、これは、同じく黒人を主役にしているけれど、少し趣向が違う。
イタリアの危険地域に派遣された黒人だけの部隊≪バッファローソルジャー≫の兵士4人が、ナチスとの最前線での戦いの様子が描かれている。
銃撃シーン。
爆撃シーン。
流血シーン。
思わず、目をそむけた。
そんな中での、黒人差別を知らない村人との交流と、不思議な能力を持つ少年との出会い。
少年が大男を「チョコレートの巨人」と呼んで、甘える様子は、とても微笑ましい。
上司命令に背くことなどできない。
でも、陰でこっそり子供を助けたりする。
そんな、組織に属する人間の辛さ、悲しさ。
それでも、個人の信念を貫こうとする者。
そして、それを貫く難しさ。
「差別」というものを、最初に教えたのは誰?
≪人はなぜ、21世紀にもなって、むごい戦争を繰り返しているの?≫
途中、少し長く感じるけれど、ラストの爽やかさは抜群!!
グッと胸に染みた。
デンゼル・ワシントン似のヘクター。
ヒース・レジャー似の新聞記者。
良かった。
ラスト!ジ~ンときました^^
S・リー監督の作品は、かなり凹むイメージがあるので
ある意味気合を入れて映画館へ・・・
ナチスの残虐行為に落ち込みつつ
アメリカ兵が黒人兵士を差別するのに悲しみつつ
それでもひとりの少年を一生懸命守り抜く姿に
心がとても助けられた感じです。
悲しくも切ないストーリーでしたが
ラスト!あぁ~そういうことだったのね・・・
決して悲惨なだけではなく、
人と人との絆を結ぶ心温まる戦争映画です。
ちょっと長かったけど観て良かったですね^^
7月30日MOVIX伊勢崎にて観賞
今年度前半ベスト1
正直、ありふれた戦争ものの映画だし、かなり長いので、絶対眠ってしまうと危惧していた。が、ストーリーは意外性があり、次はどうなる次はどうなると思いながら見ていたので、全然時間を感じさせなかった。地味な作品ながらとてもよかった。
ラストがよかっただけに、もう少し縮めて、ストーリー展開を際ただせれば、素晴らしい感動作となっていたことでしょう。やや残念です。
出だしはすごくミステリーでよかったのです。何しろ郵便局の窓口で、黒人の係員が初老の男の顔を見るなり、いきなりドイツ製の古いピストルで撃ち殺すのですが、警察や記者の尋問にも黙秘して語りません。
現代で起きた殺人事件から始まった本編は、いったいどんな展開になるのか、全く予想がつかないままに、第二次大戦末期のムッソリーニが退陣し、内戦状態にあったイタリアに話が飛びます。
ただそこに行くまでに、ちょっとご注目あれ!冒頭登場する実業家風の紳士をお忘れなきように。
既出のヘクターという黒人が起こした殺人事件を報じた新聞記事を、その紳士はカフェで見かけて、食い入るように読み、驚きのあまりにカップを落としてしまうのです。このシーンは、一見何にも関係ないように見えて、ラストの感動シーンへの重要な伏線となっているので忘れないでください。
さて、そのイタリア戦線で、アメリカ軍は実験的に黒人部隊を投入していました。戦闘中見かけた少年アンジェロを救おうとしたため、ヘクターほか4人の黒人戦闘員は、部隊から離れて、小さな村に身を寄せます。
ここでの4人の黒人と、村の人々の交じりあうところが本編ドラマの主要部分となっていきます。何といっても、黒人を見たことがない村人にとって、人種差別なんて想像すらできなかったのです。言葉が通じない黒人を同じ人間として扱ってくれるばかりか、中にはベッドのお供までしてくれる美女まで登場!4人の黒人にとって、ここは奇跡の村といってよかったでしょう。
ただし、 2時間40分の長編は、アンジェロとの遭遇や村人との交流の部分でかなり饒舌でした。テンポが悪く、人種差別を超えた人間同士の混じりあいの感動が、よく描き切れていないのではと感じました。
さらに途中から、レジスタンスがドイツ兵捕虜を連れて合流することで、アンジェラが語ろることを怖がっていたセント・アンナの大虐殺(女こどもを中心に市民560名が虐殺)の全貌が明らかにされます。
このときも捕虜となったドイツ兵は、大虐殺の時になぜアンジェラだけは逃がそうとしたのか、その心理描写が描かれていません。
大虐殺の裏側には、レジスタンスのリーダーがセント・アンナにやってくるという密告があり、事情で遅れたため、その場にいた無関係の市民が、ドイツ軍の犠牲になってしまったのでした。
どうやらレジスタンスの内部に通報者がいるみたいです。裏切り者は誰か?一時疑心暗鬼になるレジスタンスと村人を前にして、割とあっさりネタバレしてしまうのも残念です。もっとドキドキさせて欲しかったですね。
通報者の手引きで、小さな村にレジスタンス掃討のためドイツ軍が襲いかかり、次々と村人たちは皆殺しにあいます。一般人とレジスタンスの区別がつかないための処置でした。
4人の黒人たちも激しく応戦するものの、ヘクターは弾丸に倒れます。この辺は、迫力ある戦闘シーンでした。
傷ついたヘクターを見つけたドイツ軍の将軍は、何故かヘクターを見逃して立ち去ります。結局ヘクターは、後から救出にきた味方に救われるのですが、もう少しドイツ軍の将軍の、無駄に人を殺したくないというヒューマンな気持ちに至った経緯にも、詳しく触れて欲しかったですね。
そして黒人たちが命がけで救ったアンジェラは、どうやら殺されはしなかったようです。ただ虐殺のショックで精神に障害を来していたアンジェラは、どうなったのでしょうか?すごく気になります。しかし、その後のアンジェラの消息は触れられることはありませんでした。
さてさて、話はまた現代に戻ります。
殺人犯として裁かれる身となっていたヘクターは、誰かが高額な保釈金を払って、保釈されます。
保釈金を払った人物の代理人曰く、イタリアでお世話になった人というではありませんか。仲間も村人も、みんな死んだはずなのにとヘクターは不審がります。小地蔵も、そんな人いたっけと思いました。
ヘクターは代理人の誘導のまま、保釈金を支払ったある人物と再会します。そのラストは凄く感動しました、う~ん、これこそセント・アンナの奇跡でしたね。
一人の少年を救おうとした人々の願いが紡いだ奇跡と言うべきでしょうか。人の絆の有り難さが身に染みるラストシーンでありました。
結局ヘクターがわざわざ当時のドイツ軍の銃で撃ち殺そうとしたのは、かの裏切り者だったのかもしれませんね。
ラストがよかっただけに、もう少し縮めて、ストーリー展開を際ただせれば、素晴らしい感動作となっていたことでしょう。やや残念です。
最初から最後まで
初めは、長く感じました。
けど、終わってみれば冒頭から大切なシーンがぎっしりつまっていたことに気がつきます。
私は個人的に、冒頭でも同じシーンがあるのですが、終わりに近いシーンで再度「使われた拳銃」が映し出された時に「やられた!!こうゆうコトなのね・・・・」っと思わされました☆
丁寧に作られ、伝えたいコトがきちんと伝わってきた、素敵な映画でした♪
やはり、スパイク・リーは好きな監督です。
起こるべくして起きた奇跡?
☆
どうして真面目に生きてきた男が殺人事件を起こし、
価値のある彫像を所有していたのか。
冒頭でグッとつかみ、第2次世界大戦下のイタリアに飛び、
謎解きをしていく、というよりも、
スパイク・リーらしくと言えばいいのか、ナチスを単純に悪にとか、
黒人を単純に差別するとか、というのではなく、
ドイツ軍も連合軍もパルチザンも入り混じり、単純ではない人間の醜さと、
純粋さを描いていく。
じっくりと2時間40分あまりをかけて。
助ける少年の描き方も、
ラストの奇跡もファンタジックに描かれ上手く調和し
トンマッコルへようこそ と同じ様な印象も受けます。
R指定の付いてる作品ですし、
エンドロールにはILMのクレジットもありましたので、
戦闘シーンなどの描写はリアルですが、
イタリアの人々に差別されない黒人兵が
自由をはじめて感じたというようなセリフなどが強く残り、
人種や宗教の壁って、差別する側、される側の違いってなんだろうと、
複雑で考えさせる作品でありました。
☆
誰かを守っている男性ってかっこいいっ!
「セントアンナの奇跡」を見てきましたっ!
純真な少年を守っている兵士たちが、めっちゃかっこよく見えました。
当時の、人種差別の様子がリアルに感じられる作品でもあるので、社会的な問題を知る事ができる映画でもあると思います。
ぜひ見てほしいな♪
一人の少年を護る兵士達
1983年アメリカの郵便局で定年3ヶ月前という黒人郵便局員がドイツ製の銃で一人の男性客を銃殺。
郵便局員の家を警察が捜索したところ、1944年8月8日のナチスにより破壊されたサンタ・トリニータ橋の装飾品の頭部が見つかる(時価5億円相当)
この事件はアメリカから海を越え、イタリアの1944年8月12日にナチスにより村人500人以上の虐殺が起きたセントアンナの大虐殺の真実に繋がる…。
イタリア人兵、ドイツ人兵、アメリカ側として戦う黒人兵。1944年の戦争の背景が分からないと、少し話に苦労するかもしれません。
戦闘中の身でありながら、言葉が通じない少年と出会い、彼を護るため歩き出す兵士達。
とても残酷で悲しい映画だけれど、奇跡の実話を是非ご鑑賞ください。
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