「答えは観る人それぞれの人生観」セントアンナの奇跡 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
答えは観る人それぞれの人生観
人間のちょっとした行動が、その後の運命を変えていく。偶然か、奇跡か、神の導きか? 第二次大戦まで遡って、その答えを探すのだが、けっきょく答えは観る人それぞれの人生観によって違ってくるのだろう。ただ言えるのは、過去において何かひとつでも欠けていたなら、今の自分はなかったということ。そういう意味では、無駄な出来事というのは無いのかもしれない。
いきなり現代のアメリカで旧ドイツ軍の9mmルガーP08による殺人と、行方不明だった彫像の頭部の出現で謎を呼ぶ。黒人部隊の指揮官にダメ人間を据える米軍本部はすなわち黒人を軽視していたという風刺や、ドイツ軍にも早く戦争を終わらせたいと考える将校もいたことなどを盛り込んで、160分という長さは感じない。だが、冒頭で出てくる記者が本筋にはまったく絡んでこない一本調子の語り口や、意識してのことかもしれないが古くさいカメラワーク、画面に合わない大仰な音楽がやや難。
郵便局員と撃たれた男の顔に特徴を持たせてくれたら、もっと話を理解しやすかった。(人物の現代と過去を直感的に結びつけられる工夫がほしかった)
戦闘シーンはけっこう痛い。視覚効果をILMが担当していたとは知らなかった。
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