劇場公開日 2009年7月25日

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「人種を超える人の絆」セントアンナの奇跡 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人種を超える人の絆

2009年8月5日
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

スパイク・リー監督といえば、アメリカの人種差別問題や、社会問題の作品が多いように思うけれど、これは、同じく黒人を主役にしているけれど、少し趣向が違う。

イタリアの危険地域に派遣された黒人だけの部隊≪バッファローソルジャー≫の兵士4人が、ナチスとの最前線での戦いの様子が描かれている。

銃撃シーン。
爆撃シーン。
流血シーン。
思わず、目をそむけた。

そんな中での、黒人差別を知らない村人との交流と、不思議な能力を持つ少年との出会い。
少年が大男を「チョコレートの巨人」と呼んで、甘える様子は、とても微笑ましい。

上司命令に背くことなどできない。
でも、陰でこっそり子供を助けたりする。
そんな、組織に属する人間の辛さ、悲しさ。
それでも、個人の信念を貫こうとする者。
そして、それを貫く難しさ。

「差別」というものを、最初に教えたのは誰?

≪人はなぜ、21世紀にもなって、むごい戦争を繰り返しているの?≫

途中、少し長く感じるけれど、ラストの爽やかさは抜群!!
グッと胸に染みた。

デンゼル・ワシントン似のヘクター。
ヒース・レジャー似の新聞記者。
良かった。

りりー