奈須きのこ伝奇小説を、全8部作でアニメ映画化。
以前WOWOWで放送して録画しておいたこのシリーズを、先日ようやく一気見。
完結編である第七章にて、まとめてレビュー。(最終章は30分くらいしかない短編なので)
「第一章・俯瞰風景」:万物の死を見る事が出来る“直視の魔眼”を持つ少女・式が、連続自殺事件の謎を追う。
一言感想:まだまだ全てが謎だらけだが、この独特の世界観に掴みはOK!
「第ニ章・殺人考察(前)」:高校時代。式は同級生の幹也と出会う。巷では、連続猟奇殺人事件が発生。犯人は式…?
一言感想:二人の出会いが作品全体の背景となり、完結編にも直結する為、最も見逃せない章。
「第三章・痛覚残留」:幹也は雨の夜、ある少女と出会う。その少女・藤乃は痛みを感じない特異体質で、見るだけで物をねじ曲げる特殊能力を持つ。また、連続惨殺事件の犯人だった…。
一言感想:式と同様、特異な能力を持った少女の姿が哀しい。か弱いというか内気な少女の声に能登麻美子は適材。
「第四章・伽藍の洞」:「ニ」の続き。不慮の事故で昏睡状態になった式が目覚め、“直視の魔眼”を持つまで。
一言感想:式がどういう経緯で今に至ったかが描かれ、その複雑な内面と共に、式の人物像を掘り下げる。
「第五章・矛盾螺旋」:式は親を殺したと言う少年・巴と出会い、彼の住む不可思議なマンションへ。幹也もまた別角度の調査でマンションへ。そこには、数々の事件の黒幕である謎の魔術師・宗蓮の陰謀があった…。
一言感想:初の長編。式と宗蓮の壮絶な戦いが繰り広げられる。また、宗蓮が怪事件の首謀者となったのは何故か…?
「第六章・忘却録音」:幹也の妹・鮮花が通う女学院で怪事件が起こり、式と共に真相を追う。
一言感想:唯一の癒し系・鮮花が主役だけあって、学園ミステリー風&少しコメディ。式とのやり取りも面白い。
「第七章・殺人考察(後)」:以前と同様の連続猟奇殺人事件が発生。幹也は式の無罪を信じるが、式が姿を消す。幹也は調査と式の行方を追う。
一言感想:遂に完結。伏線が繋がり、全ての謎が明かされる。大団円は、式と幹也の年月を経たラブストーリー。
全8章通してみたが、確かに複雑で登場人物のほとんどが哲学的な台詞を喋り難解だが、この淫靡で奇怪な世界観に魅了された。
加えて、映像の素晴らしい美しさ。
クールビューティーな式を始めとする魅力的な登場人物。
全作通してなかなか楽しめた。