シェルブールの雨傘のレビュー・感想・評価
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シェルブールの雨傘‼️
私の周りにはミュージカルが嫌いだと言う人が多い‼️あの突然歌い出すのが気色悪いらしい‼️ならばこの作品はどうか⁉️なぜなら今作はセリフが全て歌になっている‼️やっぱり気色悪いらしい‼️ホントに可哀想‼️舞台はシェルブールの港町。傘屋の娘ジュヌビエーブと自動車修理工ギイは愛し合うが、彼の出征で離れ離れとなる。数年後、互いに家庭を持って再会するが、見つめ合っただけで別れる・・・‼️前述の通り、今作はアメリカのミュージカル映画と違い、セリフのすべてが歌で構成されているのが素晴らしいですね‼️キャストの歌はすべてプロの方による吹き替えみたいなのですが、そのおかげで自然な演技と表情に見事にマッチ、まるでオペラのように流れるような映画のテンポが実現してますよね‼️そんな映画を彩るミッシェル・ルグランの名曲たちがホントに素晴らしすぎる‼️まずファーストシーンで、俯瞰で見下ろした画面に雨がポツリポツリと落ちてきて、やがて色とりどりの傘が美しい花のように舞う画面‼️ホントに魅了されるし、傘を二本三本買ってしまいたくなる‼️そして切なすぎるニつの別れのシーン‼️一つは戦地へ赴くギイをシェルブール駅でジュヌビエーブが見送るが、せっかくの二人の愛を確かめる歌も、汽車が無惨に引き裂いてしまう‼️そして二つ目は再会と永遠の別れが同時にやってくるラストシーン‼️雪のクリスマス・イブ、お互いに別の人と結婚し、家庭を持っていると知ったギイは、「娘に会う?」と言うジュヌビエーブの誘いを断る‼️多分、二人は二度と会う事は無いのでしょう‼️あぁ、あまりの感動で涙がこぼれてしまう‼️ジャック・ドゥミ監督の哀愁漂うロマンチシズムと、ミシェル・ルグランの洗練された音楽、そしてカトリーヌ・ドヌーブの完璧すぎる美貌が、一つに溶け合った奇跡のような映画‼️やっぱりミュージカルはサイコー‼️
記憶違い
だいぶ昔子供の頃観ていて
あまりいいと思わなかった印象がある。
ジュリビエーブがギイ出征を見送る駅のシーン、
これがラストだと思い込んでいた❓
テーマも流れて哀愁漂うラストだと。
わかいオシャレな恋人が戦争で引き裂かれる。
女のお腹には赤ちゃん、いつのまに⁉️
以前からギイのことを婿にふさわしくないと
思っていた美人のママ。
うまく出くわした金持ちのカザールが、
ジュリビエーブを好いているので、
プロポーズされても保留にして妊娠を告げない。
ま、母なら無闇に言えないだろう。
娘にプロポーズのことを伝えると、
ビックリ‼️親子揃って
父親が別の男性であるにもかかわらず、
カザールと結婚することを期待する⁉️
カザールさん、人がいいというか、
気にせずに承諾。二人は結婚。
帰還して来たギイ。
事の顛末を知り愕然とするが、
親子共々いないのでどうすることもできない。
荒れて変わらず雇ってくれている
修理工場の社長とも喧嘩して辞めてしまう。
コールガールと一夜を過ごすが、美人。
帰るとおばの世話をしてくれていた
マドレーヌがギイの心が自分に無いからと
出て行こうとするが、
ギイはここぞとばかり引き留め
愛してる❤と告白。
クリスマス🎄
ギイとマドレーヌと息子の幸せな生活。
マドレーヌが出かけた合間に、
ジェリビエーブと再会するが、
今の家族を愛するギイには、
もう‥‥。
逆にジェリビエーブの方が未練ありそうだった。
恋人を待ちきれず自身の安泰を望むが為、
早まって結婚した女の悲哀の話なのだろうか。
記:
女性が美人過ぎる方ばかり。
ジュリビエーフ役カトリーヌ•ドヌーブさん、
ママ、マドレーヌ、コールガール、超美人❗️
少し映るフランスの美しい風景。
雨傘店兼住居の内装が、
ピンクや赤基本のケバケバしくない
鮮やかでオシャレな色合いの壁紙とか家具。
そこにジェリビエーブとママの衣装が素敵❗️
赤やピンクやオレンジのスーツ、ガウン。
ピンクや水色や白のドレスの上に、
あわせたカーディガン。髪留めも可愛い。
ミュージカルゆえか、
会話に現実味があまり感じられず、
後半話が入って来た。
初めてのミュージカル映画
最初はあまり慣れなかった 見ていくうちにそれも感じないほど入ってきた よい
ミュージカルならではかな?1部、2部の構成になってるのもわかりやすくて良かった
主人公の2人に怒りを感じる時もあったがそれも含めて面白かった 最後の終わりからもいいね 悲しい話だろうけど私はそこまで悲しいとは感じなかった 人生を感じたね 人生はタイミングなり、いろんなことがねぇ、、
出演者が綺麗でファッションは小物が可愛い 個人的には壁紙が可愛くて好きだった そっちの目線でも楽しめる気がする
二年という歳月
これも戦争がもたらした悲恋の物語なのだろう。
1957年、アルジェリア独立戦争只中のフランス。
20歳の自動車整備工のギィと17歳のジュヌヴィエーヴは結婚を意識した恋人同士だったが、ギィに召集令状が届き二人は離ればなれにされてしまう。
ギィが再び帰還するのは二年後。多感な時期の若者にとって、そして絶頂期の恋人同士にとってはあまりにも長い時間だ。
ジュヌヴィエーヴの母エムリ夫人は、そもそも二人の結婚には反対であり、時がすべて解決してくれる、すぐに忘れることが出来ると娘を諭す。
いつだって親のアドバイスが正しいとは限らない。
若者の恋愛が本気かどうかなど、他人が決めることではない。
駅のプラットホームでシンプルな愛の言葉を交わしてギィとジュヌヴィエーヴが別れを告げるシーンはとても印象的だ。
時が経ち、ジュヌヴィエーヴはギィからの手紙が届かないことに不安を感じていた。
そんな時、エムリ夫人は冷たくもう忘れてしまったのだと彼女を突き放す。
そしてエムリ夫人は宝石商のカサールを食事に招待したことを告げる。
カサールは莫大な税金を納めなければならなくなったエムリ夫人を助けるためにネックレスを買い取った男だった。
そしてその理由はジュヌヴィエーヴの美しさに惹かれたからだった。
しかしジュヌヴィエーヴはギィとの子供をお腹に宿してしまっていた。
それでもカサールは自分の子のように生まれてくる赤ん坊を可愛がるとジュヌヴィエーヴに告白する。
やがてジュヌヴィエーヴはカサールの誠実さに心を開くようになり、ギィへの愛は変わらないと誓ったはずなのに彼の求婚を受け入れる。
結婚を決めた時の冷たさを感じる彼女の表情。それは夢見る少女から現実的な大人へ彼女が変化したことを示しているようだ。
二年の月日が経ち、ギィは兵役を終え帰還する。
しかしエムリ夫人とジュヌヴィエーヴが働く雨傘店は閉店しており、彼女らがどこに行ったのかは分からない。
戦地でどれだけ悲惨な思いをしたのかは分からないが、ギィはすっかり心が荒れてしまっていた。
しかも負傷した際の足の痛みはまだ引いていないようだ。
彼は兵役前に勤めていた整備工場でもトラブルを起こし、仕事を辞めてしまう。
彼の帰還を待ちわびていた伯母エリーズも病気により亡くなってしまう。
エリーズを献身的に看病していた身寄りのないマドレーヌだけが彼の心の支えとなるが、マドレーヌはすっかりやさぐれてしまったギィを見て、私にあなたを変えることは出来ないと告げる。
しかしギィは彼女のために心を入れ替え、真面目に働くようになる。
そして二人は家庭を持つようになる。
ラストの雪の降りしきる中のガソリンスタンドのシーンは忘れられない。
子供にも恵まれ幸せの絶頂にいるギィ。
彼の前に娘を伴って現れるジュヌヴィエーヴ。
もし戦争さえなければ結ばれていたかもしれない二人。
しかし二人はそれぞれに幸せな家庭に恵まれているようだ。
言葉少なに久しぶりの会話をし、またそれぞれの日常に戻っていくギィとジュヌヴィエーヴ。
切ない物語ではあるが、ラストは少しだけ幸せな余韻が残った。
ミュージカルとしては抑揚に欠ける部分はあるものの、ミシェル・ルグランの物悲しい旋律がいつまでも心に残る名作だ。
美しい悲劇
1カット1カット絵になる素晴らしく美しい映画でした。
セリフが歌なので、最初は少々戸惑いましたがカトリーヌの可憐で美しく鳥の鳴き声のような声にノックアウトされます。
仕草にも始終ドキドキさせられっぱなし、今更だけど勉強になりました。笑
とにかく鮮やかな服、部屋、彼女の髪や唇や頬の色から街並み、夜のシーンなんて暗いキャンバスとは対照的に2人が歩く姿が美しいし、お店の内装と傘が入れ替わり立ち替わり兎に角、色彩豊かで各シーンとても眼福です。
内容はネタバレになりますが、シーンの色彩とは異なり時代で引き裂かれる男女を描いており、子供作って兵役に行くなよってツッコミどころ満載でしたが、彼的には子供が彼女との絆であり約束だったわけで、帰還後も女々しくも未練たらたらな姿は可哀想だけど直ぐ手近な女性を口説き寂しいと言い愛する姿に…ですね。
一方、刻々と体の変化を感じつつ今後を案じるお金にも困っていたカトリーヌと母が余裕のあるプロポーズを断りきれず結婚という道を選ぶ。仕方ないでしょうね。子供を育ててくれると言う寛大な彼だし、作るだけ作って戻ってきたらガソスタ店長なんて彼と過ごしても母の理解は得られないだろうし、お金のある都会暮らしの方が母娘、そしてその子供にとっても別の幸せの形だったのでは?とも思う。
これもカトリーヌの美しさの成せる技でしょうね。大抵、子供がいる女性を選ぶ男性は滅多にいないと思うし。
その後に偶然の再会を果たすが、彼はそっけない。なんとなく腹が立ちました。子供産ませといて、その態度かよと…そりゃ捨てられただろうけど、第一声は産んでくれて有り難うだろうと思ってしまった。
兵役とは言え便りの頻度が低いし女1人で妊娠って若ければ若いだけ不安な訳で、女性目線としては納得いかなかったなー。サポート出来ないなら子供作るんじゃない!と腹だたしくも若い男女の愛なんて、高確率で儚い物語になる。そんなことを頷きながら複雑な気持ちでエンドロール観終えました。
だけど絵が美しいので再鑑賞あるかもしれません。
ほろ苦い結末
でもハイソなイメージのカトリーヌドヌーブだから、自動車工との恋は似合わないとも思ってたので、そういう点では納得。
当時の彼女は二十歳ぐらいで、その割に貫禄があるのでちょっと意外。
駅で別れるシーンで、列車が出て行くと彼女はすぐに帰ってしまうのが(名残惜しそうに見送らないので)意外だったのだが、これは結末を暗示していたのか、それともなんの意図もなかったのか、どうなんだろう。
「選ばなかったほうの人生」の美しさ
「選ばなかったほうの人生」の美しさ、というものはあるのかもしれない、と。それは実現されなかったがゆえに、可能性が無限に広がっているから、美しく感じてしまうし、羨ましく思ったり、あのときこっちを選択していればって後悔したりもする。でも人間は贅沢だから、いつ、なにを選択しても同じことを思ってしまうんだろうなと。
すこし、ララランドの物語と似ているのかも。
ギイは別の女の人と結婚して幸せそうに暮らしていたけれど、ジュヌヴィエーヴはクリスマスも喪服だし、夫はともにいないし、幸せではないように見えた。ふたりのコントラストがさみしい。ふたりが子供が産まれたらつけようと約束していた、「男の子ならフランソワ、女の子ならフランソワーズ」がそれぞれの子供の名前そのままで、つらくなってしまった。ギイは新しい家族と幸せでも、ジュヌヴィエーヴとの想い出のほうも捨てきれなかったのだなあ、
ジュヌヴィエーヴがギイに最後に「幸せ?」って聞くのほんとうにつらい、相手の幸せを確認して別れて、映画の最後は、ギイの一家の幸せなシーンで終わる。ジュヌヴィエーヴの方の物語はわからない。彼女がどんな人生を送っていて、どんな気持ちでいるのか、映画では描かれなくて、見る方の想像力に委ねられている。解釈の余白を残した映画。
ヌーヴェルヴァーグの映画は音楽がいいよね、と思う。ミシェルルグランの音楽が物語に寄り添ってくれる。
ファッションで人物の気持ちを表現しているところも良かったな、お洋服も壁紙もインテリアもほんとうにかわいい、
映画館で観たい
AmazonビデオとYouTubeで3回、最近ハマりました。(^^ゞ
デジタルリマスター、とても綺麗!
でも、よく見えない…涙で(T_T)
女の子だったら子供の名前はフランソワーズ
男の子だったら名前はフランソワ
綺麗な歌声♪は、ダニエル・リカーリ吹替えだとWikipediaで知りました。(全ての俳優が吹替え)
↓
ジュヌヴィエーヴ・エムリ (Geneviève Emery)
演技:カトリーヌ・ドヌーヴ
歌:ダニエル・リカーリ
←『ふたりの天使』が有名♪
フランスならではのお洒落なシネミュージカル
登場人物のファッションやインテリア、背景がヨーロッパならではの色遣い。トータルなコーディネート。
有名なテーマ曲がドラマティック感の演出に相当貢献していると思った。この音楽がなかったら、そんなに哀しい話でもないような…。
「ラ・ラ・ランド」はこの映画を参考にしているのかも。ささやくような、語るような歌で全編が構成されていることと、ある所で離れていった二人のその後の人生と再会。でも、ランドの方はもっとダンサブルなので違いは明らかだけど。
カトリーヌ・ドヌーブが彫像のような顔立ち。母親役も幼馴染役の人も美人なのだが、一際大きなオーラがあって一見の価値はあるかと。
とてもよかった
タイトルはずっと知っていたけど初めて見る。セリフが全部歌のミュージカルで変だけど楽しい。市井の人々のそれほど大層な話ではなく、むしろ地味な話なのに面白い。
金持ちの男が、カトリーヌ・ドヌープが妊娠しているのにそれでもかまわず結婚するので、本当に懐のでかい善人で驚いた。何かオチがあるのかとハラハラする。
明らかに傘屋は難しい商売で、借金を増やす前に畳むべきだとしか思えない。どう考えてもお母さんの介護をしていた娘さんの方が結婚相手としていいと思っていたので、展開にほっとする。
ラストシーンでは元カレと彼の子どもがすぐ目の前にいるのに、元カレが会わないのはちょっと寂しい。娘は事情を知っているのだろうか。
ラ・ラ・ランドっぽい。
チョーラブラブな若いカップルが戦争によって引き裂かれて翻弄される話。
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話の構成やら衣装やらがどことなくラ・ラ・ランドを彷彿とさせる。特に2人で将来結婚したらの夢を語り合うところなんて、あのラ・ラ・ランドの有名な2人のダンスシーンみたいで。
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たぶんラ・ラ・ランドはこの映画を下敷きにして作ったんだろうな。
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ラ・ラ・ランドと似てるって言うからわかると思うけど、もちろんこの後2人別れて別々の道を歩みます。なんだけど、あまりにも女側が酷すぎる。
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別に死んだわけじゃないのに男が徴兵されてる間に別の金持ちと結婚して、さらに妊娠してた子供を勝手にその人と育てることにしちゃいます。せめて言ってからにしろよ。
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もっと意味わかんないのは親。金持ちだからって理由で、長い付き合いの彼氏より出会ってすぐ結婚して欲しいって言ってくる男を信用するの?そんなすぐ告白してくる男のが信用できない。
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いやあ、そんな女とじゃなくてほかの人と幸せになって正解だったと思うよ、うん。
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今夜は最高!
ずいぶん前、タモリの出演する日テレ系TV番組「今夜は最高!」でゲスト陣とこの『シェルブールの雨傘』とそっくりな短編ミュージカルをやっていたことを思い出します。音楽にも造詣の深いタモリだが、この短編ミュージカルに震えを覚えた。日常生活が歌だけになると、まるで別次元の代物になるのだ。「音楽は世界だ」などもう一度見たい番組をいっぱい作ってたんだなぁ~タモリ尊敬!
初めて見たのが子供の頃、深夜テレビで。当時でも画期的なミュージカルに圧倒され、体の震えが止まらなかったほど。いきなりビッグバンドジャズに乗せたメロディを歌うなんて凄すぎます!しかし、理解できなかった大人の愛を今になって気付く。
戦争、徴兵制によって引き裂かれる愛。いつの時代でも理不尽なものだ。しかもジュヌヴィエーブが手紙が少ないことによって次第にギイへの想いが薄らいで、写真を見なければ顔を思い出せないほどになっていた。恋人を想う心と大きくなるお腹とは決して比例しない。また、カサールという男も寛大なのか、よほどいい女性にめぐり合えなかったのか、まだ若いのに妊婦との結婚もかまわないほどジュヌヴィエーブを愛してしまった。
帰還してシェルブール傘店も売りに出されていたことのショックによって職場復帰しても荒れるギイ。そして育ての母の死が待っていた。マドレーヌ(エレン・ファルナー)の遠くからギイを見つめる姿に萌えそうな予感。絶対にドヌーヴよりもいい!プロポーズによって「ジャヌヴィエーヌを忘れられるの?」と、全てを受け入れる覚悟だった確固たる意志もいいし、それまで兄妹然として手を出さなかったのもいい。
立ち直ってガソリンスタンドを経営するギイ。そこへ久しぶりに故郷に帰ってきたジュヌヴィエーブ。会話も少なく、互いに幸せであることを確認する二人。自分の子を「あなたに似てるわ」言う彼女がなんとも言えない哀愁が感じられた。
恋愛の熱を冷まし、雨も凍らせる戦争
“Les Parapluies de Cherbourg”はEmery夫人の営む傘店の名前。
シェルブールを舞台に、傘店の娘Geneviève Emeryと自動車整備工場に勤めるGuy Foucherの恋愛を1957年11月から1963年12月まで追った物語です。
序盤がつまらないのですが、少しの辛抱、有名なメロディに歌い出した所から、ぐんと話が面白くなります。というか、最初から最後までずっと歌っているミュージカル/オペラと言えど、歌らしい「歌」はあの名曲だけ??
未来を約束していたが、戦争によって引き裂かれた若い男女。
陳腐な設定ですが、その「よくある戦時中恋愛作品」と決定的に違う所が一点…、女が決断を下すのです!! ”Madame Butterfly” も ”Miss Saigon” も ”I Girasoli (ひまわり)” も、行く先々で「目の前の宝石」に飛び付くのは男。純粋な女は愛する男を待ち続けた結果、男に裏切られるのです。本作で裏切られたのは男のほう。さすがフランス女性!愛する男の子供を身ごもっても!現実的な判断をするのです。この点で星をおまけしました(^^)。(恋愛作品はあまり得意ではないので、女が率先して裏切るパターンをそんなに観てないだけかも知れませんが。)
Guyの乗る列車を見送る際、絶対追いかけて走るだろうと観ていると、Genevièveさん、全く走らないんですよね(^^)。諦めたように踵を返してしまう。既にここからお決まりの流れとは何か違う匂いがします。
戦争がなければ、Guyが徴兵されなければ、母親の反対を押し切ってでも2人は結婚したでしょう。しかし、実家の家計は傾く一方の中、産まれてくる子供の父親が戦争から生きて帰れるかどうかも分からない。ただでさえ出産・育児と不安な将来は、戦争で更に先行きが不透明。そんな時に求婚してきたのは、経済力がありお腹の子供も受け入れるという寛大で理想的な男性。Genevièveは母親の勧めもあり「目の前にある確実な宝石」を選びました。
除隊後、仕事も恋人も叔母も失って自暴自棄だったGuyは、側にいて支えとなってくれる女性を選びました。
GenevièveもGuyも、互いにその時必要だと思った相手を選んだのです。
偶然を装っていたけど、風の便りでGuyの帰国と起業を聞いて、Genevièveはあえてあのgas stationを選んだのでしょう。煙草を吸おうとするGuyの後ろ姿をマジマジと盗み見する所から、捨てた男の状況が気になっているのは間違いありません。持論ですが、未練がましいのは男性に多いと思っています(^^;)。正直、女性が過去の男を振り返るということは、よほど今の男に不満があるのでしょう。それだけGuyを愛していたとも言えますが、どこか釈然としないまま終えたかのような結婚式からそれまで、「自分の選択は正しかったのか」とずっと自問を繰り返していたのかも知れません。
Rolandは結婚前から出張が多そうでしたから、恐らく結婚後も仕事が忙しく留守がちなのでしょう。さすがにクリスマスに仕事をしているとは思えないけど…なぜか娘を迎えに行った帰りという車中に夫の姿はない。もしや夫はそのまま義母(つまり姑)のもと?Guyの不在で味わった孤独を、別の男性と結婚しても味わうことになったGeneviève。クリスマスだというのに喪中姿のまま。毛皮を着て高級車に乗って、金銭的には恵まれていても、多分彼女はそんなに幸せではないのです。(もし自分だけ幸せになったということでGuyに対し罪悪感を抱いていたなら、Guyの返事に安堵する筈です。)
冷たい雨を遮る傘はもうない。
雨が雪となったシェルブールでは、男も女も心が冷め、もう恋愛の熱は戻らないのです。
理性的に見えたRolandの求婚も失恋の反動が多少あったのかも知れませんよね。
じゃあ一番幸せを掴んだのは、身寄りのなかったMadeleine?Genevièveの結婚式を見て、よっしゃ〜というあの微かな表情(^^)。ひっそりと想い続けた恋愛が実りました。好きな男に愛され大切にされるのが一番なのは間違いないですね…。
Emery母娘は勿論、Madeleineもとても現実的でした。そして三人とも美人!
子供の名前がFrançoiseとFrançoisで、互いに思い描いていた理想の通りっていうのが何だか切ない…。
仮に妊娠していなかったらどうだったんだろうと考えました。そこまで不安にならずに済み、Guyを待ち続けられただろうか。それとも迷いなくRolandと結婚してRolandの子を授かったら、もっと幸せになっただろうか。。
舞台も衣装も色彩がとても鮮やかでした。壁紙とマッチする服装というのが面白いです。
色で人間関係を上手く表していましたね。
基本的に両想いになった2人は同系色。
母と娘の服は、最初はピンクと黄色、それから赤とピンク、その後対立が増すと反対色、その後同系色に。Guyを想う時は水色、Rolandを想う時は母と同系色。
Rolandがデートで水色のワイシャツに白いスーツの時、Genevièveのドレスは水色にピンクと紫と緑が混ざっていて、まだ迷いがあること、そして上から白いコートを羽織っていて、Rolandに染まりつつあることも分かります。ちなみにウェディングヴェールを試着している時も、別のものですが「迷い色」のドレスを着ているんです。
Foucher一家の仲睦まじさと一体感も同系色で伝わります。最初の自動車整備士達と同じ青系と緑色と黄色なんです。家族って仕事仲間というか生活する上での同志のような一面がありますよね。
Genevièveが最後に着ている服の黒は、混ざれば全ての色を飲み込み消し去る色。他の色は混ざると別の色を生み出せることを考えると、孤独です。
Guyは見るからにイタリア系、実際俳優さんもイタリア人。茶系と青系の組み合わせがイタリア男性のお洒落の定番なんだと。
Catherine Deneuveがフランス人形かリアルBarbieのように可愛くてきれい!他の男に取られるのも無理はない?!って思えるほどでした。
煙草を吸い出す妊婦にはびっくり。
最初はちょっと退屈ですが、途中からそう来るか?!と女性の現実的な判断に驚き、名曲によって切なさが尾を引く作品でした。
違う人生の可能性を感じた時の苦み
全編の台詞が歌になっているのは、ミュージカル初心者からすると気恥ずかしくなってしまったが、中盤から慣れて、物語に入り込むことができた。
ラストシーンで、ガソリンスタンドを訪れたのは偶然ではなく、別の人生を歩んでいたかもしれない自分を探しにきたのではなかったか。
「あなた、幸せ?」という問いに女性はあったかもしれない自分の人生の幻想をすべて込め、男性が幸せだと答えたところで両者の人生の接点が完全に失われたように感じた。
時として、人生では大きな選択を迫られることがあり、選択をした後で振り返ってみると、別の選択をしたときに歩んだはずの別の人生がまざまざと想像されることがある。そんな時、なるようにしかならないんだと背中を押してくれるような作品である。
反戦映画なのかな。待てなかったか。
『シェルブールの雨傘』(1964)
タイトルだけなんだか知っていたが、NHKBSプレミアムから観てみた。外は雨だったし。全てが音楽に乗せた歌でセリフが成り立っているというのが、私はそういうミュージカル映画というのは観たことがなく、それだけでも面白い感じだが、なぜか高級な感じがする。20歳と17歳の恋人同士が結婚したいが、女性の母親が若すぎると反対する内容から始まった。この頃字幕が面倒くさくて日本映画ばかりだったし、字幕も英語の聞き取りになるかと思ってアメリカ映画が多かったが、フランス映画であった。パルムドール受賞作品だったのか。日本の受賞作では『うなぎ』は観たが、『万引き家族』はまだ観ていない。カトリーヌ・ドヌーブも名前だけは知っていたが、なんかコマーシャルかなんかで薄っすらみたことはあるのか、この映画では若いからか、それほど私の目では絶世の美女というようには見えないのだが、世界的大女優なのだろう。主題歌のメロディーは知っていた。よく流れてくる曲だ。スタンダードだ。和訳は初めて知ったが、戦争映画なのか。これを書いている時点で主役二人と娘役のお母さんまでご存命とは長生き出演者である。まるでフランス語?はわからないが、『ジュテーム』とか『モナムール』とかは聞いたことがある。お母さんは『ママ』か。男は2年間の兵役で二人は泣く泣く別れたが、女は生活苦から男の子を妊娠していたのに、別の金持ちの男に惚れられて妊娠していても良いからと承諾し、女は別の男と結婚してしまった。その後で男が兵役から帰還してくる・・・。事をおばから男は告げられる。やがて男は自動車修理工に戻ったが、上司と口論し辞めてしまう。それだけ荒れていた。それにしても改めて、セリフの全部が歌になっているのも変と言えば変な気もするが、変に心地よい気もする。ラストシーンに向かう前までに、別れた男女双方とも堅実な別の伴侶を持ち子供もいて(女性側は別れた男との子供だが)それぞれ幸福な最中に、偶然雪の日に男性の経営するガソリンスタンドに女が給油に車を止めた。束の間に語り合い別れる二人。その束の間のシーンが複雑かつ諦念を感じる雰囲気を醸し出し、有名な音楽が壮大に添えられる。俳優と女優の演技もそこで真価が発揮される。愛したはずの男女の片方が待てなかったためのさみしい出来事であるが、そんな人を支えてくれる新たな人が出来るのも実は悲しい。女が男に幸せかと聞き、男が幸せだとはっきりと応じて、女は出て行く。連ドラの『半分、青い。』も似た出来事であるが、基本的に愛し合った最初の男女が添い遂げるほうが美的なのだと思いたい。
当時は画期的な演出、でも自分は好きではない
総合:55点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:40点|ビジュアル:65点|音楽:80点 )
常に音楽に乗せて喋るのが不自然で、当時としては画期的だったのかもしれないが自分は嫌い。物語の展開はほぼ全てが室内における会話でのみ進展して具体性がなく面白みがない。手紙もろくに書けなかった厳しいアルジェリアのことなど一度も映像に登場しない。次の場面では一気に進展があってその過程も映し出されない。このような演出に不満があって退屈する場面が長かった。
電車での別れの場面と最後の給油所の場面だけは良かった。室内の色彩とせつない音楽は印象に残った。
切ない
おしゃれな配色、ファッション。
カラフルなイメージに反して内容は切なく悲しいものでした。
COCCOさんの強く儚い者たちが頭をよぎった。
ジェヌヴィエーヴの選択は仕方なかったのかもしれないがギイが気の毒すぎ。しあわせになれてよかったよ。
ジェヌヴィエーヴは終始不幸な顔をしていて、あまり好きなタイプのヒロインではなかった。
ラストをどう解釈するのか?
ラスト戦慄がきて暫く動けなかったわ。
ガソリンスタンドでのやり取りでジュヌヴィエーヴが「あなた幸せ?」ってギィに訊くんだけど、このひと言で「ジュヌヴィエーヴはそんなに幸せじゃないんだ」って解んの。
そのやり取りの前に「(ガソリンは)スーパーですか? レギュラーですか?」ってやり取りがあって、ジュヌヴィエーヴが「どっちでも」って言うんだけど、お金には不自由しないからどっちでもいいんだよ。でも「お金に不自由しない」って、「どっちでも」いいことなんだって暗喩になってんだと思う。
それに宝石商との結婚を勧めたお母さんも昨秋亡くなってんのね。「え、お母さん亡くなるの早くない?」って感じなんだけど、なんか大変だったのかなあって気がした。
そんなときにジュヌヴィエーヴがギィに会いに来てる。「会えるなんて思えなかった。偶然よ」って言ってるんだけど、ギィがこの場所でガソリンスタンドやってるってのは、調べないと解らないからさ、わざわざ調べて来たんだよ。
それで別れ際に「あなた幸せ?」って訊いて、ギィは目を見て「幸せだ」って答えんの。
ジュヌヴィエーヴが去って行くと、ギィの奥さんと息子さんが帰ってきてさ、幸せそうに抱き合ったりするんだよ。そこでカメラが引いて、メインテーマの音量が上がって、fin。
「ジュヌヴィエーヴに『ざまをみろ』って言ってるよね!」と思って震えたね。
まあ、それは穿った見方かも知れないけど。
この映画ラストの段階で、登場人物が幸せなのかどうかが解かんないの。そこが考えさせていいなあと思う。
「本当に愛する人と結婚しないと、みんな(お母さんも、宝石商も、マドレーヌも)幸せになれない」って言ってる気もするし。
「愛する人と結婚できなくても、みんな、それなりに幸せになるよね」って言ってる気もする。
この映画あらすじは陳腐なんだよね。「あー、ありがち」って感じの話で。でもそれを、なんかこう考えさせる話にしてるのが、監督と俳優すごいなあと思った。ミュージカルにしてる理由もその辺にあんのかも。
ミュージカルって言ってもハリウッド映画みたいに大仰に歌うわけじゃないんだよね。淡々とやってる。淡々と歌うことで、逆に登場人物の感情を決めつけにくくしてるんじゃないかな。
美術も面白かった。ジュヌヴィエーヴの家の壁紙すごいセンスなんだよ。それでなんでか壁紙と同じ生地の服きたりすんの。なんか意味あんのかな。
服で言うと、白系の服着てる人は純真で、赤系の服着てる人は打算的っていう色付けしてんのかなとも思った。
あとはカメラワークというか「ここだ!」ってとこでドヌーヴのアップがくんだよね。「この映画ドヌーヴじゃないと成立しないわ」って気分になる。結婚準備でアップで抜いて、そのまま結婚式にもってくところは凄い。
結婚式終わったところで一瞬マドレーヌが映るんだけど、そこの「チャンス到来!」って感じの表情が好きだった。僕は最初からギィはマドレーヌと一緒になった方がいいなあと思ったよ。
そんなこんなで、語りたいことが多い映画だったなあ。
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