シェルブールの雨傘のレビュー・感想・評価
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ラ・ラ・ランドっぽい。
チョーラブラブな若いカップルが戦争によって引き裂かれて翻弄される話。
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話の構成やら衣装やらがどことなくラ・ラ・ランドを彷彿とさせる。特に2人で将来結婚したらの夢を語り合うところなんて、あのラ・ラ・ランドの有名な2人のダンスシーンみたいで。
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たぶんラ・ラ・ランドはこの映画を下敷きにして作ったんだろうな。
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ラ・ラ・ランドと似てるって言うからわかると思うけど、もちろんこの後2人別れて別々の道を歩みます。なんだけど、あまりにも女側が酷すぎる。
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別に死んだわけじゃないのに男が徴兵されてる間に別の金持ちと結婚して、さらに妊娠してた子供を勝手にその人と育てることにしちゃいます。せめて言ってからにしろよ。
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もっと意味わかんないのは親。金持ちだからって理由で、長い付き合いの彼氏より出会ってすぐ結婚して欲しいって言ってくる男を信用するの?そんなすぐ告白してくる男のが信用できない。
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いやあ、そんな女とじゃなくてほかの人と幸せになって正解だったと思うよ、うん。
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本物の名作
名作と呼ばれる有名な映画はテーマ曲も有名だ。「太陽がいっぱい」「ドクトル・ジバゴ」「ブーベの恋人」などのテーマ曲はそれぞれの映画の代表的なシーンとセットになって心の奥に刻まれている。本作品のテーマ曲もまた、非常に有名である。主役ふたりの場面で何度も繰り返し歌われる。特に本作はすべての台詞が歌という徹底したミュージカルであり、鼻母音の多いフランス語の歌詞は、イタリア語のカンツォーネと違って声を張り上げることが出来ないから、互いに語りかけるような歌になる。そこがこの映画の魅力にもなっている。音楽を担当したミシェル・ルグランは天才だ。 歌唱を担当したダニエル・リカーリやジョゼ・バルテルなどの歌手の歌声も素晴らしく、演者の口の動きに完璧に合っている。デジタルではない時代の映画としてこれほどのクオリティを達成できたのは、ジャック・ドゥミ監督の類まれな才能というほかはない。 90分の短い映画だが、恋と戦争、お金と生活、信頼と裏切り、赦しと幸福など、人生の岐路で悩むテーマのすべてが盛り込まれている。半世紀以上を経た現在でも新しい感動がある。本物の名作はいつまでも名作である。
全てのセリフが歌っていうのはどうしても違和感が。だけどこれは個人的...
全てのセリフが歌っていうのはどうしても違和感が。だけどこれは個人的な好みだと思うので、作品の良し悪しではない。 演出はまるで動くマティスを見てるよう。色彩感覚や細部まで計算された構図にため息が出た。 また戦争によって運命を翻弄され、たどり着いた結末を受け入れて生きていくこの時代の人たちの人生哲学を感じた。
今夜は最高!
ずいぶん前、タモリの出演する日テレ系TV番組「今夜は最高!」でゲスト陣とこの『シェルブールの雨傘』とそっくりな短編ミュージカルをやっていたことを思い出します。音楽にも造詣の深いタモリだが、この短編ミュージカルに震えを覚えた。日常生活が歌だけになると、まるで別次元の代物になるのだ。「音楽は世界だ」などもう一度見たい番組をいっぱい作ってたんだなぁ~タモリ尊敬!
初めて見たのが子供の頃、深夜テレビで。当時でも画期的なミュージカルに圧倒され、体の震えが止まらなかったほど。いきなりビッグバンドジャズに乗せたメロディを歌うなんて凄すぎます!しかし、理解できなかった大人の愛を今になって気付く。
戦争、徴兵制によって引き裂かれる愛。いつの時代でも理不尽なものだ。しかもジュヌヴィエーブが手紙が少ないことによって次第にギイへの想いが薄らいで、写真を見なければ顔を思い出せないほどになっていた。恋人を想う心と大きくなるお腹とは決して比例しない。また、カサールという男も寛大なのか、よほどいい女性にめぐり合えなかったのか、まだ若いのに妊婦との結婚もかまわないほどジュヌヴィエーブを愛してしまった。
帰還してシェルブール傘店も売りに出されていたことのショックによって職場復帰しても荒れるギイ。そして育ての母の死が待っていた。マドレーヌ(エレン・ファルナー)の遠くからギイを見つめる姿に萌えそうな予感。絶対にドヌーヴよりもいい!プロポーズによって「ジャヌヴィエーヌを忘れられるの?」と、全てを受け入れる覚悟だった確固たる意志もいいし、それまで兄妹然として手を出さなかったのもいい。
立ち直ってガソリンスタンドを経営するギイ。そこへ久しぶりに故郷に帰ってきたジュヌヴィエーブ。会話も少なく、互いに幸せであることを確認する二人。自分の子を「あなたに似てるわ」言う彼女がなんとも言えない哀愁が感じられた。
地上波放送を有名作だからと録画して見てみた。冒頭からセンスがおしゃ...
地上波放送を有名作だからと録画して見てみた。冒頭からセンスがおしゃれで目を見張る。会話が始まるとみんな歌いながらでびびる。話の先が読めるので停止しようかと思ってる内に登場人物の演技や感情に引き込まれ、最後はマジ泣き。
フランス映画は色彩が美しく絵になる ミュージカル?とはまた違う最初...
フランス映画は色彩が美しく絵になる ミュージカル?とはまた違う最初から最後まで 歌に合わせてセリフが読まれる不思議な構成 ミュージカル映画嫌いなので出だしで これ違和感で辛くならんかな?って思ったけど そんなことなくスッと受け入れられる 多分セリフがロマンティックでトキメクのと映像美のお陰 全てが上手く合わさって絶妙 観賞後 皆さんのレビュー考察を読み、 なるほど〜!!っと二度楽しめた 愛も恋もお金や距離、曖昧な不安の前には意外とちっぽけだよなー
恋愛の熱を冷まし、雨も凍らせる戦争
“Les Parapluies de Cherbourg”はEmery夫人の営む傘店の名前。
シェルブールを舞台に、傘店の娘Geneviève Emeryと自動車整備工場に勤めるGuy Foucherの恋愛を1957年11月から1963年12月まで追った物語です。
序盤がつまらないのですが、少しの辛抱、有名なメロディに歌い出した所から、ぐんと話が面白くなります。というか、最初から最後までずっと歌っているミュージカル/オペラと言えど、歌らしい「歌」はあの名曲だけ??
未来を約束していたが、戦争によって引き裂かれた若い男女。
陳腐な設定ですが、その「よくある戦時中恋愛作品」と決定的に違う所が一点…、女が決断を下すのです!! ”Madame Butterfly” も ”Miss Saigon” も ”I Girasoli (ひまわり)” も、行く先々で「目の前の宝石」に飛び付くのは男。純粋な女は愛する男を待ち続けた結果、男に裏切られるのです。本作で裏切られたのは男のほう。さすがフランス女性!愛する男の子供を身ごもっても!現実的な判断をするのです。この点で星をおまけしました(^^)。(恋愛作品はあまり得意ではないので、女が率先して裏切るパターンをそんなに観てないだけかも知れませんが。)
Guyの乗る列車を見送る際、絶対追いかけて走るだろうと観ていると、Genevièveさん、全く走らないんですよね(^^)。諦めたように踵を返してしまう。既にここからお決まりの流れとは何か違う匂いがします。
戦争がなければ、Guyが徴兵されなければ、母親の反対を押し切ってでも2人は結婚したでしょう。しかし、実家の家計は傾く一方の中、産まれてくる子供の父親が戦争から生きて帰れるかどうかも分からない。ただでさえ出産・育児と不安な将来は、戦争で更に先行きが不透明。そんな時に求婚してきたのは、経済力がありお腹の子供も受け入れるという寛大で理想的な男性。Genevièveは母親の勧めもあり「目の前にある確実な宝石」を選びました。
除隊後、仕事も恋人も叔母も失って自暴自棄だったGuyは、側にいて支えとなってくれる女性を選びました。
GenevièveもGuyも、互いにその時必要だと思った相手を選んだのです。
偶然を装っていたけど、風の便りでGuyの帰国と起業を聞いて、Genevièveはあえてあのgas stationを選んだのでしょう。煙草を吸おうとするGuyの後ろ姿をマジマジと盗み見する所から、捨てた男の状況が気になっているのは間違いありません。持論ですが、未練がましいのは男性に多いと思っています(^^;)。正直、女性が過去の男を振り返るということは、よほど今の男に不満があるのでしょう。それだけGuyを愛していたとも言えますが、どこか釈然としないまま終えたかのような結婚式からそれまで、「自分の選択は正しかったのか」とずっと自問を繰り返していたのかも知れません。
Rolandは結婚前から出張が多そうでしたから、恐らく結婚後も仕事が忙しく留守がちなのでしょう。さすがにクリスマスに仕事をしているとは思えないけど…なぜか娘を迎えに行った帰りという車中に夫の姿はない。もしや夫はそのまま義母(つまり姑)のもと?Guyの不在で味わった孤独を、別の男性と結婚しても味わうことになったGeneviève。クリスマスだというのに喪中姿のまま。毛皮を着て高級車に乗って、金銭的には恵まれていても、多分彼女はそんなに幸せではないのです。(もし自分だけ幸せになったということでGuyに対し罪悪感を抱いていたなら、Guyの返事に安堵する筈です。)
冷たい雨を遮る傘はもうない。
雨が雪となったシェルブールでは、男も女も心が冷め、もう恋愛の熱は戻らないのです。
理性的に見えたRolandの求婚も失恋の反動が多少あったのかも知れませんよね。
じゃあ一番幸せを掴んだのは、身寄りのなかったMadeleine?Genevièveの結婚式を見て、よっしゃ〜というあの微かな表情(^^)。ひっそりと想い続けた恋愛が実りました。好きな男に愛され大切にされるのが一番なのは間違いないですね…。
Emery母娘は勿論、Madeleineもとても現実的でした。そして三人とも美人!
子供の名前がFrançoiseとFrançoisで、互いに思い描いていた理想の通りっていうのが何だか切ない…。
仮に妊娠していなかったらどうだったんだろうと考えました。そこまで不安にならずに済み、Guyを待ち続けられただろうか。それとも迷いなくRolandと結婚してRolandの子を授かったら、もっと幸せになっただろうか。。
舞台も衣装も色彩がとても鮮やかでした。壁紙とマッチする服装というのが面白いです。
色で人間関係を上手く表していましたね。
基本的に両想いになった2人は同系色。
母と娘の服は、最初はピンクと黄色、それから赤とピンク、その後対立が増すと反対色、その後同系色に。Guyを想う時は水色、Rolandを想う時は母と同系色。
Rolandがデートで水色のワイシャツに白いスーツの時、Genevièveのドレスは水色にピンクと紫と緑が混ざっていて、まだ迷いがあること、そして上から白いコートを羽織っていて、Rolandに染まりつつあることも分かります。ちなみにウェディングヴェールを試着している時も、別のものですが「迷い色」のドレスを着ているんです。
Foucher一家の仲睦まじさと一体感も同系色で伝わります。最初の自動車整備士達と同じ青系と緑色と黄色なんです。家族って仕事仲間というか生活する上での同志のような一面がありますよね。
Genevièveが最後に着ている服の黒は、混ざれば全ての色を飲み込み消し去る色。他の色は混ざると別の色を生み出せることを考えると、孤独です。
Guyは見るからにイタリア系、実際俳優さんもイタリア人。茶系と青系の組み合わせがイタリア男性のお洒落の定番なんだと。
Catherine Deneuveがフランス人形かリアルBarbieのように可愛くてきれい!他の男に取られるのも無理はない?!って思えるほどでした。
煙草を吸い出す妊婦にはびっくり。
最初はちょっと退屈ですが、途中からそう来るか?!と女性の現実的な判断に驚き、名曲によって切なさが尾を引く作品でした。
色彩感覚
イントロの歩道を上から映すシーン。計算されたテンポと美しさ。そして有名なテーマ曲。映画が始まる前にワクワク感。これだけで楽しみになってくる。 本編のシャツやコート、自転車とかかっこいい。 エッソの看板と雪景色、黒い車、ラストのコントラストも記憶に残り続けるだろう。
音楽と色彩・佇まいの美しさに圧倒される。
遠距離恋愛の悲劇。 よくある話と言えばよくある話だけど、だからなおさらその悲劇に我がごとのように心かき乱される。遠くの親戚より近くの他人とは良く言うけど、だけどね、やっぱり純愛を期待しちゃうのに…ああ。 現代と違うのは、未婚の母に対する風当たり。 今でこそ珍しくはないけれど、この映画の設定の時代ではあり得ない、ましてやある程度の階級に属する女性には。 カトリックの国。国は違うけれど、『あなたを抱きしめる日まで』が頭をよぎる。 そんな時代を考えれば、「アルジェリアがあんな状態だから結婚は」と言いながら子をなすようなことをしていくなんて、ギイも無責任だなあと親の立場からは思う。 それが、16歳と20歳の青春なんだと言われてしまえば、そうなんだけれども。 全編歌。吹き替え。 なので今ひとつ演技的には深みにかけるけど、なんて斬新な試み。オペラを想定したそうな。 特筆すべきははその色使い。 ファッションは元より、インテリアとの兼ね合い。 一見の価値あり。 インテリア・着こなし、佇まいの手本にもしたい。 その中でも、オープニングの傘の乱舞が見事。 映像と音楽の魔術にかかったまま、物語に誘われる。 この映画を普遍のものにしているのは、なによりラストの展開だろう。 秀逸。 数年後、クリスマスの出会い。これがまた超現実的。 人生なんてそんなものさ。そうするしかないのさ。そう思いながらも二人の胸の内を推し量りながら、涙がはらはらと。 色数は少ないながらも、圧倒的な色と音楽に、いつまでも余韻に浸りきってしまう。 とはいえ、 基本ドヌーブさんありきの映画。 ジュヌヴィエーヴのこの世のものとは思えない美しさと、マドレーヌの地に足ついた美しさ。母の品格ある美しさが、美しい音楽と相まって、夢の世界に連れて行ってくれる。ピリリと胡椒を効かせた甘い世界。 戦争が引き裂いた二人の悲劇。長距離恋愛の悲劇。周りにもよく転がっているし、ドラマの題材としてはありきたりのもの。 その王道の恋愛物語を、シンプルに枝葉なく描き出した映画として、この映画以上のものがこれからも生まれるのだろうか? 叶わなかった恋に想いを馳せつつ、夢に浸れる映画です。
違う人生の可能性を感じた時の苦み
全編の台詞が歌になっているのは、ミュージカル初心者からすると気恥ずかしくなってしまったが、中盤から慣れて、物語に入り込むことができた。
ラストシーンで、ガソリンスタンドを訪れたのは偶然ではなく、別の人生を歩んでいたかもしれない自分を探しにきたのではなかったか。
「あなた、幸せ?」という問いに女性はあったかもしれない自分の人生の幻想をすべて込め、男性が幸せだと答えたところで両者の人生の接点が完全に失われたように感じた。
時として、人生では大きな選択を迫られることがあり、選択をした後で振り返ってみると、別の選択をしたときに歩んだはずの別の人生がまざまざと想像されることがある。そんな時、なるようにしかならないんだと背中を押してくれるような作品である。
全部、雪のせい。
フランス語のミュージカルは初めて見ました。単語がちょいちょい聞き取れるな、くらいなのでわりと純粋に音楽を判断できてる気がします。音楽ステキ〜。 ヒロインのコートとワンピースがめちゃんこ可愛い。 ドールハウスの中みたいな家だし、家具も小物も全部作り物っ感がすごいあります。これって当時普通なのかな? それいる??どこで売ってんの?みたいなもんばっかあります。 「僕を待っててくれるね?」なんて手紙で書いちゃって、いざ帰国したらこの有様。あちゃーって感じですね。子供いんのになぁ。 1部はなんだこりゃ〜って感じで、2部になってふーん?みたいな。でも3部で一気に面白くなります。なんか、勉強したことが全部繋がった感覚(なんやねん)。 唯一共感できたマドレーヌ。ほんとは前に好きだった人忘れられないんじゃないの?私は代わりなんでしょ?絶望の果ての選択でしょ? っていう言葉はすごかった。腹割って話して良かったね二人とも。 「回り道をしてきたの」って言葉が全てじゃないですか。女は簡単に捨てるくせに、いつまでも相手の事嗅ぎ回っちゃうんです。 映画1本取れるような思いっきりの恋愛、何も考えずにやってみたい。
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