劇場公開日 2009年10月9日

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「単純なお涙頂戴モノでは無い“人間ドラマ”」私の中のあなた とるさき ともたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0単純なお涙頂戴モノでは無い“人間ドラマ”

2009年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

寝られる

病状や闘病の過酷さと苦悩を描きつつも、重くなり過ぎずに淡々と描き、
時に明るさをも感じる雰囲気が実に良い作品。

登場人物を的確に表現する描写や演出に、俳優陣の味わい深い演技が実に印象的で素晴らしかった。

難病を抱える〈ケイト/ソフィア・ヴァジリーヴァ〉、キャリアを捨て長女に尽くす母〈サラ/キャメロン・ディアス〉、闘病に耐える父〈ブライアン/ジェイソン・パトリック〉、
姉を慕うも疎外感を持つ弟〈ジェシー/エヴァン・エリングソン〉…
そして姉の命を維持する為に人工授精で生まれた妹〈アナ/アビゲイル・ブレスリン〉。

主治医〈チャンス/デヴィッド・ソーントン〉の〈ケイト〉に掛ける愛情溢れる一言。
〈アナ〉の弁護士〈キャンベル・アレグザンダー/アレック・ボールドウィン〉の秘めた思いや、女性判事〈デ・サルヴォ/ジョーン・キューザック〉の辛い過去を一瞬で物語る表情。

身体や心に負う重荷の数々を俳優陣は実に見事に演じ切る。

中でも〈ケイト/ソフィア・ヴァジリーヴァ〉の、
過酷な闘病人生から家族に語り掛ける表情までを、渾身な熱演で見事に表現。

単純な「難病」お涙頂戴モノでは無く、
枷の様な重荷を抱えた人々が織りなす“家族の絆や愛情”、そして再生の物語。

とるさき ともた