グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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爺さんから若き男子へ。
シンプルに、ああいい映画観たなあ...と思える一本。
でも人生のほうは、シンプルじゃない。
真面目に生きていても、戦争になれば人を殺さなきゃいけないし、普通にただ働いて生きて行きたくても、それを邪魔する輩がいる。
家族だから愛が交わせるとは限らないし、
人種や年齢が性別が違っても、気が合うこともある。
何歳になっても人は変わるし、
何言ってもクズはクズで変わんないこともある。
人生はいつも混沌。
それでも生きて、最後の最後の瞬間まで、魂を磨くことはできる。
それが若き友の心に、楔を打つように、残った。
グラン・トリノはビンテージカー。
でもモノじゃなく、魂を、次の世代に渡したんだね。
若きオトコを男にするのは、大人の男。
言葉じゃない。
格好でもない。
上っ面じゃない。
自分の命の使い方。
何を守り、何を捨てるのか。
歳を重ねて身体は古びても、真実を見る眼力は強まる。
でもそれもその人が、自分をどう生きてきたかによる。
愛を教えるのが、一番難しい。
実の親子でも。
ただ愛は伝わるところに、ちゃんと引き継がれていく。
名作と言わせるだけある、ラストシーン
奥さんを亡くして、息子や孫たちからも煙たがられる頑固爺さん。
隣のモン族の姉弟との交流で、段々心を開いていく‥
あらすじだけ見るとありがちなようですが
しっかり者のお姉ちゃんは爺さんあしらいがやたらうまかったり
おとなしくて真面目な弟に爺さんがいろいろ世話焼き始めたり
いつの間にやら引き込まれます
そしてラストシーン・・
撃ち殺さずに、逆に相手に撃たせて
お縄にするとは!
そんなかっこいい守り方、今までかつてありますか。いやありません。
ガンコなオヤジとアジア人の交流、
ストーリーはわかりやすかった。
しかしこの映画に出てるようなろくでもないゴロツキの連中は、現実にもいるだろうけど、やはりこの世から淘汰されて撲滅されるべきだとも思う。
ただイキがって強がって人に迷惑かけてばかりの連中は映画であろうと不快にもなる。
でも、神父が復讐をあおるように説得するのもどうなんだろう(笑)
主人公は、最後は丸腰で復讐?訪問?しに行って蜂の巣にされて、自己犠牲でそのゴロツキを捕まえさせたんだろうけど、あんな終わり方はさみしかったなあ。
あと、アジア人の男の子、タオが、サッカーの久保建英に似てるような気がした。
所詮この世は弱肉強食。で、あなたならどうする?
この世の中は理不尽だ。正義?自己満足。宗教?狂気。思想?戯言。哲学?こじつけ。英雄?創作。幸せ?広告。人生はあなたが主人公の物語?そんなわけねぇだろ。
所詮この世は弱肉強食。この世界は極めて動的であり、エネルギーの力学だけが全てを支配する。人はその激動の中を流されるだけの小さな存在だ。
あなたも薄々勘づいているだろう?この世の中は無意味だということに。多くの人は、その残酷な事実から目を背けるためだけに、考え、行動する。或いは、どうにでもなれと自暴自棄になり、やりたい放題だ。
全てが無意味だと自覚した上で、あなたならどうする?生きることを投げ出すのか?それもよかろう。自分の多幸感のためだけに生きるのか?それもよかろう。正義のために生きるのか?それもよかろう。
人として正しく生きよう。たとえ全てが無意味でも。たとえ救われないことがわかったとしても。たとえ苦しみから逃れられないとしても。
なぜあなたは人として正しく生きようと思えるの?それは、あの人が見てるからだ。神ではなく、大切な人があなたのことを見ているからだ。その人の前で、あなたはどう行動する?
あなたはユダヤ人で、ナチの収容所に収監されました。あと3日以内に確実に死ぬでしょう。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
あなたは黒人奴隷だとします。毎日毎日、理不尽な暴力に晒されます。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
あなたはタワマンに住む富豪です。でもあなたは嫌われています。友達は一人もいません。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
出会いが人生を変える
イーストウッド監督の映画はこれで4本目の鑑賞となりましたが、これはしっとりとした作品でラストにはじんわりと感動がきました。正直、16歳の自分にはただ良かったという単純な気持ちになったので、もっと歳をとってジジイになってからもう一度鑑賞したいと思いました。
この映画の感想としては、最初はただ意地の悪い、人種差別をするジジイかと思っていましたが、タオとの出会いから変化が生まれました。最初は全く笑わなかったジジイでしたが、タオと出会い笑顔が生まれたり、人を思いやる気持ちが見えたりしました。そんなこのジジイの成長が見れるのと同時に少年のタオもこのジジイとの出会いで人生が大きく変わっと思います。歳がどれだけ離れていても友人にはなれるんです。ある人と友人になってそれがどんな結果が待っているかは誰も分かりません、この2人のように素晴らしいラストが待っているかもしれないのです。僕はこの映画を鑑賞して、人との出会いを大切にしたいと思いました。それと車ってのはカッコいいですね、まさかグラン・トリノという題名がが車の名前だとは思いませんでした。そんな題名にもなった車が走る場面は少ししかなく、持ち主のジジイは1度も乗ることなく映画が終わりました。ですが、ラストのタオが走る場面からのエンドロールは感動しました。この映画は、なんというか見た後にじーんっと色んな感情が込み上げてくるような作品でした。
タイトル程グラントリノは象徴はしてない
グラントリノは言うほど象徴ではなかったが、
ウォルトと重ねたのかもしれない。
偏屈な年寄りが妻を失いますます、頭の硬いジジイになっていくが
隣に住んでいるおせっかいなタイ人の娘とその弟に段々と心を
開いてゆく様が自然でよかった。
ラストはほぼ自殺みたいなものだったが、
銃撃戦とかにならず自らの生命を差し出すことで
タイ人一家を救うやり方は納得行くものではなかったが、
自分の寿命と人間らしい付き合いを思い出させてくれた
お礼と言うことなのだろうか、やるせない結末だった。
ラストに至るまではわりとほのぼのした展開だったので
スーが襲われる展開は衝撃的だったが。
泥棒から友人へ
タオとスー、これからの未来がある若者に
ウォルトが与えたものは一生のものだと思います。
懺悔も最期も遺言もウォルトらしい
隣にこんなポーランドジジイいたら
とりあえずエビスビール持って行きます。
結末は悲しいけれど
ウォルトと出会ったことによって
タオとスーがたくましく賢い大人になるであろう
希望もある爽やかな終わり方。
ウォルトもグラン・トリノを託せる友人と
最期に出会えて幸せだったと思います。
タオには今後もあそこで髪を切ってほしいな。
また好きな映画に出会えました。
ダチョウとカエル
イーストウッド現役すぎる
私にとってクリントのベストの映画
あまりにも有名すぎる映画だとレビューを書くのも困る。なぜかと言うと、私の思ったことをみんながすでに書いてしまっているから。例えば、主人公、ウォルト・コワルスキーの終活や、ウォルトがタオの家族に対して、正義感をみせるところなど、感激するシーンはいくらでもある。私は人と同じことをするのがあまり好きじゃないという天邪鬼なので、この秀作をなにか他の見方でみられないかと考えながら、今、コンピューターに向かってタイプを
している。
『ダーティーハリー』のMake my day!!!とかいうセリフがぴったりあっている役。ウォルト・コワルスキー、朝鮮戦争後、米国ミシガンに戻り、結婚したり、フォードで流れ作業で働いていて退職したが、熱心なカトリックの妻に先立たれ、今までにすでに培われた一本木の性格により拍車がかかり、頑固一徹の悪態をつくじじいになってしまっている。頑固だけならまだいいが、人種差別用語は日常茶飯事だし、アル中、ショットガン保持者だ。かれのことを一番理解してくれ長く連れ添った妻に先立たれたことは大きいと思うが。それに、彼の持っているジポーライターでもわかるように彼は朝鮮戦争の時、特別な部隊にいたかもしれない(米軍隊は私には良くわからないが?)、それに、『降伏している兵士を殺した』罪の意識はいつまでも彼の心を癒すことができなかったんだろうと思う。だから、それを知っていると思う、なくなった妻は、カトリックの神父のところに行って、『懺悔/告白』して欲しいと。でも、ウォルトは『青二才の童貞やろう』と悪態をつく始末。ー私はウォルトの悪態に大笑い。
ウォルトの住んでいるところは、デトロイトのGM,やFordなど自動車工場が閉鎖されて、ここで働いていた、人々が他の地にさってしまった地域だ。最初のモン族のタオのおばあさんもいったように、『なぜ白人がここにいるのか?』貧困地域と化したこの地域は犯罪の温床であり、ギャングの争いの場所になってしまっている。タオのように、仲間に入りたがらないと仲間に入れるまで、邪魔をしてくる。(これは、キャラバンといわれた、グアテマラやホンジュラス の若者と同じで、仲間に入らなければ、家族まで痛めつけられる)そして、他の人種との争いより、同じモン族の間で犯罪を犯したり、喧嘩をしたりすると聞いた。)
私はカルフォルニアのフレスノ市のモン族と人々と何十年前話したことがある。彼らは静かな民族で、市民の使わない土地を借りたり、分けてもらったりして、米国に来る前と同じように、農耕民族として生きていた。フレスノはカルフォルニアの農業地域、サンワキンバレーがあるから、多分耕作に土地が向いているのだろう。あと、ミシガン州のランシングはモン族、ベトナム人の多い場所で、GMが去ってしまったので、その空き地ができ、環境問題で、その土地が利用できずにそのままになっている。私の友達はあるGMの空き地の隣の高校で先生をしていた。私もその学校を生徒のいない時訪れたことがあるが、伝統的な作りで、中も、ロッカーの位置まで、古さを感じさせる。私の友達曰く、アジア系の生徒が一番真面目に勉強すると。
GM,やFord が去ってしまうと、税金を払ってくれる大企業が去るということなので、全くと言っていいほど、町は錆びれてしまい、住む人々の層が変わってしまう。この映画撮影はデトロイトのハイランド パークであったらしいが、映画は二千八年のだから、今現在はもっと荒んでしまっているだろう。多分?
タオのため、ウォルトは自分の命をささげた。自分がもう長く生きられないことをしていたけど、私は自分の命を人に捧げられるだろうか。自分がギャングを殺せば、自分がつみになるが、ギャングに殺されれば、ギャングたちは刑務所行きでタオにまとわりつかない。タオは新しい人生を家族と共に歩める。車もあるから仕事にも行きやすい。この犠牲的精神は、朝鮮戦争の捕虜を殺した償いから生まれたのか?? それとも?
沁みる…
意外な結末
客観的にみてクリント・イーストウッド監督作品はいい映画が多いと思う。ただ、ほとんどの場合、(個人的な感想だが)後味が悪い(というか、切ない)。
最後、主人公がダーティーハリーやマカロニウェスタン(特に夕陽のガンマン)のように悪者達をやっつける展開を(ダメもとで)期待していたのだが、残念!
ミリオンダラーより好き
いやー、クリントイーストウッド渋い❗️
最愛の妻を亡くし家族からは疎まれ
唯一の勲章では朝鮮人の若者を殺した罪悪感と共に生きている毎日に
隣に越して来たモン族の変な隣人との交流から物語は始まる。
当たり前だけど
誰かとの交流から物語は始まる。
それはある人ににとっては悲しみで終わり
またある人にとっては怒りで終わるのかもしれない
ウォルトは自分の最期を愛する隣人のために捧げた
それはうまくいかない家族との間で肺病で死ぬよりはずっと幸せだったに違いない
グラントリノもただ磨いてそこにいるよりも
他者との関わり(ドライブ)により
より一層の価値が生まれると気づいたラストが
悲しくも清々しい。
今頃って感じですが
観たつもりになっていて、見損ねていたもの。思い込みは怖いです。この映画制作ロバートローレンツさん良く見かけますね。調べたら面白いものばかり。クリントイーストウッドとも良く一緒に仕事されていますね。この映画ではクリント氏の息子さんがチョイ役で出てきました。「運び屋」では娘さんが。カッコいいお爺さんと共演出来て良いですね。タオが相続の場で見せた表情がやや軽くて嫌でしたが、爽やかに終わるにはああするしかなかったのかな。愛車グラン・トリノもカッコいい!クライマックスでは思わず泣いてしまいました。余命幾ばくもないウォルト、この方法で隣人を守る事がベストだと決断したのでしょう。しかし決行前に犬を預け、スーツを新調し葬儀や遺言の準備をするとは・・完璧な終活でした。
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