劇場公開日 2008年12月20日

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「われわれも、また」英国王給仕人に乾杯! ホさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0われわれも、また

2009年1月8日

なるほど素直に笑わせてはくれない。
夕刊の広告でタイトルを知り、HPでトレーラーを見て、メンツェル監督デビュー作『厳重に監視された列車』を上映中の映画館に出かけ、ネット通販で20年間封印されたという『つながれたヒバリ』のVHSを手に入れ、鑑賞に至った。原作者フラバルの唯一翻訳された長編「あまりにも騒がしい孤独」も購入した。
映画『英国王 給仕人に乾杯!』は常に牢獄のなかにいる人間を描いている。
それは、国家であり、人種であり、民族であり、性であり、物理的に隔絶された空間であり、カネや暴力が支配する社会であり、言葉であり、ついには自己という皮膜による牢獄である。
だれも脱け出ることはできない。
突然の発熱で初日には見られなかったが、12月23日、天皇誕生日、祝日の4時半の回は、チェコ人でいっぱい(ウソ)で満員御礼だった(ホント)。
まだ見ぬ方は、急ぎ映画館へ!
映画館もまた、牢獄かも知れないが。

ホ