火天の城のレビュー・感想・評価
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歪な形の城。
☆
別に芸人が俳優をすることは役にはまっていればいいと思うけど、
ディア・ドクターなんて
鶴瓶だからこその面白さがある作品も最近ではありますし、
それでも今作の吉本芸人には?があります。
確かに緒方直人はオーバーアクト気味で冷めてしまうし、
まだ可愛いから、おっさんは許せてしまうけども、
福田沙紀も拙いかもしれない。
でも、何よりも遠藤章造はまだいいけど、
河本準一は作品世界から完全に浮いている。
対峙する場面はないが大河での秀吉がいるのに、あの演技は、ない。
前からそういう力のある事務所の捻じ込みはあったかもしれないが、
吉本が映画事業に乗り出してからの、それは酷いもんだ。
それだけでなくこの作品はどこかちぐはぐ。
ほのかに示していたが、突然のワイヤーアクションにはお口あんぐり状態。
建築場面の大規模なオープンセットも、
動きのないCGもそれなりにリアルではあるが、
動きのあるCGは酷いもんだ。
城を建てるというメインストーリーへ付随する
妻や娘のサブストーリーの組み立て方が、描き方がホントに下手で、
大竹しのぶの静かな熱演が台無し。
建築場面でのクライマックスとなるトラブルを乗り越える時のシーンでは、
そこまで拘るなら先にその拘りを提示して欲しいというのもあるし、
サブストーリーもそれは同じで、
組み立て方が逆だろうと感じてしまうシーンばかりの印象が残る。
宮大工という表舞台には出てこない人物が主人公なので
淡々と描くならそれはそれでいいのかもしれなし、そうすべきだと思うが、
無理に盛り上げようとして、失敗しているなぁと思ってしまう。
拘りのある仕事振りをもっと魅せて欲しかった。
寸法を間違えてしまった材木で組みあがった歪で、
どこかちぐはぐな城のような作品。
☆
個々のエピソードは見せるものの、起承転結の展開がなく、城の完成に向けて一本調子に進んでいったところが残念です。
城郭マニアにとっては、安土城がCGで完璧に復元される映像だけで、納得してしまう作品です。
果たして、指図(図面)争いで決まった本作での安土城の内部は、吹き抜けであったのでしょうか?(スクリーンでご確認を!)
ただ映画としては、一本筋の通ったストーリーが欲しかったですね。西田敏行が主演しているだけに、岡部又右衛門の存在感には非の打ち所もないくらいはまっています。日本一の城作りの情熱を伝えてくれました。
但し、信長暗殺や安土城建設の妨害といったサスペンス要素のものから、妻の死、仲間の死や岡部一門の番匠たちが力を合わせて、城の骨格のゆがみを補正するというような感動シーンまで、ばらばらに散りばめられていて、統一感が弱いのです。
個々のエピソードは悪くないとしても、何か一つ安土城完成をピークとするメインストーリーが欲しかったです。
激動の戦国時代にありながら、合戦シーンが皆無という珍しい時代劇です。
配役としては、信長を演じた椎名桔平は、気迫ある演技で信長らしさを際立たさせていました。妻・田鶴役の大竹しのぶは控えめな演技で印象が弱かったです。
又右衛門の娘役福田沙紀は、ただ可愛いだけの存在。もう少し表情を前に出して欲しかったです。
建築途中の安土城は、セットを組んでいて、巨大な親柱がそびえ立つところは、圧巻です。あれはわざわざ本作品のために取り寄せたものでしょうか?
ただ完成した天主の全貌は、一見してCGと分かるもの。製作を担当した白組には、もう少しCGのリアルさを追及して欲しいと願います。
個々のエピソードは見せるものの、起承転結の展開がなく、城の完成に向けて一本調子に進んでいったところが残念です。もう少し、クライシスやアクシデントを強調した方が見応えが出来たことでしょう。
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