火天の城のレビュー・感想・評価
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結局よくある人情ものか
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
壮大な城の建築というにはあっさりとしていた。建築における技術的なことがあまり出てこないし、天守閣に必要な大木は敵地の山の管理人の心を簡単に動かして都合よく手に入る。人々の心を一つにして建築に当たるというのはわかるけれど、何かそれに頼りすぎている気がする。史上空前の大計画を前にしながら、物語の中心の落ち着く先は人々の連帯感なのだろうか。もっと具体的な困難や技術の描写がないと、普通の作品との区別が少なくなってありきたりになってしまう。建築の仲間がいて家族がいてと、結局日本人が大好きなよくある人情物作品に過ぎない。
邦画では良い方の出来かもしれませんね
自分の仕事に命を賭ける男達。
それを支える女達。
主人公の西田敏行さんは流石の演技です。
でもね文句はないのだが、何となく中間管理職に
見えてしまうんです。
他の方もレビューに書かれていましたが、リーダーとして
皆を引っ張るシーンや先導するシーンがあっても良かったかも。
むしろ、そういう意味では寺島進が頑張っておりますね。
信長役の椎名桔平はもう、ぴったりですな。文句なし。
でも個人的には緒方直人が一番良かった。
かれの演じた山の衆はすごい迫力を感じた。
男と男の約束を死を賭けてまで守る。
その演技には熱いものを感じ、思わずうるうる。
女性では大竹しのぶ。
セリフと言い、その間の取り方。
いい演技ですね。
福田沙紀ちゃn、まだまだです。
その他にも演技派の個性派俳優が脇を固めます。
ただ、しっくりこないのはこの城がなぜ3年で無くなったか
完成したシーンが無いからしょうがないけど、最後に
セリフだけでもあった方が良かったんじゃない。
もうひとつ、良かったもの。それは音楽。
重厚な音楽が感動のシーンを盛りたててくれる。
観て損ではないのですが、原作とはかなり違うらしく
原作読まれた方はやめた方が良いのかもしれません。
私は逆に原作見てみよーっと。
原作レイプ
原作読んで面白かったので楽しみにしていたんですが・・・酷かった・・・
尺の関係で最後までやらずに、安土城築城までなのは解ります。
しかし、無用な配役の変換、なぜ又右衛門の息子が娘になっているのか?
物語上息子であったことで成立していた話がバッサリ切られて、代わりに
娘と部下の恋愛話が入る。(これがまた意味がない)
それに又右衛門がやたらと卑屈で誰にでもぺこぺこ頭を下げる。
原作にあったリーダーシップが影をひそめ、信長と部下に挟まれた中間管理職になり下がってしまってる。
原作未読ならそれなりに面白かったのかもしれないが、原作を読んでしまうと粗しか見当たらない駄作になり下がってしまった。
建築が好きで、歴史が好きな人へ
先日、原作を読んで、ぜひ観てみたいと、今日やっと観ることができました。
特に誰が建てるかを決めるための指図争いでの
岡部がそれぞれの模型に火をつけ、
「吹き抜けは火の道になりまする。親方様の住む城にそのようなもの造れませぬ」
と言ったセリフには、岡部の番匠としてのプライドが垣間見えて、
鳥肌が立ちました。
それを聞いて、信長も
「落城のおりも、そちの建てた城ならば、ゆるりと一指し舞う時間があるのじゃな」
と、粋なセリフを。
原作と微妙に変えてあるところもありましたが、
全体的な完成度には、大満足でした。
不器用は宝だ。・・・不器用を喜べ。
映画「火天の城」(田中光敏監督)から。
織田信長から「安土の山を丸ごと1つ、城にする。天守50じゃ」と
命じられた、戦国時代の名工・岡部又右衛。
その部下たちは、必死になって「安土城」建築に必死になるが、
若い大工は、時々失敗して、親や先輩に怒鳴られる日々。
仕事に自信がなくなりかけた時、励ましてくれた先輩の台詞は、
今の時代にも仕えるフレーズとなった。
実はメモした本文は、もう少し長い。
「不器用は宝だ。不器用なものはどうしたらよいか工夫して努力する。
毎日毎日やっていくうちに、いつのまにか心で計れるようになるんだ。
身体で感じられるようになるんだよ。だから、不器用を喜べ。」
その彼が、ラストシーンで大活躍するのだが、
現実は、なかなかこうはいかないものである。
こんな励ましをしてくれる先輩も減ったし、
不器用なものも、工夫も努力しないで、不器用のまま。(汗)
だから、失敗を繰り返し、周りに迷惑をかけることだってある。
いい話だけど、ちょっとなぁ、と苦笑いをした。
信長が、一所懸命働く女性を眺めて呟いた
「女が元気だと国も栄える。」の方が、現実的だなぁ。
西田ははまり役!!
アメ横のお菓子屋さん的な…
戦国時代を戦(いくさ)じゃない切り口で描く
歴史、お城好きにはたまらない大作。
「ラストサムライ」で武士の生き様を描いたように、
中世日本の“匠”たちにスポットを当て
その時代の人間がどう生きたかを描いています。
実際、
大工や棟梁だけでなく、石切りや山から木を切り出す人たち、
染物を作る女たちまでがスクリーンに映し出され
その心意気が垣間見えたのはとても興味深かったです。
ただ…
ストーリーが進むにつれて
編集のぶつ切りや過剰な描写が鼻につき始め
なんだか前半の重厚な職人の世界から
急にうす~い漫画的なアプローチに…
果てには
そんなアクションとラブストーリーですかぁ!?
と軽い突っ込みを入れたくなる所も。
いや残念。
重ねて残念。
こうなってくると際立って見えてきてしまうのが
キャストやCGの違和感。
CGは大人の事情で仕方ないとして、
某お笑い芸人の面々がストーリーの軽薄化に伴って
浮いて見えて来ちゃうんですよねー。
前○ンは意外と良かったのにな~。
ハリウッド映画が地味で重厚な描写に耐え切れず
お色気とユーモアと英雄色をちょちょっと足しちゃったような…。
お笑い芸人がまじめな対談をして
耐え切れなくなって徐々に笑いに走ってしまったような…。
アメ横のお菓子屋さんの
「3つで1000円、4つで1000円…」
っていう気前良いサービスのような…。
せっかくベースにある満足感が
薄らいで行く感じ。
それでもさすがの存在感のベテランメインキャスト陣に支えられ
最後まで鑑賞に堪えうる内容となっています。
それだけに
しつこく重ね重ね…
惜しい。
まぁ色々言いながらも
歴史的にも価値のある安土桃山城の背景。
一度観てみる価値は充分あると思います。
※他サイトより転載(投稿日:2009/09/14)
笑顔と親柱。
いま日本は俄かに「城ブーム」なんだそうだ。
先日もTVで藤波辰爾やら、坂東三津五郎などの
城談議を見聞きして面白かったのを覚えている。
まぁただねぇ…職業映画というわけではないので、、
かなりベタな大河ドラマになっているのは否めない。
あ、違うな。これは大河じゃなくて…大木か?^^;
本物の安土城を見たことがないので(当り前って)
山一つ城にするという構想がどれだけ途轍もないか、
とはいえ、なぜ信長がそんなことを思いついたのか、
様々な解釈を加えて面白く作られている。
椎名桔平が演ずる信長がとてもいい!マジで怖い。
怖いんだけれど頭が切れて有能なのが見てとれる。
子供の頃は、信長が一番嫌いなタイプだったのに^^;
歳をとるとあの潔さがカッコいい!とまで思えてくる。
なぜだろう。。。
対する岡部又右衛門という男の一寸も曲げない己の
信念というか、職人魂もまた素晴らしいと思った。
奥さん(大竹しのぶ絶品!)の気苦労は絶えない筈だ。
私も笑みを絶やさない女になりたいと…^^;
しかし、いきなりそんな事をすれば気味悪がられる。
築城ノウハウを詳しく見られると思うとそうでもない。
ただ、指図争いのやり取りは面白い!
技と頭脳の大合戦という感じで、緊迫感があった。
また、親柱が立つときの感動!やっと…の思いだ。
ここに描かれるドラマ部分がフィクションを交えて
いるにしても見事築城を遂げたのは紛れもない事実。
ものすごい人間たちがいたのだと、改めて感心し、
天下を取る。国を治める。ということがどういうことか、
ぜひ宇宙から来た総理大臣の意見も聞いてみたい。
(緒形直人も潔いんだけど、あの扱いは勿体ないなぁ)
日本映画らしい古典的エンタテイメントの秀作!
見終わったあと、久々に日本映画らしい日本映画に出会えた嬉しさと爽快感で胸がいっぱいになった。そして、まだまだ日本映画界にもこんな作品が作れるパワーがあったことにも、素直に驚かされた。こんな作品が製作できるのなら、日本映画界はお金をかける価値があると思う。
この作品で何より感動させられたのは、どんな犠牲を払っても夢や希望を目指す、一所懸命仕事をすれば報われる、ということを、声高に見せていたことだ。昭和30年、40年代までの日本映画には、「努力すれば人生は開ける」という作品がたくさんあった。しかし、ドルショックやバブルの時代が過ぎると、「一所懸命仕事をしても報いも希望もない、むなしいだけ」という世相になり、人間の懸命な生き様を描く映画など時代遅れとなってしまった。そんな時代の中で、人間の一所懸命さを描いた、日本映画の古典的な演出が通用している作品が登場し、観客の多くがその日本映画本来のエンタテイメントの面白さを満喫できたことは、本当に良かったと思う。映画とは人々を元気づけるもの、という、エンタテイメントの原点があることが、この作品のなにより素晴らしい点なのだ。
そして特筆すべきなのは、おそらくはじめて、お城を造ることを映画にできたことだ。CG技術の発達のおかげもあるが、ベテラン美術監督の西岡善信氏によるセツトの構築の見事さには目を見張らされた。この点が日本映画の古典の良さを見られた喜びに繋がっただけに、ぜひ、賞などで映画界は労をねぎらっていただきたいと思うばかりである。
内容が古典的だけあって、欠点もやや目立った。主演の西田は役に入りすぎて力み過ぎに見えたし、突然、お城を作る仲間から忍者めいた者が現れたり、死んだ者が生き返ってみたり、と唐突すぎる部分があったことには戸惑ってしまった。ただ、それが泡沫にも感じるくらいに、演出が重厚だったことも評価していいところだろう。
安土城がどれほど凄い城だったか、がこの作品で今の日本人に知られたことは、時代劇ファンや歴史ファンには喜ばしいことなのだが、できればナレーションで、「山城で安土城ほどの大規模な城は、ついに建造されることはなかった」というのを入れてほしかったと思う。大阪城や姫路城が一番ではなかったことを強調していれば、安土城に賭けた人々の労が、本当に報わたように城郭ファンはひそかに思うのである。
方向性は悪くないが
自ブログより抜粋で。
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戦国時代版プロジェクトXという趣で安土城建築の舞台裏に迫るこの映画、言ってしまえば「ただそこに城を建てるだけ」という地味な内容なのだが、場面展開に工夫が見られ、最後まで飽きることはなかった。
しかし観終わってみると一番盛り上がったのは序盤の山場「指図(図面)争い」(業者に設計案を競わせるコンペ)だったように思う。以降は何かが足りていない。
日本映画にしては大作の部類に入るだろうが、このビッグプロジェクトを再現するにはこれでもまだ予算不足だったと言える。
例えば、VFXを使った大俯瞰の構図では多くの人間が建築中の城の周りで働いていることがわかるのだが、その現場にカメラが降りると、とたんにこぢんまりとする。これはロケ場所の敷地や予算内で呼べるエキストラの数に限界があるからに違いない。
中盤の山場となる敵陣から木曽の檜を手に入れようとするくだりでは、必要なシーンが欠けている印象を受けた。
待ちに待った大雨の日に緒方直人演じる甚兵衛らがどういう作業をしたのかがごっそり抜け落ちている。
省略は映画演出の基本のひとつだとは思うけれど、これはちょっと間引きすぎ。自分が監督なら伐採した巨木を激流の川に流すくらいはシーンとして入れたいと思う。予算とは別に技術的な問題が発生するだろうが。
ラストも拍子抜けするぐらいあっけない。
あれだけ尽力を尽くしてきた職人たちが城の完成を喜ぶシーンがないというのは、城作りを主軸としたこの映画としては致命的な欠落じゃないのか。
クライマックスあたりのシーンの流れが演出的に淡泊なせいで、「ここが最大の盛り上がり」をあまり意識できないうちにピークを迎えてしまったのも拍子抜けした理由なんだが。
(中略)
最後にまとめると、欲張ってあれこれ詰め込もうとした結果、整理し切れていないところもあるけれど、歴史の一端を担った人々に思いをはせる大人な映画としての方向性は悪くないと思う。
なんだけど、いたるところで予算的、人的、技術的不自由さが見え隠れしているのが惜しまれる。
柱が足りていないのに過剰に部屋数の多い城を建ててしまったかのような、そんな“いびつさ”を感じるのよ。
絶景かな。
安土城きれいだし、まっいっか!
原作は読んでないのですが、ストーリーは分かりやすかったですね。
でも、長いですよね・・・・こんなに時間かけた割には、消失の理由に触れておらず、気になりました。
映像に関しては、近江の琵琶湖や、木曽の山中や、築城途中に降り積もる雪のシーンなどがとてもきれいで、このへんは映画館ならでの醍醐味って感じでした。
キャストに関しては、西田敏行や大竹しのぶ、緒方直人は期待を裏切りませんでした。椎名桔平もちょっと肩に力が入りすぎてる感があったけど、織田信長を演じきっててカッコ良かったです。
遠藤章造、河本準一の芸人2人はいらなかったですね。
こっそり注目している、石田卓也くんも良かったです。
渡辺いっけいも結構好きなのですが、いじわる役人のいい味だしてましたね。
主要キャストたちは、己の信念を貫いてるのがとてもよく現れていてよかったのではないでしょうか?
あと、これは私だけかもしれませんが、築城途中の城の中の柱が林立しているシーンがとても好きです。幾何学的な美しさを感じました。
祇園祭の鉾を、縄だけで組み立てているのを飽きずにながめたりするのも好きで、シンメトリーの美しさがありました。
ラストの安土城はとても綺麗で、これだけでも見る価値ありだと思いました。
えぇぇ。。。
木曾檜は強く美しいが・・・
なぜ「火天の城」というタイトルになったか。その由来が原作では序盤に一度そして最後にもう一度出てくる。
原作を読む前に映画を見ていたら、邦画にしては巨額の費用をかけた画面に圧倒されていたかもしれない。
組み上げられた木の美しさ、しなやかさ、たくましさは一見の価値がある。
だが、番匠達の手つきは日曜大工にしか見えず、岡部一家の類型的な人情劇に感情移入する事はできなかった。
原作では岡部又右衛門は二人いる。棟梁とその息子の二人である。
どの時代にもある親子の軋轢や、しょせん他人でしかない夫婦間の諦感・それを通り越した時に芽生えてくる家族の繋がり等が、すっぱり切り捨てられているのは仕方ないとしても、説得力のない口先だけのせりふが気になった。
また、うねと言う乱波(忍びの者)の設定、木曾の大庄屋甚兵衛が何故檜を譲る事になったか何故命を落としたのか等無理やりこじつけてまとめてしまった感が否めない。
もちろん、原作をそのまま映画化するには予算的にも上映時間からも無理がある事はよくわかる。
すばらしい素材であるだけに、脚本をもう少し練って後世に残る作品にして欲しかった。
主役は安土城であり、信長・岡部又右衛門親子その他築城に関わる人間模様でもあるが、原作の骨太さ面白さには残念ながらはるかに及ばない。
退屈はしない
要所要所に(わかりやすすぎる)見所があるので退屈はしない
でもできあがった城に対しては、
「えっ…」ていう
どうせなら消失の理由も描いてほしい
なんにせよあっけない
あと、死亡する人、実は死亡してない人の描写の伏せんがあからさますぎ。
大竹しのぶはよかったけど福田沙紀はひどすぎです
大木も印象的
どこを魅せたいかの問題
原作のすべてを盛り込むと消化不良の映画になってしまう。
では、映画としてどこを魅せるか。
やはり、雄大な風景、巨木、築城中と完成した安土城、ライトアップされた安土城・・・
ということで、物理的な築城を中心に置き、活劇シーンを織り交ぜて、骨太に作りこまれた映画だと感じました。その意味で、ドラマシーンはおまけだし、余計な説明もカットして観客の想像にまかせています(原作未読ならば乱破の主人は武田氏と思うでしょうが、それで良いと思います)。
現実に見ることのできない幻の城を、映画の大スクリーンで見ることができ、幸せでした。
ガッカリ。。
東映歴史物もここまできたか(/_;)
話が淡白、ヒネリなし。いやあるんだけどムリヤリすぎて・・。
西田敏行、大竹しのぶ、椎名桔平でなんとか見れるけど、
吉本芸人がゾロゾロ。出てきた瞬間にガッカリ。
エキストラも芸人かな。。勘弁してくれーて場面がチラホラ。
まじめな歴史映画をつくりたいのなら、無名でも俳優を使ってほしい。
東映さんお願いしますよ。。ほんと。。
細密画のような俯瞰映像に驚く
安土城の時間とともに築城が進む琵琶湖からの遠景は見ごたえあり。
遠景で人が大量にうごめく精緻な映像は凄い。(ボカシ無し)
そしてストーリーの見せ場である
指図競技は現代につながるプレゼンテーション手法が堪能できます。
(現代の人が脚色したから、この表現になったのかもしれないけど)
金色と白壁が印象的な京都代表案
朱と灰色瓦屋根のコントラストが美しい奈良案
それぞれが『吹抜け』有りの案
そこに割ってはいるのが、西田。
図面の展示も色彩を使用せず実直さと想像力を呼び起こすアピール
解りにくい図面で興味を引かせ、興味を持続させる手法を駆使。
図面と模型を審査者が時間をかけ読込んでいくと
天守の構成は他案を完全に凌駕する独創案で
柱梁の構造手法にも特徴があり、全体の構成力でも他を圧倒。
そして、最後の仕上げは説得。
要件の『吹抜け』をはずして、信長の感情を荒げさせたらしめたもの、
誰もが想像できなかった、最高解答『火災に弱い=殿の御命が大事』
を進言し信長より先を見据えていることを猛烈主張で場を納得させた。
強引なところもありますが、戦略勝利で仕事獲得です。
『火を放たれても、舞を踊る時間があるのだな』との
信長の回答はなかなか雅やかで
西田の言葉に納得する椎名桔平は今作のはまり役、カッコいいのです。
===ひとりごと===
TBS『ふしぎ発見』でこの映画の安土城特集をしていましたが解答がネタバレで
『吹抜け』のことが、映画映像の模型を燃やすシーンと西田の説明映像が共に解答として出ていました。
この番組を見る以前からこの映画を観ることは決めていたので番組観たことを後悔反省。
しかしながら、現実に建てられた城に、『吹抜け』があったかどうかは、いまだに謎らしくそこは興味を引かれたので『ふしぎ発見』グッドジョブです。
巨大スケールを持て余し気味。消化不良な超大作。
日本史上最大の城を僅か3年で完成させろという織田信長の無理難題に、建築への情熱とその人望で挑んだ宮大工・岡部又衛門とその仲間逹の物語。スケールも期待度も十分の本作だったが——
……この映画が気に入ってる人はこの先読み飛ばしてください。
建築に際して様々な困難が振り掛かってくる訳だが、どのエピソードも演出が淡白というかヒネリが無いというか……役者陣の熱演に対して淋しい演出がまるで噛み合わず、全体として空回り気味な印象。思わず席からずり落ちそうになるほど唐突な場面も少なくないし(最後に突然再登場するあの人や、動機もテンションもよく分からない襲撃シーンには正直笑った)、エピソードの構成も何だか気持ち悪く、ラストも消化不良……。
主人公・又衛門も、目の前に立ちはだかる困難を職人の誇りと熱意で突き崩してゆくというより、「何卒、何卒ォ!!」と邪魔する相手をひたすら拝み倒して我を通しているだけに見えてしまう。他の登場人物も含め、もう少し説得力のある台詞や行動を練れなかったのかしらん。
皆が壮大なスケールを持て余し気味な中、大竹しのぶだけが胸に迫る演技で映画を救ってくれていたように思う。本当に凄い女優さんだ……。
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