「細密画のような俯瞰映像に驚く」火天の城 yoshinodeboさんの映画レビュー(感想・評価)
細密画のような俯瞰映像に驚く
安土城の時間とともに築城が進む琵琶湖からの遠景は見ごたえあり。
遠景で人が大量にうごめく精緻な映像は凄い。(ボカシ無し)
そしてストーリーの見せ場である
指図競技は現代につながるプレゼンテーション手法が堪能できます。
(現代の人が脚色したから、この表現になったのかもしれないけど)
金色と白壁が印象的な京都代表案
朱と灰色瓦屋根のコントラストが美しい奈良案
それぞれが『吹抜け』有りの案
そこに割ってはいるのが、西田。
図面の展示も色彩を使用せず実直さと想像力を呼び起こすアピール
解りにくい図面で興味を引かせ、興味を持続させる手法を駆使。
図面と模型を審査者が時間をかけ読込んでいくと
天守の構成は他案を完全に凌駕する独創案で
柱梁の構造手法にも特徴があり、全体の構成力でも他を圧倒。
そして、最後の仕上げは説得。
要件の『吹抜け』をはずして、信長の感情を荒げさせたらしめたもの、
誰もが想像できなかった、最高解答『火災に弱い=殿の御命が大事』
を進言し信長より先を見据えていることを猛烈主張で場を納得させた。
強引なところもありますが、戦略勝利で仕事獲得です。
『火を放たれても、舞を踊る時間があるのだな』との
信長の回答はなかなか雅やかで
西田の言葉に納得する椎名桔平は今作のはまり役、カッコいいのです。
===ひとりごと===
TBS『ふしぎ発見』でこの映画の安土城特集をしていましたが解答がネタバレで
『吹抜け』のことが、映画映像の模型を燃やすシーンと西田の説明映像が共に解答として出ていました。
この番組を見る以前からこの映画を観ることは決めていたので番組観たことを後悔反省。
しかしながら、現実に建てられた城に、『吹抜け』があったかどうかは、いまだに謎らしくそこは興味を引かれたので『ふしぎ発見』グッドジョブです。