火天の城のレビュー・感想・評価
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もっと評価されても良い素晴らし作品
山本兼一氏が戦国時代の名工・岡部又右衛を描き、第11回松本清張賞を受賞した同名小説を映画化したもので、西田敏行が主人公を演じている。
三谷幸喜作品で落ち武者の幽霊を演じる西田も大好きだが、長年のキャリアで身につけた、卓越した技術を惜しみなく発揮できる作品との出合いを常に求めているようにも感じる。
信長から安土に五重の城の建設を命じられた熱田の宮番匠・岡部又右衛門を、実に魅力的に演じて見せた西田には最敬礼のひと言。
人を建ててこそ…追悼・西田敏行さん…
Amazon Prime Video(東映オンデマンド)で鑑賞。
原作は未読。
突然の西田敏行氏の訃報に驚き、悲しみが胸に溢れた。あの緩急巧みで、様々な役柄を演じてこられた西田氏の演技をもう見られないのかと思うと、本当に残念でならない。
ご冥福を心よりお祈りすると共に、これまで観たことのなかった西田氏の主演作品を観ようと思い、本作を選んだ。
安土城築城を指揮した熱田の宮番匠・岡部又右衛門を西田氏が演じていた。西田氏の名演によって、とても魅力的な又右衛門像をつくり出していたように思う。
番匠としての矜持を胸に、城を建てるにはそれを建てる人をまず大切にしなければならないと、憶せず信長に言ってのける又右衛門の人柄に感動させられた。
それはそのまま、西田氏自身の人柄が又右衛門とリンクして滲み出しているからこそ生まれる感動ではないだろうか。
現場監督の仕事をしている身故に、この又右衛門の思想は私も常に大切にしなければならないものと肝に銘じた(それは国づくりにも通じる。政治家に聞かせたい言葉だと感じた)。
だからこそ、悲鳴を上げる心柱を切断するクライマックスシーンのアツさは筆舌に尽くしがたいものがあった。泣けた。
安土城築城と云う視点で戦国時代を描いているのが斬新だった。適度にスペクタクルもあって、とても面白い作品だ。
安土城の辿る運命を知っているだけに、ラストシーンの安土城の優美な姿には物悲しさが漂っているように感じられた。
歴史が分かっているからの
その後の城の運命がわかっているから、一抹の切なさと想像するロマンを感じる。安土を訪れた印象は「兵どもの夢のあと」で、近所のミュージアムで創造の天守模型も。この作品では、設計や構築の様子を見てきたように表現されていて、ドラマとしても興味津々。
さらに、棟梁の夫妻愛も織り交ぜて、ここまでは良かった。西田さん、大竹さんとも名優だねえ。役作りへの真剣な取り組みを感じる。周りのキャストも立派。名バイプレイヤーとしての夏八木さんは画面が締まるだけに、残念な喪失感は大きい。
残念なのは娘役の設定かな。福田さんは夫婦と風貌も違うし、明らかにミスキャスト。制作側の失策で余計な役をこさえて、とってつけたロマンスを織り込んで、作品の質が上がったか? 意図があったにせよ、蛇足の典型と思われる。20分ぐらい短く、壮麗な城の建設、職人と武士、夫婦愛、ここまで絞ったら、もっと良い作品になった気がする。
安土城築城物語。昔の人はすごいですよね。ほんと城とかどうやって建て...
安土城築城物語。昔の人はすごいですよね。ほんと城とかどうやって建てたんだろう。
いい役者が揃っているのかなかなか見せる。とりわけ緒方直人が良かった。
ところが肝心なところが雑なんだよな。石田卓也と水野美紀とか、丁寧な描写でないから、肝心なシーンで「えーっ」ってなってしまう。芸人の無駄な出演も作品の格を落としている。あまりに長いのもマイナスポイント。
いろいろと惜しい作品かな。
BS日テレ
信長の命を守る設計
西田敏行扮する尾張熱田の宮大工棟梁岡部又右衛門は、突然現れた椎名桔平扮する織田信長に安土の山まるごと五重の城を作れるかと聞かれ、建てますると二つ返事で答えた。大和66州のど真ん中に城を建てると言う途方もない信長の申し出に又右衛門は早速取りかかったが、信長の気が変わり指図争いで決めると言った。
筋を通して信長の命を守る設計を訴えた又右衛門。見事な勝ち抜きであった。城作りは国作り。さらには通し柱の檜を敵方木曽檜を探しに行った又右衛門。命がけの力を集めた城は果たして完成しても儚い運命だったのは残念極まりないね。
期待はずれ
途中までは良かったけど
あのワイヤーアクションはいらんやろ
それと山本太郎とか福田沙紀の縁起が下手過ぎて冷める
せっかく西田敏行とか名優使ってるのにもったいない
福田沙紀が出てくると1人だけ現代人が混じってる感じがして雰囲気壊してるし
小説なら10倍は面白かったんかなと思える作品でした
ドラマティックすぎる?
原作は読んだことはないが、あまりにもドラマティックすぎるのでは?
話をわかりやすくするためにハードルを下げて作られているような気すら感じる。
城作りに焦点を絞っていた方が深みがあったと思うけど、サブストーリーが雑で冷めてしまう。
キャストも役と合っていないような人が多く、興ざめしてしまった。
個人的には好みだが…
3でも良いかなーと思ったが、今までの星を眺めた結果2.5に落ち着いた。
城づくりという(合戦などと比べれば)地味なテーマでありながら、それが安土城だというだけで「おおっ」という気分になる。企画的には大有りなハズなのだが…どうにも輪郭がぼんやりしてしまったなあ、と嘆息するような出来。なんでさ。
個人的には各エピソードが羅列的で、盛り上がりに欠けるのが原因だと思う。
また、テーマである安土城作事の背後に聳え立つ信長の影を描かざるをえないと思うのだが、突っ込みが甘く、「”あの”織田信長の”あの”安土城」という感じにならない。
そして、史実にもあるラストシーンの地味さ加減よ残念さっぷりよ…(泣)
謎のワイヤーアクションに予算を回している場合ではあるまいに。
とは言え、西田敏行があまりに素晴らしく、それだけで二時間もってしまった。
気弱な様でいて、決して譲らない所があったり、確信を持って仕事に臨んでいたりと、等身大の(実際にはここまでの人物は希少であろうが…)カッコよさがある。
この誠実さ、健気さは庶民の良さだよなぁと思う。何度とか涙が滲んだわ。
仕事に疲れたオッサンが見ると良いのではないでしょうか(笑)
原作を知らなければ楽しんだだろうか、、、
原作がすごく好きで
だからと言ってあの話を映画にしてもねえ〜と思ってしばらく見ないでいた作品。
アマゾンプライムで視聴。
原作の主題さえも引き継がれてなかった。
原作のいろんなエピソードをつまんで作りましたという感じだけどエピソードつまむにしてもつまみ方の思考が現代風。
映画にも出てくる大きな石
あれは物語では 赤い大蛇のような筋が入ってて
石を見た信長が城の前に置くというのを石工のリーダーが
「これは動かしてはいけない石です。死人が出ます」
って言うので信長が、「やらぬと言うなら お前の首をはねる、いやそれじゃお前は喜んで差し出すだろうからお前の嫁と娘の首をはねる!」
と言うと
「この石を動かす死人の数を考えるなら妻も娘も喜んで首を差し出しますでしょう」
って言う。
うわっ そう言うんだ!っていう驚きがあったりするわけで。
城作りについても
あの時代の城郭建築は その後の城とは違っていて
秀吉が作る墨俣城とまでは行かなくとも
その戦の場所場所に出向いて行ってさくっと作るもの。
そう言う知識的な事も読んでわかっていくわけで
戦に追随しつつ作る城造りとうって変わって作る異形の城の
図面を引くのは息子で 棟梁の西田敏行はなんか悪い予感がしてて それを表すかのように結局炎上するという
身も蓋もない話。
原作ままだと西田敏行は、いいとこなしの主人公になっちゃうから そのままってわけには行かなかっただろうとは思う。
だからあんまり見たいと思わなかったんだと思う。
一番の違和感
原作にない娘の役のセリフが現代的すぎてこれはちょっと頂けない。
お母さんのそばにいてくれたら(仕事ほっといて)
って、20世紀にも言えてないしそもそも思わない。
21世紀になってやっとですよ。
この時代にそれは言うわけがないなあ
というか 仕事に口突っ込みすぎ。
原作の時代考証が台無しなので
これは 題名が同じで別のもの
ですね。
原作知らなければどんな感想になったんだろうか。
凄い
機械の無い時代に、人力と職人達の腕や技で山のてっぺんに、安土城を完成させる、その凄さが伝わってきた。
この映画を観ると必ず、安土城跡を訪れたくなると思う。
・・・こんなに苦労して建てた安土城が3年で焼失するなんて・・
主演は西田敏行、共演に大竹しのぶ、椎名桔平、福田沙紀ほか。天正4年...
主演は西田敏行、共演に大竹しのぶ、椎名桔平、福田沙紀ほか。天正4年、熱田の宮番匠・岡部又右衛門は、織田信長から安土に五重の城の建設を命じられる。
直すのも仕事
信長役の椎名桔平がとても似合ってた。築城から3年で焼失されたとされる安土城なだけに、その出来栄えもさることながら、築城にいたる様々な経緯を楽しめる映画だった。指図争いでの模型がどれもこれも立派で、思わず作りたくなる・・・こんなところで満足。あ、でも燃やすんかい!もったいない・・・
男の生き様
城づくりをテーマにとってはいるけれど、作品の骨子となるのは「家族の絆」。
建築にも基礎があるように、我々ひとりの人間の基礎というか
支えになってくれるのは家族なのだというメッセージはひしひしと感じた。
予算の限られた日本の映画づくりの中で
本物の木をつかったオープンセットとその画づくりは迫力あり。
原作と合わせて、観て損はない作品だと思う。
もう少し木匠の技が見たかった
オープニングで木を彫る細かな映像を見て鑑賞する事にしたけど、木匠のすごさを目にする事は出来なかった。
天下一のヒノキを譲ってもらいに行くところあたりまでは面白かったのに、その後からもうダラダラしすぎ。
大雨が降るのを待つ又右衞門、映画もそこで足踏み。
見所はいったい何だったのか。後味悪い。
意外と楽しめました
安土城がいかにして作られたかそこで何千人の人達が関わってきたのかがわかりました。ラストは全員の力があって作られたんだと改めてわかりました。前田健さんは意外とあってましたが若者の石田卓也君と福田沙紀さんはあっていませんでした。あとエンドロールでココリコ遠藤さんが出ていましたがわかりませんでした。あと細かい所はわかりづらかったので原作をみないとわからないかなと感じました。
オープンセットがすごい
以前読んだ原作が大変素晴らしかったので
たまたまBS放送していたので休日の午後をまったりと。。。
ストーリーをはしょるのは仕方ないしょ
でも演技はキャラ系でしっくりこなかった
ただただ感心したのがお城のセットと木曾のロケ
これだけでも見た価値があった
結局よくある人情ものか
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
壮大な城の建築というにはあっさりとしていた。建築における技術的なことがあまり出てこないし、天守閣に必要な大木は敵地の山の管理人の心を簡単に動かして都合よく手に入る。人々の心を一つにして建築に当たるというのはわかるけれど、何かそれに頼りすぎている気がする。史上空前の大計画を前にしながら、物語の中心の落ち着く先は人々の連帯感なのだろうか。もっと具体的な困難や技術の描写がないと、普通の作品との区別が少なくなってありきたりになってしまう。建築の仲間がいて家族がいてと、結局日本人が大好きなよくある人情物作品に過ぎない。
邦画では良い方の出来かもしれませんね
自分の仕事に命を賭ける男達。
それを支える女達。
主人公の西田敏行さんは流石の演技です。
でもね文句はないのだが、何となく中間管理職に
見えてしまうんです。
他の方もレビューに書かれていましたが、リーダーとして
皆を引っ張るシーンや先導するシーンがあっても良かったかも。
むしろ、そういう意味では寺島進が頑張っておりますね。
信長役の椎名桔平はもう、ぴったりですな。文句なし。
でも個人的には緒方直人が一番良かった。
かれの演じた山の衆はすごい迫力を感じた。
男と男の約束を死を賭けてまで守る。
その演技には熱いものを感じ、思わずうるうる。
女性では大竹しのぶ。
セリフと言い、その間の取り方。
いい演技ですね。
福田沙紀ちゃn、まだまだです。
その他にも演技派の個性派俳優が脇を固めます。
ただ、しっくりこないのはこの城がなぜ3年で無くなったか
完成したシーンが無いからしょうがないけど、最後に
セリフだけでもあった方が良かったんじゃない。
もうひとつ、良かったもの。それは音楽。
重厚な音楽が感動のシーンを盛りたててくれる。
観て損ではないのですが、原作とはかなり違うらしく
原作読まれた方はやめた方が良いのかもしれません。
私は逆に原作見てみよーっと。
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