「シュールレアリズム?」ウルトラミラクルラブストーリー TOKUSHIさんの映画レビュー(感想・評価)
シュールレアリズム?
この映画は、シュールレアリズムか?
ARATAの使い方が斬新というかなんというやら…。
評論家や自称映画通たちは気に入りそうな映画だ。
ただの松山ケンイチファン・麻生久美子ファンには…理解しがたいものかもしれない。
そのどちらでもない、両者の中間くらいにいる僕としては、
深いんだか、浅いんだか…久々に難解な邦画を観たような…。
よく解らないけれど、「解る」映画ではないことは解った。
感じる映画というか…、ただ観たままなのかもしれない。
よくわからないが、なぜか目が離せないし、引き込まれた。
最後の一瞬まで駆け抜けた。
ラブストーリーと謡っているが、べたべたな恋愛映画ではなく、
ラブストーリーってのはこの映画の核ではない気がする。
「両想い」
「なんで二人を同時に好きになるんだ。僕にはひとりでも多いくらいだ。」
という言葉が染みた。
余りオススメ! とは言い難いけど、興味があるなら観て損はない!
PS: エンドロールで発見したが、スタイリスト、麻生さんの旦那さんであった。
夫婦愛。。。
中盤よりファンタジーなのかホラーなのか紙一重の展開が続くが、しかし見終えた後は、一日田んぼの泥や畑の土や青い空と戯れたかのような、清涼感、スッキリ感、満足感があるのは何故なのか。
首なしかなめのストーリーとラストシーンは何かリンクしてるのか、
まちこ先生の最後の微笑みの意味するところは、恐怖のあまりの静寂なのか、陽人の成仏を喜んだのか、
正直理解できないところはあった。
でも、わかりやすい商業ベースに乗っかった映画が多い昨今、こういう気骨を感じられる作品に久しぶりに出会えた喜びは確かに感じられた。
もう一つ個人的に嬉しかったのは、かなめが陽人にあげたシューズの色違いのパトリックスを普段愛用している事。
毎日靴を見るたびに、きっと陽人の笑顔が浮かぶんだろうな、明日から。