劇場公開日 2011年4月30日

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「もしかしたら存在していたかもしれないかけがえのない未来」ミスター・ノーバディ waxcafeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0もしかしたら存在していたかもしれないかけがえのない未来

2011年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

予告編を観てからというもの、
いまかいまかと公開を待ち望んでいた期待の作品です。

都内唯一の上映館、ヒューマントラストシネマ渋谷にて早速鑑賞。
GWのせいか、割と空いていて良い席を取れました。
正午頃でしたが、200名程入るシアター1では50名程の鑑賞者がおりました。

さて、当作品ですが、
これまで観た映画の中でも最高に素晴らしい映画でした。
ただし、あくまで個人的に… なんですけどね。ハマっちゃいました。
少々難解な面もあるので、万人向けとは行きません。
周りの10人に見せても、何人素晴らしい!と言ってくれるか…
ハマる人にはハマる(わかる人にはわかる)傑作かと。

人生の様々な場面における選択の可能性と、
そこから引き起こされる影響と結果。
「あのとき、もしこちらを選んでいたらどうなっていたのだろう?」
誰しもが思う普遍的なテーマを、
奇想天外なストーリーにのせて話が展開します。

時間と空間が複数に交差するパラレルワールドストーリーを、
映像に落とし込むのはとても難しかったであろうと思いますが、
それが見事に、そして美しく表現されていたことに感動しました。

リアルな世界では人生の選択って、一度に一つしか選べませんが、
この物語の主人公「ニモ」は、選びうる選択肢を全て歩んで同時進行で見せてくれます。
選ぶ道によって、人生は様々に分岐し、天と地ほど違う結果へと導かれて行くのですが、
これを観ていると、人生って無限の可能性があるのだとつくづく感じます。
ニモのようにいくつもの人生を歩むことはできませんし、
過去の選択を取り消すこともできませんが、
これから取り得る選択肢というのは無限にあって、
それは同時に、無限の未来が存在しているって事なんですよね。

で、ニモはどうなるの?って気になるオチは映画を観てのお楽しみ。

waxcafe