「期待したほどのアクションではなかったです。でもクリスティン・クルックは美人でアクションの切れがよかったです。」ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
期待したほどのアクションではなかったです。でもクリスティン・クルックは美人でアクションの切れがよかったです。
アクションゲームの代名詞といえる『ストリートファイター』が発売20周年を記念して、製作されたのが本作。『マトリックス』三部作でアクションを担当したディオン・ラムがもアクション監督を努めているので、アクション映画として期待していました。
ところが、前半は主人公の春麗が拉致された父を救うため、武道と気の修練を積むまでの経緯が、長々と描かれて、ほとんどアクションらしきシーンが出てきません。
後半になって、春麗が警察共にヘガの闇取引現場を取り押さえるところでアクション満開になります。これもカンフー決闘がベースなのですが、飛び道具や武器、そして超能力を使った決着が割に多く、痛みが余り伝わったこないアクションだったのです。
ジャッキーだったら、徹底してカンフー決闘の肉弾戦で悪玉を倒すところですが、そういう汗が散り血が飛沫くところが『ストリートファイター』という原題の割に少ないのが不満の残るところ。
また突っ込みどころも多々ありまして、たとえば、春麗とゲンの師弟コンビは、修練の末強力な気功波で敵を圧倒する力を身につけていました。
けれども、ふたりのカンフーは、ヘガ一味に非力過ぎて歯が立たず、いつもボコボコにされます。そんなとき切り札で出す技が気功波だったのです。そんな力があるのなら早く使えよと言いたくなりましたね。
また師匠のゲンは、どんなにボコボコにされても、爆弾で吹っ飛ばされても、いつも不死鳥のように、元気に復活します。
結局、脚本が荒くて、先にの見せ場を決めた後、強引に繋いでいるため、予定調和のようなシナリオとなった次第です。
春麗と父親のつながりの強さが描かれているのですが、親子の情愛の部分も中途半端かなと思います。同じく悪の権化のベガの弱みも娘の存在でした。せっかく面白い設定なのに、弱みをついたストーリーのひねり方もいまいちでしたね。
ヘガと警察・春麗が壮絶なバトルを展開して、奪いところとする闇取引品『ホワイト』が何であったか分かったときには、「なにぃ~それ~」ってため息でました。そんなもののために死闘を繰り広げていたのかと思うと笑ってしまうことでしょう。
ただ華奢な体つきの春麗を演じるクリスティン・クルックが、体つきには似合わないアクションをこなしているところは見応えがあります。切れがよかった!
彼女は、海外ドラマチャンネルAXNの人気シリーズ『ヤングスーパーマン』のラナ役を演じています。若き日のスーパーマンであるクラーク・ケントとラナの恋はすごく素敵です。チャーミングなラナを毎回見ていると誰でもファンになってしまうはずです。
そんな彼女がまさか本格的なアクションを演じるとは思っていませんでした。ところが日頃空手や体操の経験もあるアスリート系だったのですね。
なお、終わり方を見ると日本で続編が作られる可能性大です。