「モラルハザードでは?・・でもすごい映画!」イングロリアス・バスターズ わしのネタを映画化せいや!さんの映画レビュー(感想・評価)
モラルハザードでは?・・でもすごい映画!
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今更、このテーマを引っ張り出してこういう風に扱うのは卑怯に感じました。
このテーマをこういうタッチで・・しかもファーストシーンをあれだけシリアスに描いておいて・・ブラピが最初に登場するところのアノ演出はなんだ・・笑えばいいのか、怒るべきなのか・・・
もしかして、その感覚がこの映画の全てかもしれません。タランティーノのアイデンティティを強く感じだ部分です。
でも、映画としては凄いと認めざるを得ません。
演出がすごいと。
演出の凄さは言葉では伝わらないのがもどかしいです。
音楽の使い方もこの監督の特徴だと思いました。
とにかく、監督としての独自性に満ちています。
それらが随所に効いていて映画の水準を持ち上げていると感じました。
ラストにしても。
悲劇を描くというのは、技術的にはとても難しいものです。悲しいだけでカタルシスが得られないことになってしまいがちです。ですから悲劇でも、最後のところで何かしら周りの人たちの希望が始まるというのがセオリーだと思うのです。が。この映画はロミオとジュリエットで言ったら、主人公の2人が死んだ後、主人公たちの親友の誰かが両親たちをボッコボコのメッタメタのぎっちょんぎっちょんにブッ殺してしまう・・・というような、そんな感じです。そんなこと普通、綺麗なストーリーを描こうとする人たちはやらんだなということをやってしまうというのがタランティーノ。それでも監督の伝えたいことがしっかり伝わってくるから奇妙です。
この映画を見るまでタランティーノの才能には懐疑的でしたが、これで天才だと確信しました。
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