「緊張と緩和」イングロリアス・バスターズ ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
緊張と緩和
タランティーノの作品にそこまで愛着があるわけではないが、面白そうだったので鑑賞。かなり個人的には楽しめる作品であった。
ストーリーは二人の主人公を軸にしたナチスに対しての復讐劇である。
本作を通しても、タランティーノはやはり脚本が完璧であるといった印象を持つ。ユーモラスで面白い会話からしっかりとストーリーが読み取れて、展開が読めないのが彼の脚本の真骨頂だと感じた。
クリストフ・ヴァルツの演技は最高すぎた。各賞の助演男優賞を総なめしたのも納得。メラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー、ブラッド・ピットの演技も良かった。
タランティーノは緊張と緩和の演出が上手いなと本作を通して痛感する。会話を通してもそれが成立している上に、音楽やカメラワークなどによってもそれを演出するからすごい。鑑賞者が呆気に取られると同時に笑ってしまう細工が幾つも施されている。
Wikipediaを参照して製作の裏話がわかると本作を更に楽しめる。タランティーノが本作に掛けていた熱量は計り知れない。
本作はレンタルショップで戦争映画のコーナーにあるが、本作は歴史をも笑いに変えてしまう壮大なスケールで描いたブラックコメディである。見終わった後に別に何も心に残らないんだけど、見てる最中はめちゃくちゃ面白いと感じるし、テンポが良いから一気に二時間半見れちゃう。
ただ、濃くて中身があるストーリーかと言われるとそうではないから、好き嫌いは別れる作品なのかもしれない。
娯楽映画としてかなり自分は好きな作品であった。
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