「原作を読んでいた私には味わい深い作品でした」ノルウェイの森 やぶんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作を読んでいた私には味わい深い作品でした
普段はレビューを書いたりしませんが、ここのレビューを読んでどうしても書きたくなって、登録しました。村上春樹さんの作品は好きですが、全て読んでいる訳でもなく、最近の1Q84もまだ読んでいない程度です。
私が大学生の頃失恋したときに、この原作と出会い、深く入り込みました。
それから何度も読み返していましたので、今回の映画化にはびっくりし、期待していました。
あくまで、このような前提から書かせていただきます。
以下、原作を読んだ方には「ネタバレ」になるかもしれません。
原作を読んでいなければ訳がわからないのでは?と思うほど、前半は飛ばしていましたね。あまりに速い展開でびっくりしました。数々の味ある描写が含まれておらず残念でしたが、、映画では時間がたりませんよね。
前半はまさにあらすじだったと思います。
いつの間にか、直子とワタナベの心情描写に入り込んでいて、不思議な世界を見せてくれていたと思います。いわゆるキモは伝わってきました。
あくまでも、直子とワタナベですが。(ミドリもかな)
村上春樹さんの作品では脇に小さなお話がたくさんあり、それも大好きです。
映画でもところどころにちりばめてあり、少しにんまりとさせていただきました。
時間の限られた映画という枠で、よくあそこまでまとめられたものだと、見終わったときには感心しました。(失礼)
原作を読んだ人には、いろいろな見方の出来る作品だったと思います。
素敵な配役に自分の想像力もなかなかだなと思ったり、、直子はちょっと違ったなぁとか。
原作の中のラブシーンについては欠かさずに表現されていたのが不思議なくらいだったので、原作を知らないと「やりたい」だけの若者描写?と思われてしまうこともあるかも、、。今の高校生くらいだとそう思われちゃいそうですね。
ラブの背景にあるものをもっと表現してほしかったな〜。
原作を読んでいない人にはあまり勧めようとは思いませんでした。
「ノルウェイの森」はもっと面白いんだけどなぁ。
でも、いろいろと思い返させてもらえた素敵な作品でした。
情景と音楽も素敵で意味があったと思います。
ノルウェイの森の中の、直子とワタナベ、そしてミドリの物語でした。
こう書いてみると、ノルウェイの森の映画であることに間違いなく、
やはり素敵な映画だったなと思います。
原作に感銘を受け、ノルウェイの森を悪く言われたくない男のたわごとでした、、。