「映画を見て、もう一度原作を読んでみようかと思った。」ノルウェイの森 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を見て、もう一度原作を読んでみようかと思った。
1987年の大反響を呼んだ小説の映画化。
私が、この本を読んだのは、それから数年後のこと。
まだ少女の部類に入る年齢だったので、内容はさっぱりわからなかった。
赤と緑の表紙が綺麗で、クリスマスみたいと思ったことくらいしか覚えていない。
この映画を見て、こんな内容だったのか・・・と思う有様。
トラン・アン・ユン監督の手腕だろう。
画面いっぱいに漂う、虚無感や悲壮感・哀愁感は、とても良い。
松山ケンイチさんや菊地凛子さんの、どうしようもなく生きているのさえしんどいという、表情がとても良い。
対照的に、玉山鉄二さん演じる永山の、超現実的・利己的な考え方が、興味を引いた。
当時の生活の様子や、衣服の柄、バッグなど、また、学生運動のようすなど、どれも楽しめた。
日本にも、こんなにも美しい風景が残っているんだな、と、感慨深く見入ってしまった。
でも、共感できるかといえば、そうでもない。
とても大切な人を亡くしていないからだろうか?!
私がまだまだ小さい時に、お昼寝から起きたら、母がいない。
その時、≪お母さんが死んだ≫と騒いだらしい。
人は、いつかは死ぬんだよということを、最も恐れた時かもしれない。
そんなことを、思い出した。
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