「これがアカデミー賞、作品賞・監督賞なのか・・・。」ハート・ロッカー gdfさんの映画レビュー(感想・評価)
これがアカデミー賞、作品賞・監督賞なのか・・・。
序盤から緊張感のある演出続きで、手に汗にぎりっぱなし。
危険物処理班のお仕事の大変さは十二分に伝わってきます。
またドキュメンタリータッチの演出も、途中何度も
これはドキュメンタリーじゃないよな・・・、と確かめるほど
秀逸な出来栄え。
錯乱しているとしか思えない主人公や、周囲の人々の
歪みっぷり、病みっぷりも相まって戦争の怖さ、辛さは
強く心に残ります。
また、ストーリー性すら否定するかの内容に
ひたすら現実の戦争を観客に突きつける監督の
強い信念も感じました。
ただ、ドキュメンタリータッチのブレまくりの映像も
なれない人には気分を悪くするほどで、
序盤からの緊張感もあって、苦痛に感じる人もいるのでは
ないでしょうか。
この観る者を引き込む辛い体験をお金を払ってまで
するというのは、ある意味究極の娯楽ですね。
また戦争から程遠い日本人のどれだけが理解できるのかも
若干疑問です。
全体的にみると、かなり良くできていて、
すばらしい作品であるのは間違いないですが、
アカデミー賞をとるほどのものには思えませんでした。
何か足りない気がします。
観た人に、正直に真正面から現実を突きつけることに
終始しているからでしょうか。
その足りないものを女性が監督であることで
補っての受賞に思えてしかたありません。
うがった観方ですかね。
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