「優しさやヒューマニズムのかけらも無い死と直結するリアルな戦争の本質」ハート・ロッカー Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
優しさやヒューマニズムのかけらも無い死と直結するリアルな戦争の本質
女性監督による戦争映画が珍しく、しかもアカデミー賞受賞ということで、映画館に行き鑑賞した覚えがある。
キャサリン・ビグロー監督による2009年公開の米国映画。脚本はマーク・ボール(製作兼任)で、撮影はバリー・アクロイド。
イラク戦争におけるジェレミー・レナー演ずる爆弾処理班班長が主人公。
彼は解体した爆弾は800以上。死と直結の仕事で恐ろしいはずだが、通常の精神がいかれて麻痺してしまっているのか、全く危険を顧みない行動を取る。
戦争の中、人知れず国家のために頑張っている人間に光を当てた映画ということかもしれないが、むしろ戦争により否応なしに兵士にもたらされた狂気そのものを感じさせられた。
画像の粗さと砂塵舞う過酷な戦場風景も相まってか、優しさやヒューマンニズムのかけらも無い死と直結するリアルな戦争の本質を、独特の映像により体験させられた思いがした。
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