「商業主義の権化」ハート・ロッカー いもりりさんの映画レビュー(感想・評価)
商業主義の権化
派手な演出、エグい画、起伏の激しい展開、
そしてアメリカの正義を高らかに主張する対テロ戦映画。
アカデミー賞を目標に作られたんだろうなという内容。
演出や表現の手法がとても高度で、内容関係なしに生理的に反応してしまう。
アクション物としては秀逸だと思う。
一方で、戦争を題材にしてはいるが、
両陣営の文化の違いや政治、宗教観などはろくに描かれない。
心情描写も、派手な演出でゴリ押ししているだけで、
一般人が戦争災害として適当に思い描ける程度の描写しかなく雑。
ようは化学調味料をしこたまぶち込んだラーメンのような内容なので
そういうものとして出されればそれはそれで美味しいのだが、
なんかそこを隠して三ツ星料理に見せかけようとしているというか
高尚な社会派映画を気取っているらしいのが妙に癪に障る映画。
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