ノーボーイズ,ノークライのレビュー・感想・評価
全9件を表示
アジアの純真
日本の監督が撮ると同じ脚本でもまた違った感じの作品になりそうです。作品は完全に『血が濃い』韓国映画でした。亨もヒョングも生い立ちに恵まれていなくて、違った場所に生まれ落ちれば違う人生があったはずなのに。自分の人生と重ねて力を貰える人もいると思います。
久々に面白い映画だった。ポイント溜まってたので無料で見れた。 家族...
久々に面白い映画だった。ポイント溜まってたので無料で見れた。
家族がいなくて独りで生きている韓国人
だらしない妹も含め家族を支える日本人
どっちも裏社会に片足突っ込み、¥に翻弄されながら自分の生き方を探している。
仲間なのか、敵なのか、同士なのか、金づるなのか、ハードボイルな内容なのに、人間くさくて共感して見入ってしまう。
なんだろう、それぞれの人物がすごい伝わってきた。(特にだらしいない妹。彼女なりに後ろめたさと責任感をもっているんだろうね)
対照的なんだけど似ている、似ているけどま逆のポジション。
そして説明しすぎないけど必要な情報は提供してくれる。そんな見せ方だからか!?
地元の山口が舞台設定みたいだけど、エンドロールみたら新潟だったんやね。
まぁー冥土。
この日韓共作映画、俳優にイケメン二人の演技派を揃え、
脚本に日本側から渡辺あやを迎えて、つくられている。
…確かにこれだけでもそそられる顔ぶれ^^;
しかし観終えた感想は、私個人の見解で韓国映画かな。
家族の取り上げ方がハンパでないところなど(モロ韓国ね)
住まい方や暮らしぶりなど、一昔前の日本を観ているよう。
ただしかし、こういう人間同士の絆には古さも臭さもなく、
淡々と描かれる互いの切なさが、訥々と胸に迫ってくる。。
明らかにどうしようもない生活難から抜け出せそうにない
(抜け出そうともしていないんだけど)逆境からの起死回生
ドラマを、観客はすごく期待してしまうのだわ…たぶん^^;
いやしかしー。
なにより驚いたのは、ずば抜けたオーラを発揮するこのヒト、
ハ・ジョンウ。まったく垢抜けない青年役だというのに(爆)
そのだらしない寝そべり姿ですら、存在感を丸出しまくり。
「チェイサー」での彼は、可愛い顔して殺人鬼(!)だったが、
今回の役はそのまんま普通人、こういう役をアッサリ演じる
器の大きさがなんか将来性を感じさせるなぁ…^^;
悪いが妻夫木くん、今回は完全に食われちゃってますね。
まぁ冒頭~ほぼ無口で通してきて、中盤、堰を切ったように
器用に韓国語を話し出す彼にも、けっこう驚きがあるけれど。
陰と陽の関係とも見える、彼らの間には「家族」が横たわり、
それを「捨てたい」側と「捨てられた」側の、各々の闇がある。
いまどき、こんな不幸な家族が!?と思うほどリアルに
ひとつ屋根の下に暮らす亨(妻夫木)の家族がなぜか明るい。
昔から「貧乏子沢山」とはよくいったもので(意味が違うが^^;)
こんな生活、イヤだ~!と叫びながらも、案外楽しい瞬間が
あったりする。親に捨てられ(あるいは父親が行方不明?)の
男女からすれば、どうしようもなく楽天家族に映るのだろう。
切りたくても、切れない絆。
結びたいのに、結べなかった絆。
この描き分けがかなり上手い。
結局のところ、彼らは同じことを経験してきた同士なのだ。
多くを語らず、男泣きに咽いでも、なにかを守ろうとして
自分を危険にさらすことを由とする男の性分のようなものを
最後まで日韓演技対決!で魅せてくれる…。
これは、私のように意気地のない女(汗)には叶わない闇だ。
その闇に光を当てたラストのアッサリ感も、韓国映画らしい。
(でも最初の人魚は怖かった^^; マーメイド感ゼロだもんな。)
心が正直になりました。
映画の中に身を投じるように、がっつり集中して観て欲しい映画です。ほぼ全編韓国語ですが、字幕が無くても大丈夫なくらいにキャスト達の感情がドスンと心の中に入ってきて、せつなさ、悲しみ、友情、信頼、愛情など、心に存在する沢山の感情に良い刺激を与えてくれます。観終わったあとの余韻も心地良くてクセになりそうな映画でした。
家族って・・
人の人生は、家族が基本となって成り立ってるんだなぁって、改めて感じました。育った環境で、人生が変わる。劣悪な環境から抜け出したくても、中々抜け出せない。悲しいけど、負の連鎖ってあるんだよね・・もちろん、抜け出せる人もいるけど・・。
娯楽だと期待しないで見れば、渡辺あやさんの世界観に考えさせられるかも。
ボーイズがどうしようもない現実に翻弄されマーメイドのように漂う。
★
妻夫木聡や貫地谷しほりは、いつも通りと言えばいつも通りで、
“チェイサー”とは全く違うちょっとおバカな役を演じた
ハ・ジョンウはちゃんと役作りしていてしっくりくるが、
それ以上に僕は徳永えりのポッチャリに、
眉薄にちょっとショックを受ける。
劇中の言葉を借りれば、バカで、
ヤリ○ンの妹という役の雰囲気は十分出てていいんですけど、
徳永えりファンは濡れ場はないけど、頑張りを観た方がいい。
渡辺あやの独特で繊細な脚本が韓国人監督でどうなるか興味深かったが、
主人公二人が明らかに体格差があるのに互角だったり、ぶつかりあいとか、
韓国映画と言えばハンマーやパイプ椅子をぶん回すような
画をイメージしちゃうけど、
血生臭さはあるにはあるが、その辺が押さえ気味で、
もうちょっとぶつかり合ってもよかったと思わないでもないが、
間の抜けた笑いにクスクスとし、主人公二人の現実と幻想に、
何とも言えない心地よさを感じる。
擬似家族な食卓を見つめるシーンの優しい眼差しや、
“その土曜日、7時58分”のような雰囲気も漂っている、
どうすればいいのか分からず、事はうまく運ばず、
背負っているモノは重くのしかかり、
自分自身がどうしようもなく情けなく、
そんな二人が歌い上げるアジアの純真に、何だか泣けてくる。
★
全9件を表示